AIは、イーロン・マスクか、ネクタイピンの仕事を奪う

「AIが分析した●●」「AIがデータを元にオススメした●●」みたいな言葉がありとあらゆるところで踊っているけれども、これはどうにもマーケティングツールとして有効なんだろうね。

その中身がペラペラで、恣意的で、嘘にまみれた統計データだったとしても、「AI」という言葉でパッケージングされていれば、それは神の言葉になる。「AIが言うんなら間違いない」ということになって、人々が納得してしまうのだろうね。

全てをブラックボックスにしてしまえることが、AIの強さだ。きっとその裏側で動いている計算式をよくよく見てみれば隙だらけのゴミなのだろうけど、「AIが言ってますから」以上の説明が求められることはない。これは普通の人間にはできない芸当だ。普通の人間なら「なぜ?」「根拠は?」の無限地獄に突き落とされるような場面でも、AIに反論する人はいない。

これと同じことができるのは芸能人とか、インフルエンサーとか、権力者とか、イーロンマスクとか、その類だ。具体的には「これからビットコインがくるよ」と言うだけで、ビットコインの値段を釣り上げられるような人だ。これからはその機能は少しずつAIで代替できるようになるかもしれない。つまり、「有無を言わさず人を納得させる権威」をAIが代行できるようになるわけだ。

AIによって中産階級のサラリーマンの仕事を代替できるというのは、どうにも表面的だね。AIはまず手始めにイーロン・マスクの職を奪うのかもしれない。

逆に「AIが保証していないなら、信用ならない」という時代が到来するのかもしれない。あるいは「AIによる裏付けを用意していないのは、失礼だ!」みたいな話も出てくるかもしれない。そうなればAIはネクタイピンみたいなマナー用品になるのだろうね。そして、その上位の預言者として、イーロン・マスクが復権するかもしれない。

どうなるかはわからない。ただ、AIが人間を楽にするとは、僕には思えない。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!