夫婦の役割分担のむずかしさ

妻も、夫も、両者とも思っているのだ。「自分の方がよく頑張っている」と。恐らくどちらも間違っていて、両者とも自分の働きを過大評価している。自分を過大評価しているから、相対的に相手の頑張りを認められない。意見は噛み合わない。

僕も思っている。たぶん妻も思っている。これはどうやって解決すればいいのだろうか?

僕なりの答えはこうだ。自分の方が頑張っていると思っていても、それを表明しなければいいのだ。「自分の方が頑張ってるから、たまには○○やっといて」みたいに言う必要もないのだ。得意不得意も、好き嫌いもあるのだし、粛々と自分のできることをやる。それだけでいい。

例えば、妻は、掃除やゴミ出しや皿洗いが嫌いだが、僕は好きだ。だから僕がやっている。逆に、息子が夜泣きしても僕は目が覚めないので、妻が対応してくれている。ご飯を作ったり、洗濯したり、離乳食を用意したり、息子をお風呂に入れたりするのは、当番制だから半々だ。

なんの問題もないように思う。しかしそうはいかない(ここから先は愚痴だ)。妻は自分の当番の仕事であっても「代わりにやって」と言ってくる。「私も代わったりしてるから当然でしょ」とばかりに。

別にやることは嫌ではない。しかし、せっかく自分の時間を確保するために当番制にしている意味がない。だから僕は自分の当番の仕事を、手伝ってくれとお願いすることはない。自主的にフォローしてもらうことは確かにある。だが、そもそも、僕も黙って当番外の業務をフォローしている。しかし、それをおくびに出すようなことはしない。お互い様だと知っているからだ。

そうやって、要求されたり、マウントをとられはじめれば、話は変わってくる。僕は、不当な評価を覆すために、自分がどれだけの仕事をこなしているのかをアピールしなければならなくなる。挙げ句の果てには「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ?」みたいなことも言わざるを得ない。本当はそんなこと言いたくないのに。

はっきり言って、僕はかなり働き者だ。クーラーや換気扇、加湿器など、毎日しなくてもいい掃除をしたり、シーツや布おもちゃなど、毎日洗濯しないようなものを洗濯したりするのもたいてい僕だ。料理をしても、翌日が楽になるように、いくらか仕込みや作り置きをする。離乳食の作り置きも積極的にやっている。妻が離乳食を与えているようなときは大抵僕もフォローするなり、別の仕事をするなり、何かしらやっている。ところが逆の場合は、妻はインスタでスタバの新作ラテをチェックしているのだ。

繰り返すが、僕はこの現状について不満に思っているわけではない。だから、これを殊更にアピールするつもりもない。しかし、妻からアピールされ始めたならば、こちらも考えを改めざるを得ない。

本当に、人ってスグに調子に乗る。思いやりでやっていたことはだんだん当たり前になっていき、さらなる要求が始まる。そして、要求に応えなかった場合、不満を口にする。生きていると、こんなことばかりだ。

ぶつかり合っても解決しないのは分かっている。かと言って、要求を飲み続けると、自分の時間が確保できない。どうしたものか。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!