投票で政治家を変えることはできないが、殺すことはできる

一票よりも、銃弾の方が重い。ならば銃弾に訴えかける人がいることに、なんら不思議はない。

もしも僕たちの暮らす社会が本当に民主主義で、誰しもが「自分の意見を聞いてもらえている」と感じているなら、銃弾に訴えかける必要はないのかもしれない。

しかし現実には、自分の意見を聞いてもらえていると感じる人は誰もいない。ならば、むしろ銃弾に訴えかける人がほとんどいなかったことが不思議なくらいだ。

政治家を1人殺したところで、大きな変化はないかもしれない。かつて幸徳秋水は天皇陛下を殺そうとしたが、もし成功していても次の天皇が選ばれておしまいだっただろう。

だが、間違いなく一票よりも、大きな変化を起こすことはできる。殺人鬼となった彼も、何か変化を起こしたかったのだろうか。それが何かはわからないが、彼が一票を投じたり、署名を集めたりするのでは、決して叶わない変化に違いない。

暴力は現実を変える。暴力は有効だ。民主主義とやらよりもね。ガンジーは、その裏側で暴力を働く仲間たちに支えられていた。フランス革命もロシア革命も暴力だった。

今週の日曜日。彼が放った散弾の1億分の1の火力もない一票を、僕は投じる。きっと何も変わらない。

そのことは不満だ。だが、命を賭けるほど不満ではない。もしも命を賭けるほどの不満が募ったら、誰しも散弾を放つかもしれない。少なくとも、その選択肢を誰しもが持っている。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!