【詩】均す
平安貴族より裕福になった恋人達は、改札横で逢瀬を重ねる。火星人の戦略のように躰を脳に埋め込み合って、唾液交換の粘膜接触がお好きでいらっしゃる。遠雷のように脳のチップが発火して、甘ヌメりの爽やかミント味が口一杯に広がる。ゴキブリみたいにいる人間の中から、俺は貴方を選んだの。ゴキブリは先祖の罪のせいでスリッパの裁きを受け続ける。どんなに粘性の高い熱帯夜でも、ゴキブリの黒光りは受け入れてもらえない。僕がカサっと動くと、君にはビリッと動物電気が走って裁判官兼処刑執行人になる。一閃、首が落ちる。
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