「本が本を呼ぶ」

WEDNESDAY PRESS 057

ラジオで「門上西林物見遊山」(fmcocolo毎週土曜日23時半から30分)というレギュラー番組を持ち6年目に入る。毎回異なるテーマでコピーライターの西林初秋さんと僕が勝手気ままに喋る、という内容である。以来、ラジオに関わることが多くなり、すっかりラジオの魅力にどっぷりという状態。

よく言われることだが「テレビはみなさん、ラジオはあなた」という表現。ラジオはよりパーソナルなメディアということになる。毎月最終土曜日は「三千円 一・本勝負」と題し、お互い3千円を用意し古本屋に行き、その予算内で購入した本から派生した話題で喋るという内容。これが毎回、どんな本を見出すのか、何冊購入するのか結構スリリングな展開となるのだ。
これは毎回エキサイティングな内容となる。本から読み取ることは無限大と言って良いぐらいだ。著者についてはもちろん、装丁、内容、類似の作家、または文体、映画化された本などなど話題は尽きない。

先日収録した中で「江戸の音」という本がある。著者は田中優子さん。元法政大学学長で、江戸の研究者。三味線の持つエロティシズムや歌舞伎との関係性などまことに興味深い内容であった。この田中優子さんが江戸の対して興味を抱くようなったきっかけは石川淳という作家だという。この田中優子さんらが石川淳のすごさを綴った「最後の文人 石川淳の世界」(集英社新書)を読み始めた。本は本を呼ぶということを実感している。

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