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SaG of Modeling for Real World

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"Stones and Gold of Modeling for Real World" 現実世界のデータ化、モデル化、作成したモデルのソフトウェアへの実装に関する、ありとあらゆ…
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#モデリング

12. 現象学 ~ 再び

はじめに”3. モデリングとは ~ 現象学からの考察”において、フッサールの現象学を元に、概念モデリングの基礎付けを考察しました。哲学的な観点からは、フッサールの現象学の他に、ウィットゲンシュタインの言語哲学、及び、マルクスガブリエルの新実存主義からも考察を行ってきたわけですが、ちょっと時代をさかのぼった、ヘーゲルの”精神現象学”について調べてみました。 今回は、 ヘーゲル『精神現象学』入門 長谷川 宏著 講談社選書メチエ を参考にしました。同じ著者が「精神現象学」その

11. ”世界は存在しない”が”意味の場”は多数存在する ~ 概念モデリング基礎付けの最後のピースを埋める

はじめに前回の予告通り、今回は、マルクス・ガブリエルの”新実存主義”の論考をベースにした、概念モデリングの”ドメイン”に関する考察を紹介します。 参考にした書籍今回の記事で参考にした書籍は以下の通り。どんな書籍か簡単な紹介を加えて紹介しますね。 新実存主義 マルクス・ガブリエル 岩波新書 新実存主義に関して、最初にマルクス・ガブリエルの論考があり、そのあとの3章で、チャールズ・テイラー、ジョスラン・ブノワ、アンドレーア・ケルンの3人による論朴があり、最後に、3人への論朴

9. クリティカルシンキング ~ 理学やシステム開発では当たり前?だけど、社会学だと難しいらしい

はじめに今回は、クリティカルシンキングを取り上げます。ビジネス系の啓発系本では、何かと、○○シンキング(思考)という言葉が多いですね。なんとなく言葉と概要を知っていた、クリティカルシンキングについて、今回は、これまでのこのマガジンの流れで調べてきた圏論や言語哲学、概念モデリングなどの観点から、深堀していきます。 参考にした書籍今回の記事を書くにあたり、以下の4冊を参考にしました。 丹治信春著「実践!クリティカル・シンキング」 Joel Best 著、飯嶋貴子訳「Thi

6. Open AI で概念モデリングアシスタントを作ってみる

はじめに前々から書いている通り、私の最終目的は、 ”関連するドキュメント群や絵、データを食わせると、概念モデルを自動生成してくれる AI の構築” ですが、そこに至る、” A long and winding road” を辿る前に、先ずは、初心者が概念モデリングを習得する時に、その用語や意味、コツなどに関して簡単に得ることができるチャットを作ってみることにします。今回は、Azure Open AI Service を使って、とりあえず作ってみた結果をまとめます。 今回

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5. 概念モデリングに関する圏論的考察 ‐ 議論のとっかかりとして

はじめに今回は、このマガジンの前の記事や、xtUML 研究会や、ALGAN のイベントで、ちょろっとずつ言及している、概念モデリングへの圏論の適用に関する、途中報告的な記事です。 ※ ”圏論(Category Theory)とは”のセクションは、半端な理解の上での中途半端な記述なので、読み飛ばし、最後まで読んでから、戻るという読み方がいいかもしれません。 出発点圏論(英語では Category Theory)というのは、数学の一分野です。それも相当なレベルの基礎数学の分野。

3. モデリングとは ~ 現象学からの考察

はじめに今回は、”Art of Conceptual Modeling”で紹介している概念モデリングに対して現象学からの考察を書いてみようと思います。 背景最近、方々で言って回っているように、今、私は、Open AI を使った概念モデルの自動生成サービスの開発に着手(8割がた言ってるだけですが:苦笑)しようとしていて、まずはその前に、”Art of Conceptual Modeling” の数学的な基礎を整理しようとして、圏論(Category Theory)の習得に努め

2. Design Thinking

はじめに今回は、Design Thinking を取り上げます。 日本語では、”デザイン思考”と呼ばれているものです。言葉と概要はなんとなく知っていたのですが、今回は、ちゃんとその本質を知りたくて、 デザイン思考2.0 デザイン、アート、イノベーション の二冊を読んでみました。読んだのもこの順番。偶々一冊目を見つけて読んで、一冊目のタイトルに”2.0”がついているので、ってことは、「そもそもの”デザイン思考”って何?」ということで、二冊目も購入した次第。 何故 Des