二次創作のアクスタについて最近考えてること
二次創作のアクスタが好きです。
二次創作の漫画や小説が好きならわりと当然の流れではないでしょうか。
描き手それぞれの解釈、フィルターを通じた推しの姿が絵だけど立体物な状態で手元に訪れるわけだから。作品によっては公式絵のアクキーはそそられないけど二次創作のアクスタは即買い、みたいなことがわりとあります、ありました、今も気になるのいくつかある。
でもほんとはだめなんですよねーー二次創作のアクスタ。
本稿では以下「アクスタ」というのは全部「二次創作の」が枕詞になると思ってください。
アクスタ(アクキーも)って作っちゃいけないのか?
以前いたジャンルでは誰かがアクスタ出そうとするとすかさず毒マロ飛ばすという仕草がしみついてて「うわこのひとたち二次創作読んだり書いたり買ったりしてるのにアクスタは立体物だからだめとかいってる怖……フィギュアの版権は厳しいけどアクスタが立体物だからだめってどういう次元の把握してんの怖」ってなってました。
結論からいうとアクスタがよくないのは事実だそうです。
でもそれはあの界隈のひとたちがいってた「立体だから」という理由では全然無い、し、匿名で他者の行動をコントロールしようとするのも心底きもちわるいという気持ちはかわらない。
二次創作アクスタがよくないというのは同意する、ただしマロでお気持ちするのもその理由が「立体物だから」というのは「は?????」というかんじです。
(ところで匿名ツールでの指摘って絶対に記名メッセージよりも優位性を錯覚したバイアスが強めになりますよね、絶対にやりかえされないっていう確信を多かれ少なかれ自覚してるから)(だからやっぱり匿名ツールきらい)
なんで作っちゃいけないのか
なんで二次創作のアクスタがよくないかっていうとまあ「海賊版」にあたるからなんですね。それはそう、自分で描いて愛情愛着たっぷりで利益ほとんど出ないように調整したって非許諾のグッズ販売にはかわらない。すごい乱暴な言い方すると、amazonあたりでちらほらみる、ファンアートを勝手にタペストリーにしてる業者と結局は同じ。
ファンの出せる金は有限で、それを非許諾のファングッズと戦わせるわけにはいかない。
じゃあどこからどこまで大丈夫なのかというともう本以外はぜんぶだめ。いかにも手芸といった面持ちならオッケーかというとそれもだめだしイメージアクセサリーもだめだし、なんならラミカバッジの時点ですでに法的には黒だとか。
そういやツイステ出たばかりのころに「このジャンルでイメアクはやばい」というリツイートがんがん回ってたことが思い出されます。どのジャンルでもやばいけど、でずにーは訴訟に関してフッ軽だということからのあれだったのでしょうね。
書籍に関してはぎりぎり「研究書」という体裁にはなるということです、そういう判例もある。本、法律で特例扱い多いですね。公務員の副業としても執筆だけは認められてるし。
あとはまあワンフェスですね、あれは先人たちがめちゃがんばって「当日版権」という制度を作ってて、開催までに原作サイドにお伺いを立てて、OKが出たらイベントの日だけは売っていいというシステムになってる。逆にいうとそれ以外&書籍以外は全部黒。手書きの色紙も黒。
利益が出なければセーフなのか?
利益出ないようにしてるから大丈夫、という人もいるかもですが私「同人誌に利益出すな」論にはわりと懐疑的なんですよね。男性向けとかがんがん儲けてるし。じゃあamazonで勝手にファンアートプリントしたもの売ってても利益でてなきゃ無罪かっていうとんなこたあない。
というか、この「利益出ないようにしないといけない」って、書き手側が叩かれにくくするための暗黙の了解ワードですよね……アイドルが「恋愛はしてません」っていうのとおなじやつ。「恋人いないんですよ、ファンが一番大事なんです」と「全然もうかってないんですよ」は、おなじやつですよねたぶん。両方あんま深く知らないけど。
あとほんとうにそういうこと語られるようになった発端って、確定申告の「雑所得」の枠が10万円だからってのもあるんじゃないかとちょっと思ってます。本業以外の利益が10万円以下なら確定申告しなくていい、だから10万以下になるようにしたほうがいいよ、が歪んで伝わっていったのでは、とか。妖怪のなりたち的な伝播。
ちょっと話ずれました、結論、「赤字になってようがハンドメイド感あふれてようが書籍以外のものを販売した時点でアウト」です。
でも好き、アクスタもイメージグッズも
二次創作のアクスタが法的にアウトだということは理解した、してしまいました。セクシービデオだって言い抜けできるように名前とか微妙に変えてるのにまったくそれをしないで販売してますもんね、それはそう……
でも、好きなんだよな。推しカプのアクスタも、イメージアクセも。公式があんまりよくない品質だったりあんまり好みでない書き下ろししかしないとか、それどころか何度も同じイラストつかいまわしてるとか、日常使いしづらいグッズばっかりだったりとかなこともあるし。
なにより、作品がキャラが大好きで作られた人のグッズは、いいんですよ。自分の中の炎に少し炎が足された感じになれる。
とはいえ「法的には完全にアウト」ということを知ってしまったので、これからは、知ってはいるということを噛みしめながら買います。買うんだ? 買いますが? だって魅力的なんだもの。
正直ね、そういうのはね、ある。車が通らない道路の横断歩道を渡るかどうかという話。ごくうちわの同好の志で小規模にやりとりするならまあ、みたいな……法的に黒だというのは理解したうえでの話ですけど……
でも他者に差し止めを命令する匿名メッセージを送る権利は誰にも無い(しかもまちがった理屈で)、それは引き続き憎む。匿名メッセージで名前出してるアカウントに行動をかえろというご意見を送るのは悪。あと訴える権利は原作関係者だけにあるので。
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