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出不精でごめんね

僕はそこまで旅行が好きではない。ご当地グルメやレジャー施設といったものに興味が持てないからだ。たいして興味の持てないものに対して金も時間も費やしたくない。それよりも、近所の河原や公園をぶらついたり、家で凝った料理を作ってパーティをしたりする方が好きなのだ。

そもそも僕は出不精で、1人趣味が多い。1人で本を読んだり、ゲームをしたり、文章を書いたり、料理をしたり、そういうことをしたい。誰かと過ごすのもいいけれど、あくまで自分1人の時間の幕間に限る。

そんな僕も結婚して子どもがいる。妻は旅行に行きたいとか、ユニバに行きたいとか、そういうことを言う。誰々ちゃんの家族は北海道に行った。誰々ちゃんは沖縄。ウチはどこも行ってない、云々。

「そろそろ行くか〜」とはぐらかしつつ、箕面に行こうとかなんとか提案してみる。車で1時間もかからない距離である。僕は大阪住まいだが、旅行に行くとしても大阪府内や京都、奈良、和歌山あたりに行くことが多い。近場で泊まった方がせせこましく移動する必要がなくゆっくりできるし、交通費がかからない分ホテルや食事のグレードもあげられる(とか言いつつ旅先ではだいたいチェーン店に入る。チェーン店の魅力とは、全国どこでも同じ味を提供してくれることなのだから、むしろチェーン店のメリットを感じられるのは旅先であるというのが僕の持論である)。

特に京都なんて世界でも有数の観光地である。それが近場にあるのだから行かない手はない。もちろん観光というのは金や時間をかけるから価値を感じられるわけだが(たいていの大阪人はありがたがって東京タワーに登るが通天閣には登ったことはなく、東京人はその逆である)、そういう思い込みを取っ払ってしまえば遠くに行く理由はない。近場でゆっくり過ごせばいいのだ。

とはいえ妻は近場の旅の魅力を認めつつも、やはり遠くに行きたいと言う。結果、僕ははぐらかして有耶無耶になる。そんなこんなでもう2年くらいは旅行に行っていない気がする。

妻には申し訳ないと感じないではない。だが、旅行に行くという象徴的行為を消費することにどうしても興味が持てない。レジャー施設や有名店をスタンプラリー的に消費することにも興味が持てない。僕は僕のペースで生きていきたい。

子どもがかわいそうだろうか。わからない。そういえば子どもの頃から旅行が嫌いだった。家族旅行のときはストライキを起こしていたし、渋々行っても特に楽しむでもなく1人で旅館でゲームボーイをプレイしたりしていた。結局、何が良いかは子どもの性格による。

ともかく、たまにはゆっくり過ごしたいのである。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!