廣野凌大という衝撃

見てタイトルの通り。
これは私が稲妻に撃たれ、濁流にのまれる物語である。
物語などとはいっても、この文章は完全に自分そして私と同じ人種のオタクに向けたものである。正確性などは一切保証しないし、アナタにとって面白いかもわからない。
しかし、オタクには筆を執らないといけない時が2つある。

1つ、推しのジャンルに感謝を伝えたいとき。
2つ、新しい推しに出会ってしまったときだ。

ここまで書いてなんか天国獄のオタクみたいになっちゃったと思ったが、とにもかくにもこれは私が一人の男に情緒を乱されているから助けろというSOS文であり、自分がハマってるものの新規の悲鳴が大好きなオタクによる新規の悲鳴をお届けしようという趣旨で書いたものだ。
あとは前回のnote(※10年越しにライアーゲームにはまった話)を公開したところ、数名のフォロワーがライアーゲームを読んでくれ、古参オタクの方からオススメの二次創作個人サイトのリンク集を頂くという大成功体験に味を占めたというのもある。
因みに、すでに過去の観劇やライブの感想記事などを廣野氏のファンの方からお見せいただいており、レポ大好き人間の私は本当に頭が上がらない。とはいえ、推し情報はなんぼあってもいいし、推しの事を知ってる人間はなんぼいてもいい。
もしこれを読み、過去レポートのご共有や新規参入の検討をする方がいたらご希望のお礼方法も添えてDMかマシュマロください。

さて、事の始まりはというと、先日千秋楽、そして全キャストの卒業を発表したヒプノシスマイク-Division Rap Battle Rule The Stage- 9/3の公演を見て来たことだ。
お分かりいただけただろうか、この女、超の付くド新規である。
それとひとつここからの注意だが、HIPHOPはバックグラウンドを語ってなんぼなので、私のお気持ちというかそういった物も多分に入るし、内容の正確性も保証が難しい。
にわかが何言ってんの?と思うタイプの方は絶対読まないでほしいし、そうでなくても適宜読み飛ばすことをお勧めしておこう。
時は戻って、全員の卒業発表があったBoPの参戦について、私は正直かなり迷っていた。
しかしチケットを取ってくれた上、ヒプは受動喫煙程度の履修度にも関わらず、決して安くないチケット代にひるまず連番してくれたフォロワーにより、伝説の目撃者になれたのだ。
その際に、このnoteのタイトルになるわけだが、廣野凌大との出会いは衝撃だった。

このざまである。



これだけ見ると、最近ヒプにはまった人間かと思われそうだが、ヒプ自体はニコ生時代にリリックバトルで山田二郎にリリックを採用してもらったことがあるし(これは自慢したかっただけ)、当時の大荒れを目の当たりにし、様子を見たが結局2020年にはステも見ている。これが当時のスクショ。

track2でバカスカにやられた。


では、な~にを今更こんな事を言っているのかという話なのだが、これはもう完全に私の個人的な事情の重なりあいだった。実際に文字に起こしたらなんか面白くない上に長いので、簡潔に言うと2.5もヒプ以外全然知らなかったし、track3だけを見ていなかったために奇跡的に廣野氏を見つけていなかった、以上。
言い訳をさせて頂くなら、個人の趣向の他に、やはりコロナ禍で地方勢はなかなか観劇が難しかったというのもある。
ところで、その昔私はKANA-BOONいいよね~とフォロワーに言ったら、え?今?遅いわ(笑)といわれブロックしたことがあるので、遅いわ(笑)と思った人は夜道に気を付けることだな。

そんなこんなでヒプステは好きだけどtrack3は履修してなかった私。
一応直前にABEMAの見放題で作業の傍ら流し見したり、アルバムは聞いていっていた。
その時はオオサカ24金マジックにはまってしまい、荒牧氏にはまったら(※あの人も素晴らしかったということはいったん置いておき)やべ~なわはは、なんて思いながら完全にノーガードの状態で公演が始まったわけだが。
廣野氏が華麗なるポップアップで出てきた瞬間、その時の感情を一言でいうと

食らっちまったよ……。


開演前、推しは自引きできていた為、最推しの方が持っていたがいいと思い、廣野氏のランブロとナゴヤのラババンを手放してしまっていたことが嘘のように(※後悔はしてない)

まって、聞いてない。
ラップ馬鹿上手い人間おるやん。
廣野空却えぐない????

の三行が処理しきれず脳がショートしそうだった。アッパーを食らってK.Oされたと言っていい。

本当に驚いた。ヒプステ俳優はそれぞれ個性があり誰が一番うまいとかは好みだし、全員が100点のスキルを持っているということは前提として敢えて言う。
廣野空却ラップ上手すぎるだろ。一番うまい迄ある。(※個人の感想です)
ラップのうまさは本当に評価が難しい。どこに基準を置くかはさっき言った通り個人の好みだ。でも例えるなら、原作のどのオタクに聞いても木村昴はラップがダンチで上手いって共通認識(主語でかい)と近い感覚だ。実際彼の登場時は毎回キャラ人気・俳優人気の他に、本当にスキルに対する期待の歓声がひときわ大きくあったように思う。
抜群のリズム感、生歌と思えない総合的なクオリティの担保、そして会場をぶち上げる煽り。私は配信2回と現地1回の3公演分しか見れていないが、ずっとあのクオリティはやばすぎるだろ。
加えてめちゃめちゃ動けるし、圧倒的な存在感そして華を持ち、細やかな所作や言動で声が違うはずなのに波羅夷空却の実在を錯覚する。
この衝撃はもうなんというか筆舌に尽くしがたく、すごかったからもう浴びてくれとしか言いようがない。
最後だし生で見るか~~~!そんな軽い気持ちで行ったBoPであったが、地元名古屋に帰るころには初日昼配信と千秋楽配信を買い、三位一体とBang Bang Bangを聞かないと出勤できない体にされていたのだ。
戻りはしないとわかりながらも昔の私に声をかけるとすれば、肩をつかんでこう言おう。

な~~~~~~~~んですぐtrack3みなかったの????


楽曲はさることながら、彼の演技も非常に良かった。空却役は彼以外考えられないという方が多いのも頷ける。
観れるときに見ていたら、2年は追えたはずだった。しかもナゴヤに関してはZepp NagoyaでRep Liveをしていた。地元なのに行かなかったこと本当に一生後悔するし、今の私は妖怪過去レポすすりお化けである。すすらせて頂いた方々に幸せが訪れる訳でもない厄介お化けの誕生。嫌すぎる。
悔しすぎるので自分フリースタイルしていいっすか?

私は新参者、界隈の玄関で鳴らすインターフォン
しかしオタク名乗るのにいらない診断書 
なめる、インライのアーカイブがないという辛酸を
にわかの知ったかぶり in da house yo
(ポンポンポーン)
終始こんな感じで進むので合わなかったら今すぐこのウインドウを閉じることをオススメする。

といったわけで、私と廣野氏の出会いはこんな形だった。あんなにぶちかまされたら手上げるしかないだろ。といったところで、今ここまで読んでいる方、どっちかと言うと廣野空却がやばかったって話じゃん?と思ってませんか?そう焦るな。ここまででいえばお前空却がすきなんだろ?と言われてもしょうがないというか、私もそう思っていたのだが──

こんなこともいうてましたね。それはそう(本当にそう)



時は変わってBoP現地参戦が終わった後、私は基本的に自分がいいと思ったものは全世界に見せたいタイプのオタクなため、奇跡的に同じ会社に勤務している2.5に造詣の深いオタクにお昼の時にめちゃくちゃよかったです、という旨を聞いてもらっていた。
その際廣野氏の話題になり、その時に教えてもらった言葉が、今思えばこの沼の入り口だった。

「あの人時々ツイートがパチカスでびっくりするんだよね」

今思い返してもびっくりするのだが、確かにそういわれた。
え????2.5次元俳優で界隈外までパチカス知られてるの、ええのか??????
造詣が深くないからしらないだけ????と思いつつもそんなことを言われたら気になってしまう。
『廣野凌大 パチンコ』というびっくりワードで私がネットで検索をかけると、ひろゆき氏+高野氏、阿部氏、廣野氏のバラエティが出てきた。こちらU-NEXTで見れたので見たのだが、見てみると彼は家にパチンコ4台、パチ屋に1日常駐、入店時監視カメラに一礼、ぞろ目になるまで検温調整とかなり味が濃いエピソードを披露していた。それにパチンコ以外にも、出るわ出るわ面白エピソード。加えて番組中にも言及されていたが、彼めちゃくちゃポジショニングが上手い。いじられるの上手いし、突っ込むのも上手い。出るとこは出て引くとこは引く、バラエティIQの高さが伺える。ふーん…(面白くて頭がいい男が好きな顔)
そして、数日後あのバトルオブパチンコのツイートである。

マジやんけ。

笑ってしまうだろこんなの。2.5に詳しくない私でもわかる。これは異色すぎるだろ、芸人でももうちょっとクリーンな売り方してるぞ。
しかもファンから好意的なリプがめちゃめちゃついていて、彼のこれは平時なのだと驚愕する。
廣野凌大、おもしれ~男。
こうして私は廣野凌大という人物の中身に興味をもったのであった。

鉄は熱いうちに打て、思い立ったら吉日、アンソロジーは新参者であろうが出せが座右の銘の私。
ここからは早かった。
公式サイト、ネットに残されているインタビュー、ファンの感想やレポetc...インターネットの海を夜な夜な泳ぎ現存する情報をかき集め始めたのだ。と、いうか最初に見た彼のTwitterが何も残ってない(過去のものは容赦なく整理されている)ため自然とそういう形になったと言ってもいい。
もしかして、廣野氏のツイートすぐ消えてるのって、そういう戦略ですか?
俺の事知りたきゃテメェで調べろって??なるほどね(?)
果たして廣野凌大がどのような人物なのか。
これは、調べれば調べるほど深みであった。

調べすぎてて、新規で繋がって頂いた上、親切に私の書いたレポこれです!とまとめをくださった方のレポを大抵拝読済みだったのはちょっと恥ずかしかった。ネトストバレ無理すぎる。

話を戻して、まず共演者から語られる彼の印象は、大体『破天荒に見えて仕事にはとても真摯』というものが多い。インタビュー内でも役について丁寧に語る場面があったり、彼の過去の公演を経て振り返りのブログなんかでは、役作りに置いて、まず自分がその役の顔見知りになってみたら?友達になってみたら?という解釈の内容や現場に関する感謝など、まあまあの文量で綴られている。
私は彼のことを憑依型なのかな、となんとなく空却の演技を見て思っていた。その側面もないわけではないが、どちらかというと、かなり考えや自分の見せ方といったようなものが考え尽くされているようで。

ぎゃ、ギャップ~~~~!

インスタライブではビール片手に煙草をふかし(ていたらしい、まだ見れていない)、Twitterは上げた画像が引っ掛かり凍結され(たらしい)公演の千秋楽前にパチンコへいき15万ほど勝っている(なんなら公演後ほぼ行ってたらしい)、それ以外にもいろんな破天荒エピを持っている、そんな男からでてくる言葉が、文章が。

これか~~~!

このギャップのもととなる廣野の言動だが、原作や元となるキャラの存在する2.5次元界隈において悪いキャラで売るというのは結構リスクなのではと私は考える。
自分の好きなキャラクターを普段あんな感じの人にやられるのやだな…みたいな、そんな前提で見られてしまいかねないからだ。その状態、御幣を恐れずに言うなら、いわばうっすら嫌われた状態で評価されるより、普段から真面目です!と好感度を上げた状態で評価された方が絶対的に安全なのではないだろうか。もちろん普段から好感の持てる振舞いをするというのもめちゃくちゃ大変だろうし、いい人というのは大変にその人間の努力の成果だとは思うのだけれど。
だから彼の売り方は非常に挑戦的だと感じた。そして、塩梅が絶妙にうまい。これはバラエティの時に感じた立ち回りのうまさと少しリンクするところだが、感覚派のようでいて頭脳派でもいるのかと。びっくりするよこんなの。とはいえ割とガチの怒られが発生したこともあったようだが…。
それでも彼はオーディションで役をもぎ取るし、オファーもされる。それって本当に板上の彼が純粋に『良い』からに他ならないのではないだろうか。
自分は主演タイプではないみたいなことをインタビューで言っていたのも、記憶に残っている。あれだけ存在感があって、主演も務めていて、そ、そんなふうに!?と思うけど確かに彼はバイプレイヤーとしてもきっと優秀だろう。これは三回目だが立ち回りのうまさ、というところ。彼からは本当に地頭の良さを感じる。まあ、こんなこといって私まだ舞台に関しては全部は見れてないけど…(急に自信を無くす)私が見た彼は間違いなく良かったので良いと言います。

また、ファンに対する対応や捉え方みたいなものもレポやFCから見て取れたのだが、どうやら彼、ファンには友達か????ってくらい優しいらしい。
バスツアーやカレンダー、DVDなどのイベントやライブのレポをおすそ分け(勝手に私が検索しているので強奪ともいう)してくれてる方々、本当にありがとうございます。各位に足を向けて寝れないので今日からアンモナイトの体制で寝よっかな。
加えて、悪キャラを出してることもあり、アイドルみたいな売り方はいやだ、というのは随所で感じるものの、今ついているファンの事をないがしろにしたりするようなことは言わない。(見た範疇では少なくともそう)

これは私の個人的な遍歴が入ってくるので読み飛ばしてもいいのだが、私は主にロックバンドやHIPHOPアーティストがもともと好きだったりする。
そういう人間たちは往々にしてアイドル売りを嫌う傾向にあって、特に私が一番好きなロックバンドはそれが行き過ぎたというか反骨精神が有り余るあまり、女性ファンをないがしろにしていると取られるようなことをしてまあ燃えるのだが、廣野氏はアイドル売りは嫌と言いつつ、同性受けみたいなところに固執をしていない気がする。
それってすごく難しいことじゃないだろうか。結成20年以上たってて、日産スタジアムでライブするような奴もそこに捉われ続けて燃えちまうのによ(ほぼ名指しするな)
たまに私は推しを推してて、私が男だったらなとか、私がオタク属性持ってなかったらな…と、自分が彼らにとって望んだファンでないかもみたいなことを考えて、悲しくなりその後にいやまて金払ってんのは同じだろーがよと切れ散らかしたりするのだが、彼からはそういうものを感じなかったのも個人的にはすごく良かった。

彼は時折冗談交じりにプライドがない、と言っておどけて見せたり、共演者にいじられたりするのだけど、多分『変な』プライドがない、ということなのだろう。
いいと思ったものは受け入れて、違うと思ったものははっきり言う。自分や作品というものに対して良くなるなら文字通り『なんでもしてくれる人』というのも、彼という人間を表すのにふさわしいかもしれない。やりすぎてたまに怒られてるらしいけど。廣野氏も消防法には勝てない。

そして、共演者に対しても仲がいいからこそ過激なことを言ったり雑に扱ったりするが、随所に漂ういいやつ感、そして愛されている感。
俺アウトローですみたいな、群れないんでみたいな、雰囲気を醸してるのにそういうエピソードが出てくるの、

それ、オタクが好きってわかってやってんのか??

しかも基本褒められたらそーなのよ、とか普通に受け取る。

それ、オタクが好きってわかってやってんのか??
(2回目)(※営業妨害だと怒ることもあるがそれもいい)

といいつつ打算なしに彼の人柄の良さみたいなのが、トークなどではにじみ出ているのがかなり印象的だった。


そして、これが私の沼落ち最大の理由だったのだが。
彼の音源がめちゃくちゃいい。
これに尽きる。
彼はBimi名義でアーティスト活動もしている。
どんなもんかね、と覗きに行った私の感想は…。

食らっちまったよ…(n文字ぶり2回目)


空却役でラップが上手いのはまあ存じ上げていたが、それとはまた違う。
キメの心地よさとビートを泳ぐようなフロウの中毒性はさることながら、圧倒的なセンスで生み出される曲のリリックは彼の境遇とリンクし、説得力が研ぎ澄まされている。
Bimiが書く曲において説得力、HIPHOPシーンでいう所のリアル感というのはすさまじく爆発的に感じた、少なくとも私は。

鮮烈なデビューを飾った(と思われる)(当時のことはわからん新規)『Tai』。
嫌な意味合いはないと前置きするが、おおよそ所謂若手俳優のつくるものとは一線を画しているというか、アーティスト活動もやってると知って見に行ってこれが出てくるのは、なかなか驚きである。
元々ラップやロックが好きな私がびっくりしたのだから、当時のファンの方々の驚きはもっとすごかったことであろう。だって、推しが胃を洗浄するレベルで墨汁直接飲んでめちゃくちゃでいてばりくそアーティスティックなMVお出ししてくるんだぞ。しかもジャンルはHIPHOP、融通無碍な瞬間のArtにもほどがある(Taiより一部引用)。
しかもMVや楽曲制作にかかる費用は実費というからこれまた驚きだ。自分のやりたいこと、いいたいこと、伝えたいことのアウトプットがこれなのはマジでやばすぎる。
私はどちらかというとバトルヘッズと呼ばれる部類のHIPHOPのファンであり、有名どころ以外はMCバトルをみて好きだな~と思ったラッパーの音源を調べて聞いたりするものなのだが、正直な話音源はあんまり好きじゃないな…と思ってしまうことも多々ある。が、しかし、Bimiに関してはまじでそこいらのバトルMCよりイカしてるのだ。(私調べ)
それは前述した彼の紡ぐリリックの説得力、という所の話になるのだが。

彼はもともとアーティスト志望で事務所に入ったらしい。
しかし、有名じゃない人(人気のない人だったかな?)の曲は誰も聞かない、と言われ、それはそうだなと納得。事務所の勧めで初めて受けたオーディションが2.5の舞台だったらしく、それでなんと一発合格、今に至るという経歴である。
これは少しさっきに話が戻ってしまうのだが元々やりたかったことが出来ずに、別の道に入って、そこで腐らずに真摯に向き合ったというのは本当に素晴らしいことだしなかなかできることではない。これは絶対言いたかったから差し込むタイミングを計ってました。
そんなこんなで、いくつもの舞台やイベントを経て、晴れて音楽活動を開始したわけなのだが、彼の曲にトラックを提供しているDJ dipとの繋がり方もこれまたすごかった。
共通の知り合い、確かメイクさんに廣野氏がふと思い立って、トラックメーカーを紹介してほしい、という話をしたところ、一人だけ知っているということで紹介されたのがdip氏だったそう。
メイクさんと話していた話題と同じ話をdip氏も別の時にしていたらしく、見事にフィーリングが合致。お互いがかっこいいと思えなかったらこの話はなしにしようということで、提供されたトラックにリリックを載せ、お互いこれはやばい!と思いリリースすることが決定って。どこのイカしたアーティストの逸話だよ。Bimiの逸話だったわ。
初オーディションで一発合格というのもそうだが、廣野凌大を一言で表すなら持ってる男と言えるのではないだろうか。
この持っているというのは、運がいいとかそういうニュアンスが100%ではない。日頃の行いや彼の人柄のようなものがそれを引き寄せるのだろう。この持っているというのは並大抵でマネできることではないし、カリスマ性のようなものでもある。それを持っているというのは素晴らしいことだ。

あれ?説得力の話は?と思いましたか?
まあ待ってくれ今からするから。

この持っている男、経歴の紹介をされると、とんとん拍子でとかそういう表現をされるし本人も否定しないし、何なら自分何でも出来ちゃうんですよね(笑)くらいのテンションであるのだが、全てがそうかと言われるとそうではない。
…しらんけど(自分がド新規なのを思いだした顔)
元々なんでもソツなくこなしてしまう、器用貧乏なのが少しコンプレックスみたいな話をインタビューでしていたのだが、その後の彼の言葉。
「音楽だけは自分に振り向いてくれない」
「努力で手に入れたものじゃないと本物じゃない」

細部は違うかもしれないが、こんなニュアンスだった。

お前、それ本気で言ってんのか…???

あんなバチバチのスキル持っておいて??
というかご自分のお声聞いたことありますか??歌うために生まれてきたみたいな声してるでしょあなた。
彼の声を構成する要素は非常に複雑だと思う。美しい高音の発声が可能でありながら、ハスキーでいて、それでいて膨らみというか丸さもあって、若い声なのに渋みもある。なんだこの大渋滞は。
歌のうまさとラップスキルは全く別のものである、というのはオードリー若林を聞いて貰えばわかると思うが、どちらにもアプローチが可能、というか映えまくる声というのは本当に素晴らしいものをお持ちでとしか言いようがない。これはもう本人の努力の賜物なのはさることながら、親に感謝してくれ、と思う。多分してるよ家族仲良さそうだもん(知らんけど)

オタクの厄介感情は置いておいて、この発言的にはもともとやりたかったこととは別の所で評価を得ていて、それに比べて…ということもきっとあるのだろうし、きっとだからこそ燃えるみたいなこともあるのだろう。彼の目指すところはもっと高い場所にあって、前にも少し触れたがこういう音楽の世界の評価と舞台俳優としての人気の高さっていうのは全く別のところにベクトルがある場合も多いのでそのギャップもあるのかもしれない。
また、これは私の鬼パブリックサーチの結果だが、インスタライブで時折数字についての悩みであったりを話していたようで、シーンに対する不満だったり、でも自分を好きだと言って求めてくれる人を大切にしたいが故の葛藤のようなもの、そういった様々なものがログは残っていないが散らばっていた。また、この若さで27歳で燃え尽きることへの憧れみたいなものを持っていて、それが、マジなのである。どう生きるか、というよりどう死ぬかみたいなことに対する姿勢が若いから言ってるというか結構ガチの死生観を持っている。そう言った要素と、これまでの作品への姿勢や役作り、自分が本当にしたいことに対するインタビューなどを照らし合わせると、Bimiの楽曲は説得力が段違いなのである。

『Popstar』なんかは特にそう思わされる。
才能があって、認められているはずなのに、今の環境も嫌いじゃなくてむしろ全力で向き合っていて得難い縁だと感じているはずなのに、本当に欲しいものが手に入らない。何が幸せかもわからないし、流されるまま行き着いてしまったな…みたいな。それはこれまでに廣野氏のエピソードとして語られたからこそ歌になってみて含蓄があるのである。
そしてそういう感情は音楽に載せてなんぼだと私は思うのだ。
俺の為に死んでくれ、なんてちょっと普通じゃ言えないし、受け取れない。でも音楽に載せると言えるし、受け手も受け取れる。
結構キラーチューンだなと思う『輪』や『NINJA』もそうだ。
一見繋がりのない言葉や世界観が韻という接着剤と彼の歌声で見事にビートの中でうねっていて、癖になる。けどそれだけではない。
不満や自分に言い聞かせるような言葉、強烈なパンチラインの数々は彼が吐いてこそ意味があるのではないだろうか、というか、私はそこに意味を見出している。勝手に。
過激な言葉は諸刃の剣だ。何をいうかより、誰がいうかで言葉の意味合いが良くもダサくもなる。それを使いながらビートに乗りこなされたらもう痺れちゃうじゃん。未発表の『beast』なんかはそれの最先端かもしれない。

それに、自分で天才と言ってしまうことだけある音楽性の広さも良くて、『LOVE』とか『軽トラで轢く』なんかは温度差で風邪ひくわッッッッと言いたくなる幅だ。
これは変なプライドがないという話にもリンクする気がするが、いいと思ったことやりたいと思ったことに対して取り入れることに躊躇がないし、それを調理できる才能とセンス。
Bimiの楽曲はHIPHOPでありながら、ロックでいて、パンクでいて、演歌でもある(突然の演歌)といえるかもしれない。

今あげたような項目が刺さるか刺さらないかっていうのは、はっきりしないとお腹の傷が開いちゃうらしいので(?)敢えて言うと、音楽に何を求めているか、この一点に尽きると思う。
それでいて私が音楽に求めるのは、踊れる耳心地の良さ、もしくは誰も言ってくれないことを自分の言葉で突き刺しにきてくれること。お分かりいただけるだろうか。

両立してくるな〜!!!


端的に言って私の好みど真ん中だったという話である。
私は音楽に自分の人生に寄り添って欲しいとは思わない。誰にでも当てはまる曲というのにはあまり興味がなくて、彼による彼のために歌われた彼の歌、というのがとても良かった。
阿部顕嵐氏に歌上手いからバラード歌ってみたら?といわれて、いいっすねーとか言いながら全然歌わないって聞いた時も、スタンディングオベーションした。(これは私の趣味)
パンクとかが好きだから、自分がバラードとかやると嘘になっちゃうみたいなことを言ってた気がする。

それでいいんだよ…………

いやもちろん、彼の歌唱力なら良いものになるのは容易に想像がつくが、私はマジで誰も言ってくれないことを言ってくれる人間が好きすぎるので、大拍手だったのであった。
こうして私は廣野氏のFCに入会したのだった。

ここまで書いてみて、文字数を見たら、10000字を超えていた。怖、怪文書かよ。
ここまで読んでくださった方、根気強すぎる。お礼を言いたいので是非希望のお礼方法を添えてDMかマシュマロください。

最後に総括だけさせて欲しい。
彼の魅力というのは、一見交わらなさそうな二つの要素を併せ持つことによる、声よりももっと色々な要素を含んだ複雑さだと私は捉える。
豪胆に見えて繊細、天才でありながら挑戦者、悪役に見えて兄貴肌、孤独に見えて人気者、カリスマ性を持ちながら親しみやすく、芯を持ちながらも柔らかい。
どちらも裏や表などではなく、等身大で廣野凌大という人間を構成するピースなのではなかろうか。
また、彼の活動は演技、音楽どちらも見ることに意義があるかなぁと個人的には思っている。冒頭で言ったようにHIPHOPはバックボーンが大事なのだ。そして彼のバックボーンは演技の世界と切り離しては語れないし、音楽も切り離して語れない。是非全人類浴びていただきたいところだ。

と、ここまで書いたが、29日にLast EPの関係がリリース予定!待ってました!!!!!!

…………

待って????????Last??????

最初に書いた通り私が廣野氏を知ったのは9月頭である。
そして曲がとんでもなく好きなのである。
Last???????
EPリリースの噂はパブサで仕入れていたし、結構な頻度でやってたらしいタバコと共にやるインライを楽しみにしつつ、インライこんなー!忙しそうやもんなー!と思ってたんですけど、あの聞いてないです。なんていうかこれは…

喰らっちまったぜ……


詳細はまだ出てないため、何も分かりませんが、とりあえず私は9/30、人生初の接触イベントに参加する行きの新幹線で、彼の出演舞台の一般先着チケット戦争に参戦し、イベント待機列の中で、ワンマン行きたいし、とりあえずフェスはいいかなぁと余裕ぶっこいていたのにラストかもしれないので行かざる得ないライブの一般先着に参加します。
幸運を祈っていてください。でも楽しみだ!

フフ、こんなとこでまで衝撃喰らわせんでええねん。
お後がよろしいようで。(よろしくない)

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