ティール組織はアナーキズムであり、共産主義

これは批判しているのではない。なぜなら僕はティール組織にも、アナーキズムにも、共産主義にも、好意的だからだ。

そもそも僕は、アナーキズムと共産主義の区別がついていない。同じものをどの特徴から捉えるかの違いに過ぎないと思っている。

僕が知っているアナーキズム(無政府主義)は、民主的なボトムアップの意思決定プロセスを既成事実的に形成し、国家による規制と暴力を排除することを目的とするものだ。

僕が知っている共産主義は、土地と生産手段と労働における意思決定を民主化し、私的所有によってますます貧しくなっていく資本主義を解体するためのものだ。

国家のことを嫌っているか、資本主義が嫌いなのか、どちらを標榜するのかが違うだけであって、どちらもヒエラルキーと私的所有を否定し民主的でボトムアップのプロセスを重視することに変わりはない。共産主義も最終的に国家権力を解体するとマルクスは言っているわけだし(国家権力を強めてばかりだったスターリンと毛沢東には天国で猛省して欲しいと思う)。

僕は国家も嫌いだけど、資本主義はもっと嫌いだ。なので、アナーキスト寄りの共産主義者なのかもしれない。

アナーキスト寄りの共産主義者‥そんな人は、いかにもブルジョワを見かけた途端にゲバ棒で殴りかかってきそうだ。

言葉のイメージって恐ろしい。

アナーキストも共産主義者も、言ってることは「独り占めしないで、みんなで分け合って、協力して、平等に頑張ろうね」という小学一年生に先生が言っていることと変わらないというのに。

さて、タイトルの話だが、実はこのアナーキズムと共産主義の特徴は、明らかにティール組織と共通している。

ティール組織には役職がなくフラットで、あれこれ命令してくる人物はいない。入社1年目でも財務状況が開示され、意思決定の権限を持ち、備品を自由に使う。ボトムアップ型の組織だ。

『ティール組織』というタイトルの本があるが、そこに描かれる「ティール組織が普遍化した社会」は明らかに資本主義的ではなかった。言い換えれば、共産主義的でアナーキズム的だった。

アナーキスト寄りの共産主義者と名乗ると、社会活動に支障をきたす(僕は仏教にハマっていると公言したとき、世間の目に懲りた)。

ティール組織の普及を目指していると言えば、受け入れてもらいやすいだろうから、その方向でいこうと思う。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!