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てぇぷ。

カセットテープの発明者、ルー・オッテンス氏が亡くなったそうだ。確認したわけでもないのに、何故か漠然とカセットテープの開発はTDKと思い込んでいた私は、初めて目にする名の発明者の死よりも、コンパクトカセット標準規格の基本特許がフィリップス社にあったことに驚いた。

オッテンス氏の開発時代の最大の悔いは、フィリップス社がソニー社のウォークマンのような、一世を風靡する携帯用カセットプレイヤーを開発出来なかった事にあるという。

フィリップス社がCDプレイヤーを発表した1982年、オッテンス氏は、最早カセットテープは時代遅れとなったと語っている。しかし時代の流れというのは不思議なもので、そんな氏の予測に反し、カセットテープの人気が今再加熱を見せている。

Lady Gaga、The Killers、The 1975等、ここ数年新譜のカセットテープ版を発売しているアーティストは少なくない。先日新譜を出したGary Numanもカセットテープを販売媒体に加えてきている。因みに余談になるが、その新譜の中でもリード・シングルのIntruderは本当に格好いい。

昨年上半期、UKでのカセットテープ売上数は前年比103%あったそうだ。その数凡そ65,000本である。12月には2倍を超える157,000本に達したとか。

もちろんロックダウンの影響は否めないであろう。それにしてもこれだけの需要があったのは驚きだ。恐らくは、再生機を同時に購入している人も少なくはないだろう。その手間を考えてもカセットテープで音楽を聴いてみようと思った人がいるというのは微笑ましい。

私自身はカセットテープよりもCD派だ。その昔、カセットテープ再生中にテープが巻き込むという心折れる思いを、何度も経験した事があるからだ。あんな想いは2度としたくない。あれは本当に辛い。

ただ、ガーディアン・オブ・ギャラクシーでピーターがカセットテープを再生するシーンに、何だかウキウキして見てしまう自分がいる。困ったものである。

このカセットテープ再ブーム、暖かく見守っていきたい。


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