メンターに相談したことは、あなたの『不足点』として会社に筒抜けかもしれない(特にメンターが評価に携わる場合)

これは私の実体験であると同時に、ごく当たり前に起きうることであるため、noteに記載する。

前提

うちの会社は、社員1人につき1人、上司以外にメンターが付く。(正確には社内では『メンター』という呼び方はされていないが、この記事では一般名称の方を使用する)
メンターは『弊社でのキャリアについての良き相談者』として対象者の相談に乗ることになっている。
コンサルティング業務の性質上、PJごとに上司が変わるため、年次の評価は、メンターが上司に評価を聞き、本人とも面談の上、年次の評価を記載する。(それを基に評価会議が行われる)
年次の評価のフィードバックもメンターから本人に対して行う。

実際に起きたこと

  1. 私はメンターを信頼しており、パワハラ上司達の相談をメンターにしてきた。だがメンターはその上司達が言うがまま、私をPIP対象とする評価を評価会議に出した。

  2. PIPにおいて、会社からは『不足点について、指導をしてきたが改善されなかったためPIPを行う』と告げられたが、不足点の大半は指導された覚えもなく、いつの何の出来事を言っているのか不明なことであった。その『不足点』を書いたのは、メンターだった。

  3. PIP中、役員(PIPの責任者)から的外れな指摘を受けた際、私は疑義を唱えた。会議後、メンターに確認すると、やはり役員の指摘は的外れだと認識していた。だが、彼は私が役員に叱責されている場に同席しながら、何一つ発言しなかった。また、PIP中、彼が私をかばったことは一度も無く、退職勧奨にも同意した。(逆に私への指摘は行った)

  4. 退職強要を受け、労働局に相談に行った結果を転送した際、彼からの返信は『これは人事部マターだから僕に送ってこないでくれ』であった。

メンターの立ち位置について

上記の1~4について、メンターの立ち位置・損得を考えれば、不思議ではない。

  • 1について、メンターは私よりも上司達との付き合いの方が長い。従って、私より上司達の言うことの方が信ぴょう性があるように感じるだろう。また、PJの掛け持ちや新たなPJの立ち上がりが多数あるため、今は面識がなくとも、今後のPJ等で上司達と協力する必要が出て来る可能性は高い。彼らに敢えて指摘をするには、今後の自身の仕事への影響・保身の感情よりも倫理観が強くなければならない

  • 2・3については、私の上司との関係に加えて、メンターの所属する組織内での立ち回りという観点も入ってくる。役員はメンターの上の役職者だ。メンターの直属の上司の場合もあるし(私の場合はそうだった)、直属ではなくとも上下関係はある。役員が一度『この人がPIP対象』と決めた場合、それに異を唱えると、私が役員から再三向けられた『上の意見・判断の方が正しいのに、反抗するのか』という批判を浴びるだろう。彼が組織の中に居続けるためには、役員の決定・指示に異を唱えるのは控えた方がいい。それで不利益を被るのは、彼に相談してきた下の者たった一人だ。そう考えると、指導されてこなかったことが『不足点』として書かれていたことも納得がいく。『PIPの対象とすること』ありきで、『不足点』の欄を埋めるために上司達から私への不満点(心の中で不満に思っていたこと)をかき集めたら、そうなるだろう。

  • 4については、一番分かりやすい。PIPに携わった責任からの逃避・保身だ。私のPIPの『不足点』を書いたこと、それについて自分がフィードバックしてこなかったこと、PIPに『メンター』として同席しながら、私のPIP未達成・退職勧奨に同意をしたこと……自らの行いについて責任を持つのは勇気がいる。正直、彼の保身的な対応はかっこいいとは思えない。だが、ある意味人間らしいとも思っている。

メンターに相談している方へ

PIPで思い知るまで、私はメンターを信用し、相談していた。
親身になってくれていると思っていた。
今回の件におけるメンターの振る舞いは、彼が悪人だからではなく、彼にとって『メンターであること』よりも優先したいものがあった、ただそれだけだと思っている。彼のようなタイプは珍しくないだろう。
だから、今、メンターを信用している人には、一度客観的にメンターの社内での立ち位置・損得を考え、どこまで相談して大丈夫か考えてみて欲しい。
(特に、会社や組織にデメリットとなるコンプライアンス違反等を相談しようとしている場合は、労働局・労基署等の相談コーナーに行くという手もある)

最後に、私が労基署に提出した資料のうち、メンターに関する記載の一部を抜粋する。この悲しみを同じように味わう人が少しでも減って欲しい。
『表面上は「会社でのキャリアについて親身に相談」に乗りながら、評価者としてフィードバックを行っていない項目を含むPIP開始通知書等を作成し、私の心身の健康に配慮してくれている風でありながら、裏ではうつ病がさらに悪化する再度のPIPか退職かに追い込むことに同意していた。
信頼して相談していた〇〇さん(メンター)に裏切られていたことは非常に悲しかった』

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