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インターネットをうろつく変な奴らよ。合言葉をつくらないか?【雑記】

noteではやたらと威勢のいい僕だが、現実世界では「あぁそうですか‥人生100年時代っていうくらいですからね、年金もどうなるかわかりませんし、NISAとかああいう仕組みをうまく使って将来に備えとかんとあきまへんなぁ」とかなんとか言って真っ当な社会人であることをアピールしている。

金の話をされた途端に「そもそも貨幣経済がクソやろ」などと思いっきり鼻先にそもそも論を突きつけるようなことはしないのである。そこで鬱憤をためにためているからこそ、本やnoteにこうやってそもそも論ばかり書いているわけだ。

とはいえ、似たような人はインターネット上にはゴロゴロいるように思われる。僕のことをフォローしてくれる人やいいねしてくれる人のページをみて、フツウのことを書いている人はさほど多くない。ワケのわからない肩書きで、好き放題にラディカルな主張を行う人ばかりだ。

ところが、ラディカルな人に現実世界で出会うことは稀である。これは一体どういうわけなのだろう?

おそらく、心根まで常識にどっぷり浸かった人は、想像するほど多くない。しかし、多くの人は処世術として、あたかも常識に浸かりきっているように現実世界で振る舞っている。内心では「財政均衡主義はカルト宗教」とか「教育制度は後天的身分振り分けシステムと化している」などと考えているくせして、実際に出会えば「これからの時代はねぇ・・・DX化に備えないといけまへんなぁ」とかなんとか話し始めるのだ。そして、彼ら彼女らに出会った僕も、「そうですなぁ・・・これからはAIを活用し、プログラミング教育が、コンテンツマーケティングで、インボイス制度ですなぁ」などと調子を合わせてしまう。

本当ならわかりあえた僕達は、互いに「所詮あいつも常識教に洗脳された馬鹿だ・・・」などという印象を抱いてその場を後にすることになる。そして後日、相手の顔を思い浮かべながら、「世間ではDX化だなんだと騒がれていますが、DX化と言っている人はだいたい馬鹿です」などと鬱憤と共にインターネットに書き殴ることになる。

これが悲劇でなければなんなのか? さながら現代のロミオとジュリエットである。本来なら出会うはずの二人が、世間という牢獄の中でちっぽけな真実を握りしめて生き抜く同志が、本当の顔を見せあうことなくすれ違ってしまうなんて(もちろん、ロミオとジュリエットが全く同じ意見を持っているとは限らない。ただし、異端の意見の主張者は、自分以外の異端者にも寛容になれるのが普通である。敵の敵は味方なのだ)。

だからといって相手の素性がわからないまま、いきなり「貨幣経済はゴミ」などと本音をさらけ出してしまった場合、もし相手が常識人だったときに被る損害が大きすぎる。なら、事前に相手がジュリエットであるかどうかを確認するしかないが、これは一筋縄ではいかない。なぜなら「そもそも貨幣経済そのものについてはどのようにお考えですか?」などという質問は初めから否定ありきであり、常識人ならばそのような疑問すら思い浮かばないのが普通だからである。そのような質問をしている時点で、常識人は「あ、なんかヤバいやつに出会ったかもしれん」と警戒レベルをマックスに引き上げる

つまり、常識人の警戒レベルを上げることなく、相手がジュリエットであるかどうかを判断するリトマス紙は、現時点では存在しない。

ならば、同志たちよ。ここで合言葉をつくらないか? そうすれば、常識はずれの意見を表明しても問題ない相手かどうかを事前に確認できる。この手の議論に関しての指針となるのはJ・S・ミル以外にいないだろう。彼は常識はずれの意見が自由に議論されることの重要性についてそれなりのボリュームの本を書いた。ならば合言葉は彼の言葉から引用しよう。

人々は誤謬に熱中することはあっても、真理にはさほど熱中しない。

J・S・ミル『自由論』

よし、これでいこう。

これで僕達は相手の存在を確認できる。一度シミュレーションしてみよう。

ロミオ:
あ、はじめましてー。よろしくお願いします・・・・・人々は誤謬に熱中することはあっても・・・

ジュリエット:
・・・真理にはさほど熱中しない

抱き合う二人。
(BGM)

完璧である。仮に相手が常識人だったとしても、この合言葉なら怪しまれることはないだろう。

ロミオ:
あ、はじめましてー。よろしくお願いします・・・・・人々は誤謬に熱中することはあっても・・・

常識人:
?????????????

ロミオ:
まだまだ寒さが続きますねぇ、日なたに出たらまだマシなんですけど、日陰にいると寒いですねぇ

常識人:
え、ええ

ロミオ:
今日なんかはまだ風がない分、マシですけどねぇ、ほんと・・・


自然である。問題はない。

さて同志たちよ、現実世界で出会うことを楽しみにしている。ロマンスを思いっきり楽しもうではないか。


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