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Z世代マーケティングのなんとも言えないブルシット臭について【雑記】

「産学連携!」「Z世代のアイデア!」といった言葉を企業PRや広告でよく見かけるようになった。

ここでは何が起きているのかを考えてみたい。

まず、(実際のところは詳しく知らないが)Z世代の大学生にアイデアを出させるなら、そのアイデア料は無料で済む。胡散臭いコンサル会社にバカ高いパワポ資料を作らせなくて済むわけだ(まぁZ世代マーケティング自体は胡散臭いコンサル会社にそそのかされてるのかもしれないが)。それでも大学生は時給が出ないことに文句を言うことはない。なぜなら彼らにとってそれは就活のための実績づくりになるし、単位取得もできる。ガクチカと単位のセット販売なら、時給1000円のコンビニバイトよりもコスパもタイパもいいと判断するだろう。

そして、「産学連携に取り組む企業」というアピールをしておけば、企業はなんだか好印象を手に入れられるような気がする。利益を度外視でソーシャルグッドな活動に貢献している見かけを演出できる気がする。ついでに言えば大学側の名声も高める気がする。「実社会に役立つ大学」というイメージ戦略は、就職のための肩書獲得を求めている学生を呼び込むために効果的な気がする。

さて、これから書くことは邪推である。邪推であるのだが、たぶんこれで金を儲けているのは、裏側の広告代理店やコンサル会社、PR会社なのではないだろうか? 学生や企業、大学には「イメージアップしますよ!売れますよ」とそそのかして茶番をセッティング。あとはふんだんに金を取るのだろう。

実際に彼らが考えたビジネスアイデアがZ世代からの注目を集めて、ヒットを飛ばすのかどうかと言えば、たぶんそんなことにはならない。ボチボチ売れて「よかったね」「楽しかったね」でしりすぼみしていく一夜限りのイベントなのだろう。それに、イメージアップ効果があるかどうかも怪しいし、実際にアップしているかどうかも図りようがない。が、実際に金勘定する胡散臭い人々が、そんなことを気にしないだろう。

金儲けの方法を教える人が一番金を儲けるという法則は、やはりどんな時代にも通用するらしい。

最近はBtoB企業のテレビCMをよく見かけるようになった。最近はBtoC企業は「もしかして、広告宣伝費って無駄多いんじゃね?」という感覚を抱き始め、胡散臭い人々に金を流さなくなった。そこでまだまだマーケティングという言葉にふわふわした夢を見ているBtoB企業のおじさんたちにキラキラのパワポを売り込む。そして、BtoB企業のIntelが消費者にマーケティングして成功したという逸話を語りながら、企業CMの契約をふんだくっているのだろう(繰り返すがこれは邪推である)。おそらくZ世代マーケティングも似たようなプロセスで契約をもぎとられているはずだ。

売上をコミットするのではなく、イメージアップをコミットする方法は、成功しているのか失敗しているのかの判断が曖昧であり、責任追及される可能性が極めて低い。BtoC企業の広告宣伝をやるときよりも、かなり肩の力を抜いて取り組むことができるはずだ。

さて、このプロセス全体で起こっていることは、壮大な搾取合戦であり、ブルシットとしか表現しようがない。いや、やっている本人たちは次世代のマーケティングに取り組むスマートなビジネスエリートを気取っているのかもしれないが、傍から見れば困窮する貧民から搾り上げた税金で壮大な儀式を繰り広げる貴族たちである。

ブルシット・ジョバーたちは搾取合戦に消耗しているし、実際に被害者の側面は大きいと思う。それでも、エッセンシャルワーカーたちが生み出した富がキラキラの茶番に浪費されている構造を擁護するのは難しい。

広告業界やコンサル業界、人材業界は年々市場規模を拡大させている。一方で全体の経済成長は止まっている。これは要するにブルシット・ジョバーが全体のパイを増やすことなく利益をかすめ取っているだけである。もっと批判の声が上がってもいい気がする。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!