初コロナ記念カキコ

今の僕は割と忙しい。

息子はイヤイヤ期に突入し、妻は2人目のつわりで苦しんでいる。おまけに職場ではもう時期訪れる転職に向けて新しい人員のトレーニングを担当しなければならない。残業も増えた。

最近の僕の典型的な一日はこうだ。

朝は子どもの食事を用意し、着替えさせ、ゴミを捨て、仕事へ。あれこれと仕事を終えた後は買い物をして帰り、妻と自分の夕食を作り、食器と息子が散らかしたおもちゃを片付け、息子をお風呂に入れ、歯を磨く。洗濯物を洗い干した頃にはもう寝る時間‥そんな暮らしをしていた。そしてコロナになった。

今まで一度も罹ったことはなかったが、人生で一番かかりたくないタイミングだ。

かかってから外に出ると清々しい気持ちになれた。僕はもう、この世界に蔓延するウイルスを気にする必要がないのだ。同時に、高齢者を殺す菌を体内で培養していて、老人ホームに突入してくしゃみをして回るだけで数人の命を奪えることを恐ろしくも感じた。

何よりも恐ろしいのは家の中だ。鼻が痒くなって掻くたびに、手を洗うかアルコール消毒をしなければならない。僕の一挙手一投足によって、殺人ウイルスを撒き散らしているのではないかと思うと、気が気ではない。

それでも、つわり中の妻と2歳の息子のために食事を作らなければならない。もう手がカサカサだ。

残念ながら息子はそんなことを気にしない。YouTube鑑賞を終えてお風呂に入ってほしいという要求を飲ませるのは、北方領土を取り返すよりも難しいように感じる。家事は大変だが終わりがある。人を相手にする仕事が一番ブラックになるように、家庭において最も過酷なのは子育てなのだ。

明日は病院に行く。妻と息子も検査をして、陰性なら実家に匿ってもらうことにする。そうなればかなり楽なのだが、果たしてそううまく行くだろうか。

最近、ワンピースのウォーターセブン編を読み返した。ロビンのこと、ウソップのこと、メリー号のこと、アクアラグナのこと、フランキーのこと、バスターコールのこと、トラブルが無数に畳み掛けていたのに、最終的に全てが解決した。そんな風に畳み掛けるトラブルを、僕も処理し切れるだろうか。

忙しい日々を、後から振り返るのは嫌いではない。酒の肴を用意するの人生だ。ハムレットは、自分の死後にホレイショーが語るエピソードトークのクオリティを気にして死んでいった。ハムレットのように、僕は死んでいくのかもしれない。

つまらないエピソードばかりなら、伝記作家を退屈させてしまうだろう。まぁせいぜい楽しんでやるよ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!