もしかして、世の中、脱資本主義に向かってる?

書店を見れば、1年後にどんな言葉が流行るのかがわかる。僕はそのように考えている。

事実、AIのことをみんなが話題にし始める1年前くらいに本屋ではAIの本が流行り始めたし、アートや教養が大事と言い始める1年前くらいにアートや教養の本が流行り始めた。SDGsやDX、フィンテックもそうだった。

本を読む人は多いけど、そんなに多くはない。そのため、あるテーマの本が流行ったからといって、それがすぐにオフィス街のランチタイムで支配的な話題になるわけではない。

しかし、徐々に広まっていく。ネットニュースで取り上げられたり、フォローしているビジネスインフルエンサーが呟いたりすることで、本を読まないオジサンたちにも届く。そして、1年たってようやくみんなの話題に上るようになるのだろう。

ここで重要な役割を果たすのが、「俺はみんなとは違って、世の中のことをわかっている」と言っているオジサンだ。この「よのわかオジサン」は、たいていみんなと同じことを言っている上、オジサンは会社でも支配的なポジションにいることが多いので、これが世論を実行に移す原動力になっていく。そして世の中が変わっていく。

で、最近なにが流行っているのかを見ていると、思うことがある。


もしかして、世の中、脱資本主義に向かってる?

かつては本屋で嫌というほど目についた「ビジネス界という名の弱肉強食の過酷なサバンナの中で、いかに勝ち残るか」というテイストの本は、最近はあまり見かけなくなってきた。

むしろ、「資本主義のままでいいのか?」「弱肉強食でいいのか?」という本がベストセラーになることが多い気がする。

ベーシックインカムだったり、脱成長だったり、マルクスだったり、グリーンニューディールだったり、コモンだったり‥

もしかして「人間の幸せってお金じゃないし、コモンの共同管理を実現しつつ、生物多様性に配慮しながら、脱成長を目指さないとね」と、そのへんのサラリーマンも言い始める世の中が目前まで迫っているのではないか?

実際にSDGsの話なんかは広まって「いまの時代は環境のこと大事ですよね〜」とみんなが言うようになったわけだし(一部根強い反対勢力もいるが)、もう少し賢い人たちが脱資本主義を唱え始めれば(実際、唱え始めている)、みんながついてくるという可能性も大いにありうる。


ここでよのわかオジサンにチャンスだ。世の中のことをわかっていることをアピールするには、いまのうちから脱資本主義の話を言い広めよう。

脱資本主義の話をするには、そもそも資本主義ってなにかを理解しなければならないが、これは「お金を至上目的とする考え」ということでいいと思う。お金が目的化している今なら、社員はサービス残業させる方がいいし、アマゾンは切り開いてプランテーションにした方がいいし、明らかに飼育放棄しそうな人にも子犬を売った方がいいし、人件費の安い地球の裏側から労働力を搾取した方がいいし、図書館と公園は潰してショッピングモールにした方がいいということになる。そうして、間接的に今の世の中に起きている様々な弊害を引き起こしている。

資本主義の問題点を指摘したのはマルクスだが、マルクス主義者の失敗によって、マルクスが指摘した資本主義の問題点すらもなかったことになってしまった。その間に、地球はボロボロになった。

そして資本主義のボロが出たいま、「あ、マルクスの言ったたこと大事だったかも」という世論が徐々に生み出されてきている。

だから、アーリーよのわかオジサン(よのわかオジサンの中でも、比較的早い段階で次のトレンドを抑えている人)になるには、今のうちに『資本論』を学んで、周りのビジネスマンに話しておくといい。

次は、脱資本主義、そしてマルクス。これ、覚えておこう。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!