ディスコを考える①

今回はディスコを構成するものは何か、またどのようにすればディスコ・サウンドが作れるのかについて考えてみます。色々と私見が混じっているので話半分ぐらいで読んでいただければと思います。

まず、ディスコを構成するものについて、ジョルジオ・モロダーがインタビューで答えている記事があったのでそちらを紹介したいと思います。

『ディスコサウンドにはいくつかルールがある。まずは「4つ打ち」でなければならないということで、各拍にキックを入れなければならない。また裏に入ってくるハイハット。そして8分(音符)か16分(音符)で鳴るベースラインだ。メロディーはシンプルだったり、複雑だったり曲ごとによって異なる。例えば“Last Dance”は非常に複雑な曲だし、“Love To Love You Baby”はシンプルだ。』

(参考)

では、ジョルジオが指摘したこれらの要素について一つずつ考えてみましょう。まず、「4つ打ち」ですが、これはディスコの基本ともいえるビートです。今やロックの世界ですら盛り上げるならとりあえず4つ打ち、みたいになっているくらい非常に汎用性の高いビートになっていますが、元々はディスコの起源であるモータウン・サウンドが発祥とされています。また、ジョルジオが指摘する裏に入るハイハット、いわゆる「裏打ち」が多用されるのもディスコの特徴です。ディスコの多くはミドルテンポであるため、16分刻みの細かいハイハットが入ることも多いです。

次にベース・ライン。ジョルジオは8分か16分としていますが、実際には4分が入ることもたまにあります。しかし、単純なリズムであることはほとんどなく、シンコペーションを多用した複雑なリズムであることが普通です。ですが、複雑であればいいというわけでもなく、あくまでグルーヴ、16ビートを意識する必要があります。私が思うに、ディスコにおいて大事なことは4つ打ちの単純なビートとベースの複雑な刻みの差です。この差がグルーヴを生みだす源泉だと思うんです。この辺は説明が難しいので実際に聴いてもらうのが早いです。ということで、ここで例を挙げておきます。

どうでしょうか。この曲はディスコの中では比較的単純なベースですが、4つ打ちとの組み合わせによる独特のグルーヴを感じることが出来るのではないでしょうか。

そして、メロディ。これはジョルジオの指摘通り、曲によって様々です。ただ、これは私個人の考えですが、ディスコはどこかに切なさを入れた方が良いと思います。ディスコというとノリノリのイケイケなサタデーナイトフィーバー、みたいなイメージがあるかもしれませんが、よくよく聴いてみると思った以上に切ないメロディだったりします。例として、Earth & Wind,Fireの「September」を聴いてみてください。

誰もが知るディスコの名曲中の名曲ですが、歌の内容は失恋ソングであり、フラれた恋人への切ない想いが歌われています。その切なさが、特にサビのメロディから感じられのではないでしょうか。切なディスコといえばダフト・パンクの「Get Lucky」も代表的です。

ある意味でこうした切なさは古さを感じさせる要因にもなりますが、ディスコサウンドを構成する重要な要素です。

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