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風は、なぜ冷たいのか?

今日は寒かった。僕は心頭滅却スイッチをオンにして、通い慣れた通勤経路を歩いていた。

そのとき、ふと疑問が脳裏をよぎった。なぜ、風は冷たいのだろうか?

風が吹くと、気温よりも、体感温度は低く感じることは誰しもが知る事実だ。しかし、改めて考えれば、風が吹いていようがいまいが、温度が変わらないのであれば体感温度は変わらないような気がする。

そこで僕は仮説を思いつく。エントロピー増大則により、体温は周囲の空気との熱平衡へと向かう。体温よりも空気の温度が低い場合、自分の体温により、空気は多少暖められるだろう。

もしまったく風がなければ、空気の温度が上がり続けて、いつしか体温と全く同じになる。体はエネルギーを燃やして体温を一定に保とうとするため、体温と空気が36℃かそこらに到達すれば、そこで温度変化はストップするはずだ。

しかし、風が吹いていると、せっかく体が温めた空気は流れていき、また新たに冷たい空気を温める羽目になる。そしてその空気もまた、すぐに流れていく。

そうなればエネルギーをいくら燃やしても足りない。もし、風を寒く感じない生物が存在したとすれば、その生物はエネルギーを燃やし尽くして死ぬ。自然淘汰を経て生存のために合理的な選択するようになった僕たち人間の体は、風は冷たいものであることを伝えて退避行動を促すために、信号を発するようになった。だから風は冷たいのではないだろうか。

そんな仮説を立ててから、ググってみた。だいたい合っていた。

ガッツポーズ。

もちろん、それがわかったからと言って、「寒いので休みます」とは言えない。「なぜなら、自然淘汰を経たホモ・サピエンスの身体が、エントロピー増大則により熱平衡へと向かうのを妨げる風を避けるように脳へと信号を送っているからです」と言って納得する上司はいないからだ。

でも、この満足感があれば、寒さにも多少は耐えられるかもしれない。

僕はたぶん、問いを立てて仮説を立てるのが好きだ。こんなクソどうでも良いことでも、僕はなんやかんやと考える。仮説は合っていることもあれば、間違っていることもある。

合っていたらガッツポーズ。間違っていたらそれはそれで面白い。

「仮説思考」とか言うと意識高い系みたいなのであんまり言いたくないけれど、それでもやっぱ仮説って楽しい。こういう遊びは、暇つぶしにもちょうど良いし、どんどんやっていこうと思う。

全く、世界は不思議で、楽しいぜ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!