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3歳児教育放棄マニュアル

3歳になる息子がショッピングモールで騒いでいるのを見ると思うことがある。親の顔が見てみたい、と。

子育てには不安や後悔がつきものだ。それでも心が病んでしまわないように、僕はいくつかの鉄則を心に秘めて子どもと接している。

それをここで紹介したい。子育てに悩むあなたはきっとこう思うだろう。こんな奴でも親を名乗っているんだから大丈夫だ、と。


  1. 3歳児が身に付けているのは服ではない。脱着可能な雑巾である。服が汚れるのは、服が正常な機能を果たしているからと考え、喜ぶべし。

  2. 3歳児に食事を与えるのではない。床に与えるはずの食事を3歳児が盗み食いしているのである。3歳児は床に食事を与えるという任務を概ね遂行する。素晴らしい達成だと考えよ。

  3. 3歳児に手の込んだ料理を作ってはならない。ニンジンをフードプロセッサーでバラバラにしてハンバーグにしたところで、子どもはニンジンの存在に勘づく。どうせ食べないのだから冷凍のチキンナゲットでも与えておけばよい。死にはしない。

  4. 風呂に入らないという3歳児の選択は理にかなっている。なぜなら、現代人は風呂に入りすぎているからである。だから無理に入れる必要はない。

  5. 3歳児にとって、ガリガリくんとハーゲンダッツには違いはないし、チロルチョコとGODIVAにも違いはない。ガリガリくんとチロルチョコを与えよ。

  6. 3歳児におもちゃを与えてはならない。段ボールの梱包材やラップの芯、セロハンテープ、洗濯ネットのようなモノを与えよ。高価なレゴブロックよりも楽しむ可能性が高い。

  7. 子どもに英語を教えてはならない。3歳でHelloを覚えようが8歳でHelloを覚えようが、大した違いではない。

  8. 文字や数字も教える必要はない。小学校でやることがなくなるからである。

  9. 将来の知能や非認知能力が低くなろうが、視力が悪くなろうが、気にせずYouTubeを見せよ。なぜなら、保護者としての義務は18歳で終了するからである。知能や非認知能力が低いことや視力が低下することで被害を被るのは主に18歳を過ぎてからであり、その頃にはもう親の責任は時効となる。ならば、好きにさせれば良い。

  10. 野菜を食べる必要はない。野菜生活を飲めばいいからだ。

  11. 家でのトイレトレーニングは必要ない。幼稚園で漏らしてこそ、真のトイレトレーニングである。

  12. 歯磨きは適当で良い。乳歯はそのうち抜ける。

  13. 3歳児が大声を出していることは幸運である。もし、台風や選挙カーが来たなら大きな音が鳴るのを防ぐことはできないが、3歳児なら防ぐことができるという事実に気づかせてくれるからだ。3歳児は強制的に連れ帰ることが可能であり、しかも罪に問われない。親は特権とを享受していると心得よ。

  14. 本気で腹が立ったときは、手段を選ぶな。おもちゃを破壊したり、お気に入りのお菓子を目の前で食べたり、嫌がらせをせよ。それこそが人間関係であると理解させるべし。

  15. やりすぎたと思ったら後悔し、謝れ。3歳児はそんなことを微塵も気にしていないことがすぐに理解できるだろう。

  16. 3歳児相手に言行一致している必要はない。3歳児に禁止したことを自分は堂々と行え。世間の大人は常に言行一致しているという幻想を抱くことは悲劇である。悲劇は防がれなければならない。

  17. めんどくさいときは「自発性を育てる」という大義名分を掲げて放っておけば良い。その結果はわからないが、最悪なんとかなるだろう。箸が使えなかったり、トイレができなかったりする大人に出会うことはほぼないのだから。

こんな感じで、ゆるーくいこう。ちなみにこの教育方針をとることで何か問題が起きたとして、僕は責任をとるつもりはない。僕は悪ふざけでこれを書いているからだ。

悪ふざけをして責任を取らない大人、それが僕だ。この親にして子ありといったところだろうか。こんな親でも生きていけるのだから、人をイラつかせながら生きれば良い、3歳児よ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!