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農家とベーシック・インカム

ベーシック・インカム反対論に反論することは、僕にとってライフワークである。なんといっても僕はベーシック・インカムに関しては思想強めな男なのだ。今日も自分に金が配られないことに対する鬱憤で、このnoteを書いている。

まずはトップ画のグラフを見て欲しい。なかなか衝撃的である。農家の平均年齢67.7歳。見た感じだと、中央値も似たようなあたりだろう。つまり半数以上が年金受給年齢を越えている。

もちろん、僕は「知ってるとも、高齢化って大変だよねー」という反応を引き出して満足したいわけではない。このことは深刻な事態でありながら、希望でもあるのだ。

農家のうち年金未納率がどれくらいかはわからないが、全体で年金が受け取れない人の割合は15%くらいらしい。つまり、ざっくりとした計算だと、日本の現役農家の4割以上が年金受給者だと考えられる。

僕が何を言いたいか、そろそろ察しがついたと思う。

ベーシック・インカム反対論のうち最もオーソドックスなものは「金を配れば誰も働かなくなる」というものである。実際、農家という僕たちにとって最もエッセンシャルな仕事のうちの1つは、事実上、既に4割近くの人にベーシック・インカムが支給されている。いつ農家の半数が一斉退職しても不思議ではないのだ。

僕から言わせれば、ベーシック・インカム反対論者は、このことに慌てふためいていなければおかしいことになる。しかし、慌てふためいている人はあまり見かけない。「農家は年金をもらっているけど、まぁたぶんしばらく僕たちのために米と野菜を作ってくれるよね。でも、ベーシック・インカムは反対だ。なぜなら、お金をもらったら働かなくなるからだ」と考えているわけだ。

もちろん、苦し紛れの反論を考えることはできる。農家は先祖伝来の土地の職業を受け継いでおり、雇われサラリーマンとは責任感が違うとか、そういう反論だ。一理なくもないが、正直、苦しい。人間は金をもらっても必要な仕事ならやると考える方が自然だ。そのことを農家は文句なしで実証しているのように見える。

だからさぁ、もういいじゃん。金くれよ。金。仕事したくないんだよ。

僕の仕事はエッセンシャルでもなんでもないので、別にいいでしょ。むしろ、休んでいる時の方が田んぼに行ったりして役に立つことをしている。僕はこれから田んぼに行って雑草を刈りにいくのだ。

農家になるのはきっと楽しい。楽しいから、そりゃ辞められないね。

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