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暖かいベッドから革命【雑記】

子どもたちとご飯を食べて、暖かいベッドで眠っていると、この暮らしが愛おしくなる。どこの誰が作ったのかわからない毛布と、どこの誰が作ったのかわからないパジャマに包まれて、化石燃料で発電された電気で暖房をつけ、眠る。僕の快適な暮らしはグローバル資本主義とささやかな金の力で、遠くの誰かを搾取することで成り立っている。

僕はこれから出版社を起こす。つまり、快適な暮らしをコインに変えてスロットを回そうとしている。そして、出版社は最終的にグローバル資本主義をひっくり返すことを夢見ている。

それでも僕は、暖かいベッドで快適に眠りたい。きっとこれは僕のわがままではないはずだ。朝から晩までデスクに齧り付いて、禿げ上がった上司に顎で使われるのを我慢しなければ快適な生活ができない社会。あるいは、やりたいことをやって金を儲けることに失敗したなら路頭に迷う社会は、どう考えてもイかれている。誰もが自発的に、遊ぶように、気まぐれに人々に貢献すれば勝手に成り立つ社会を作らなければ、いつまでもこのディストピアは拡大再生産されていく。

ディストピアの中の勝者になることを教えるのではなく、ディストピアを破壊すること。それこそが真に誠意のある大人の態度だと思っている。自分や、自分の子どものためだけではない。あらゆる子どもたちにユートピアをプレゼントするためである。

去年、小中学生の自殺数(自殺率ではない)が過去最多となったらしい。自殺の定義をオモチャにした統計マジックの可能性もあるとは言え、この少子化の時代に、である。3歳の息子の周りでも英語や音楽を今のうちから学ばせる熱心な教育ママがたくさんいる。資本主義社会の椅子取りゲームに勝つために軍拡戦争を繰り広げている僕たちは、いつしかお互いを滅ぼし合うだろう。

だからと言って僕は桐島聡やジョニーシルバーハントのように企業のビルを破壊する頽廃的な人生を歩もうとは思わない。繰り返すが、僕は暖かいベッドで眠りたいのである。暖かいベッドの上で、革命を起こしたい。

世界を変えているうちに、おじいちゃんになっているかもしれない。だが、僕は革命後の世界に生きることができないのだとしても、革命に奉仕したい。最悪、革命が成就しないのだとしても、革命に奉仕することをやめたいとは思わない。負けるとわかっていても打たずにはいられないパチンカスなのだ。

この世界はイカれている。イカれた世界で平気な顔をして生きられることもイカれている。僕は普通じゃないかもしれない。でも、至ってまともな人間だ。まともだからこそ革命の夢を見ながら、暖かいベッドで眠る。

明日の朝も世界はイカれている。でも僕だけはまともでありたい。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!