『Win Win Wiiin』が、なぜおもしろいか?

YouTubeで宮迫とオリラジの中田が立ち上げたスリリングな番組『Win Win Wiiin』。普段ほぼバラエティ番組を観ないような僕でも、第1回、第2回、ともにチェックしてしまった。これはおもしろい。第3回を期待せずにはいられない。

なぜこんなにおもしろいのか? 実際、コメント欄も絶賛の嵐だ。再生回数も、司会者2人のファンというだけでは説明がつかない。つまり、僕だけではなく、みんなおもしろいと感じて観ている。一部のマニアやファン向けのコアなコンテンツではなく、普遍的なおもしろさがあるのだろう。

僕が思うに、おもしろさには、3つの理由がある。

1.出演者と視聴者の緊張感

いい緊張感は、人を魅了するというのは、オリンピックを生放送で観たい人があれだけいることや、ロケット打ち上げの見学があれだけ人気なことから、わかり切った事実だと思う。『Win Win Wiiin』は、それらに似た緊張感をまとっている。テレビ番組のような大掛かりな番組をYouTubeでやる‥しかも中田と宮迫が。しかも自費で。という時点で破茶滅茶なのだ。前例がない。怒られるかもしれないようなことをしているのだ。出演者だけではなく、視聴者も手に汗を握らずにはいられない。煎餅をかじりながらお昼のワイドショーを観るのとは、緊張感が違う。


2.冗談の奥の本音に迫っている

1人のゲストをいじるバラエティ番組というと、正直珍しくもなんともない。しかし、そういったテレビ番組の残念なところは「飼っているペットの話」とか「ファーストキスのエピソード」とか、下世話な話題に終始することが多いという点だ。それはそれで面白かったりするのだけど、所詮ファーストフードであって味わい深い視聴後感は残らない。まれに本音に迫るようなトークに差し掛かったかと思えば、司会者が笑に変えて遮ってしまったり、編集されたりすることが多い。なぜか? 人の本音は長い説明が必要なことが多いため、テレビで流すにはリスキーだと判断されるのだろう。僕もバラエティ番組を観ていて「その話、もっと聞きたいのに…」と残念に思ったことは1度や2度ではない。

その反面、『Win Win Wiiin』は合計2時間近くぶっ通しで、本音部分まで迫る。他の番組では考えられないくらい、中田がゲストの下調べを行い、その思想・心情を解き明かしていこうと試みている。だからこそ、ゲストも饒舌だ。編集や冗談で遮られることなく、話したいことをぜんぶ話している。なかなか聞けないからこそおもしろい、人の本音に迫るというスリリングさがそこにあるのだ。

3.単純に宮迫と中田が面白い

冗談で遮らないという話と矛盾するかもしれないが、スパイスがないと集中力が続かないのが、われわれ凡人というものだ。そこは、さすが一線級の芸人。適度な笑いをスパイスとして提供してくれるのだ。当たり前ではあるものの、見逃せないポイントだ。


さて、ここまで褒めちぎってきたが、これからもずっとおもしろいままなのか、行先がどうなっていくのか、僕も不安だ。番組が続いていけば、1つ目の理由にあげた緊張感は薄れていくだろうし、意外性のあるゲストも尽きてくるだろう。それに、手越も西野も、本を出したりYouTubeをやったり情報発信に積極的なタイプだからよかったものの、あまり発信しないタイプのゲストとなれば中田がリサーチしにくいため、呼べるゲストにも制約がある(ただでさえ他にも制約があるというのに)。

その辺りをどうクリアしていくのかも含めて、今後が楽しみだ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!