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お片付け系有名人紹介①安東英子

ミニマリストとか断捨離とかときめきとかいろいろいらっしゃいますね。
私も汚部屋の住人だったので(今は普通に散らかってるくらい/猫のおかげで)いろんな人を観たり読んだりしてきました。
そのへんのあれこれを棚卸しします。

安東英子(現在の最推し)

むかしはテレビなどにも出ていたようです。この方が推せる、と思うのは捨てないんですよ。
極端な系統のミニマリストって、この方を知ったあとだとモノの管理から逃亡したってことなんだな、と思います。

この方のポリシーがおもしろいんですね。おもしろいというか知ったあとだと納得なんですけど。

  • 片付けは間取り図を見るところから。やるなら家一軒やる。動線を計画しないと意味がない。

  • 絶対に脱衣所に下着を置くな、絶対に

  • きちんと収納できているなら捨てる必要はない

  • 片付けは納屋があるなら納屋、なければ押し入れ、と一番使っていない場所からやる

  • 便利収納アイテムなんていらない、引き出しとカゴだけですべておさまる

たいていの片付けアドバイスでは「捨てるものが判断しやすいキッチンから」とか「よく使うデスクの引き出しから」みたいな身近なスモールステップを推奨するんですが、この方は逆。
一番使っていないエリアを片付けると空間ができるし年単位で眠っているものと向き合うし自信になる、そこから、というんですね。これほんとそうですよね、キッチンは定期的に思い立って大掃除するけど押し入れは数年間そのままとかめちゃくちゃよくありそうな話。

あと「ものが滞留する家は絶対に動線がおかしいから私のアドバイスは間取り図を見るところから始める」とか。
脱衣所に下着を置くのは「便利」ではなく「横着」、モノは適切なところにおかないと「めんどくさい」をすぐに言う性質になってしまう、下着は個人のクローゼットにしまえ、とか。

動画がどれも本当にすごいのでおすすめです。
私が好きなのは81歳の奥様が一人暮らしをする家をまるごと片付けるやつ。かつては家族数人で住んでいて、親戚も来て、料理好きだったからキッチンから8人用の食器とか用途別の鍋10個くらいとか高価な着物の山とかどんどこ出てくるんですよ。

でもそれを安藤先生はほとんど捨てず、ところどころ動線整理はする(奥まった部屋にあった着物を寝室に移動したりとか)けど、だいたいのものはしまい直すくらいで終わらせるんですよ。
モノの山をすごく大事にしてることがわかるから。大事にしてることがどうわかるかって、全部綺麗な箱に入って整然としてるんですね。
ぐっちゃぐちゃにされて適当な箱に入れられて山積みとかじゃなく、ちゃんと綺麗に整頓されてるから。
箱を開けてはひとつひとつ声をかけて(あらーこのお皿すてきねえ、まあこのお着物とてもいいものなんじゃないの、など)所有物を逐一ほめていくんですよ。ゴミでは?とか鍋敷き10個はさすがにいらないのでは?みたいなものに出会っても絶対に否定しないでまずは収納しようとして(あらー鍋敷きがこんなにたくさん集まりましたよー、これどこにしまいましょう、など)依頼者の言葉(さすがに鍋敷きは3つくらいあればいいわ、など)を引き出す。

「ほとんど捨てなかったししまいなおしただけだったわねえ」と終了後に先生は言うんですけど「でもそれでよかった、あの家はそれでよかった」って言うんですね。

安藤先生の動画を浴びたあとに「整理収納アドバイザー」の別の人の動画を見たんですけど、その人の動画見たときに、あ、いやだな、と思ってしまって。
シングルマザーの人の家の片付けで、「仕事と育児の手があくようになったらまた使いたい」ってしまいこんでたお菓子作りの道具を全部捨てさせるんですよ。いつかなんて言わずその時に買い直せばいいでしょ! って。
いや、それもある意味では正しいんですよ、確かにキッチンが相当すっきりして使いやすくはなったんですよ。

でもそれ、本当に正しいのか?って思ってしまって。依頼者、「すっきりした、よかった」って顔じゃなかったように見えたんですよね。

自分で決意して捨てるのと、はきはきしてすらっとして「私は整理のプロです」って人がカメラ連れてきて「いらないでしょ、捨てましょう!」って言われて捨てるの、全然違うじゃないですか……?

安藤先生ならお菓子作りの道具の山を丁寧に整頓しなおして大事にしまってくれたのでは、と思うんですよ。「いつかこれを使うんだ」って思って所有しておくの、ミニマリストからすれば非合理的の極みでしょうけど、でも使わなくても持ってるだけで未来の希望になるものってある。

81歳の奥様のお宅もそうで、第三者が見れば「もうこの家に10人20人客が来るのなんて葬式くらいなんだから食器全部捨てちゃいましょう、もっとミニマムにしましょうよ」って言うだろうしそれもそれなんですけど、でも、大事にしてるものを全部捨てて82歳83歳と過ごしていくのは、それは、良い生活になった、ということではないように思えるんですよね……

とにかく安藤先生の動画は「モノと生活していく」という覚悟がキマっててすごくいいです。おすすめ。


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