上司なんていらない

「私が辞めて、新人のバイトの子らだけになったら、お店回らへんわ」

と、その先輩が愚痴をこぼした1ヶ月後には、たいてい新人のバイトだけで難なくお店が回っている。見覚えのある光景だ。

僕自身も似たような経験が何度かある。マイクロマネジメントしてくる店長のもとでは出来損ない扱いを受けていたものの、放置タイプの店長に変わった途端、創意工夫を開放し、周囲に頼られ、自由に仕事を楽しんだ経験だ。

結局、自意識過剰の先輩たちが、後輩を子供扱いしていたから、子供のように振る舞うわけだ。子供のように扱われることがなくなれば、後輩たちは大人として振る舞う。

心理学の世界では、『ゴーレム効果』とか『ピグマリオン効果』とかいう名前で説明されるらしい。

上司というのは、「自分は優秀だが、部下は愚かであるために、一挙手一投足に対して、自分の天才的な指示が必要だ」という前提で存在している。

しかし、実際は同じ人間同士なわけだ。「良識はこの世でもっとも公平に分け与えられているものである」と、デカルトも言ったが、誰しも(少なくとも自分と同程度には)頭が良い。

ならば、能力が発揮されていないのは、単純に上司に抑圧されているからなのだ。抑圧から解放すれば、多少の紆余曲折はあっても、いずれ能力を発揮するに決まっている。

思い返して欲しい。上司が自分の役に立ったことと、自分の邪魔になったこと、どちらの方が多いか。明らかに後者でえるはずだ。

なら、ティール組織ばりに、上司と部下という関係をぶち壊してしまう方がいいに決まっている。それができないのは、「今までやったことがないから」なわけだが、思い切ってやってみればいいんじゃないかと思う。

ティール組織というのは結局のところアナキズム的組織なわけだが、やっぱり時代はアナキズムに向かっている気がするのだよ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!