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はじめての献血

※「血」や「針」といった言葉が出てくるので、苦手な方は注意していただきたい。



ついに献血デビューを果たした。
以前から献血に興味はあったものの、あと一歩を踏み出すことができずにいた。
職場に献血バスが来ていたので、思い立ったが吉日、いざ会場へ。

ちなみに初めて挑んだのは、大学の学園祭のときだった。
献血バスが来ていたので、やってみようと思い、受付へ。
「初めてなんです」と言い、係のお姉さんに「体重は50キロ以上ありますか?」と尋ねられ、「ありません」と答えたところ、スポーツ飲料のパウチを一ついただいてお帰りしたのである。無念の極み。
このとき”献血には体重制限がある”ということを知った。

受付

さて今回はというと、服薬中の薬はいくつかあるものの、受付は問題なくクリア。
そう、体重が50キロの壁を越えていたのだ。
ついに献血ができるのは嬉しいが、なんとも複雑な気持ちである。

今回は400mLの全血献血に挑戦する。
待機時間にリーフレットに目を通したのだが、献血を行うには体重だけでなく、いくつもの条件をクリアする必要があることも知った。
というか、わたしは献血に対してあまりにも無知だったのではなかろうか。お恥ずかしい限りである。

質問事項~闇の取引のような問診

次にタブレットを使って質問事項に答えていき、その後、医師による問診と血圧測定へ。
ひとつの部屋にパーテーションを使って区切った問診スペースだったため、かなりプライバシーに配慮された問診だった。
紙の資料を指さしながら、「これの、これである場合に、これに該当しますか?」といった形で次から次へと質問された。
なんだか良からぬ取引でもしているような気分だった。

問診の最中に「事前の水分補給が大切」という説明をされた。
受付でスポーツ飲料のペットボトルをいただいたのだが、「それを今ここで半分以上飲んでください」と言われた。
お医者さんの目の前で飲み物をぐびぐび飲むなんてやったことがなくて、必死に飲むのだが、意外と減らない。
かつて水責めという拷問があったというが、こんな気分だったのだろうか。
苦し紛れに「まだ飲んだほうがいいですか…?」と尋ねると、「このあと残りもしっかり飲んでください」ということで解放してもらえた。

いざゆかん、献血バス

献血バスに乗り込むと、まず初めにヘモグロビン濃度の測定と、血液型の検査が行われた。
指先にプチっと針を刺して、血液を絞り出して、検査。
この検査の時点でお帰りになったという友人の話もちらほら聞いたので、わたしは選ばれし者だということがよくわかった。

結果は問題なしということで、採血用のベッドへ。
かなりコンパクトなスペースで、あのバスの大きさで4人分のベッドが配置されていた。

わたしは針や血を見るのは平気なのだが、「献血用の針は太い」と聞いたことがあったので、事前に看護師さんに針を見せてもらったところ、たしかに普段採血されるときの針よりも太かった。
0.5ミリのボールペンの先ぐらいだったような気がする。
思わず「太いですね…」と口に出してしまったところ、看護師さんに「刺すときは見ないようにしましょうね~」と配慮していただいたにも関わらず、好奇心が勝ってしまい、結局凝視した。
針が入る瞬間はさすがに普段の採血のときよりも痛かったが、入ってしまえばこっちのもん。
あとはひたすらリーフレットを見て足の運動をしながら、機械の中で揺られる献血バッグを眺めて採血の時間を過ごした。

採血終了

体感としては20分ほどベッドに座っていたのではないだろうか。
わたしよりも後に来た人が先に終えていて、『早』と思ったのだが、「初めてで緊張しているでしょうし、焦らなくていいですからね~」と看護師さんに声をかけていただいた。
どうやら緊張すると血をとるスピードは遅くなるらしい、なるほどなるほど。

採血終了後は血圧測定を行い、体調の確認をされてバスを降車。
献血カードと、ジュースやら洗剤やらが袋いっぱいに入ったお土産をいただいて仕事に戻った。

採血後の体調の変化

ふらつきや気分不良などは特に問題はなかったのだが、終始頭がぽーっとしていたので、終業までは単純作業のみを行った。
帰宅してからも頭がぽーっとするし眠たいし、という状態だったので、早めに就寝した。

どうやらこのような状態になるのは体の正常な防衛反応らしい。
急激に体内の血液量が減ったため、血液を浪費しないために体の動きを制御しようと体が反応しているとのこと。ヒトの体ってすごいね。
ちなみに翌日には調子が戻り、これを打ち込むこともできている。

しかし体の変化はそれだけではなかった。
肩こりがかなり改善されている。肩が軽い。肩が柔らかい。何の抵抗もなく肩が動く。
そして冷えの塊であるはずのわたしの体がぽかぽかしている。
なんだこれは。

ネットの情報にすぎないが、血液が抜かれたことにより、血流が良くなり肩こりや冷えが改善されたのだと考えられる。
なんと素晴らしい副産物だろうか。

「献血に行ったよ」

「献血に行ってきた」と母親に連絡してみたところ、ものすごく喜んでいた。
母は輸血によって生かされている。
「自分は献血に行きたくても行けない。あなたが行ってくれてうれしい」とのことだった。

血液センターに勤めている友人からは「ありがとう!」と何回も言われた。
他の人たちからも「すごい!」「えらい!」とたくさん褒められた。
わたしは単なる興味本位で、献血とは何ぞやということもよくわかっていないまま採血してもらったが、どうやら社会のために役に立つことをした模様。
次に全血献血ができるのは4か月後だが、それまでにダイエットに成功していなかったらぜひまた社会貢献しに行こうと思う。

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