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生徒指導とは

※私が中学校出身なので、特に中学校における生徒指導についての内容になります。

「生徒指導」というとどういうイメージをお持ちでしょうか?体育の怖い先生がやんちゃした生徒を怒鳴る、こんな感じでしょうか。こういった生徒指導が必要な時もたしかにありますが、本来の生徒指導はこうあるべきではありません。では今、どういった生徒指導が求められているのか、私が現場で学んだことを記述していこうと思います。

①生徒指導の目的とは

ズバリ、「自己指導能力を育てる」ことです。怖い先生が怒鳴れば、その場では、またはその先生の影響が及ぶ範囲では生徒はおとなしくなるでしょう。即効性があり、かなり有効であるように感じられます。

しかし、それではいけない、というのが生徒指導の本質です。「先生が怖いから」という理由では、先生がいない場ではどうなのか、卒業してからはどうなのか、ということが問われます。中学校ではよくあることですが、スポーツの得意な生徒が、所属しているスポーツチームの監督さんにはかなり優等生だと思われているが、学校ではとんでもなく横暴な生徒、ということはよくあります。スポーツチームの監督が怖かったり自分に損失があると判断すればおとなしくしていますが、監督の目の届かない範囲だと我慢できなくなります。

また、この「怒鳴る指導」には限界があります。教員が生徒を恐怖で支配しようとしても、せいぜい「怒鳴る」が限界でしょう。手をあげることはできません。しかし、学校外の人間には怒鳴る以外の手段が可能です。それを生徒が知ってしまうと、怒鳴られても何も感じなくなり、指導が通らなくなります。私のかつての勤務校にも、親に怒られるときはベルトを鞭のように使って殴られる、という生徒がいました。それに比べれば怒鳴られることなど文字通り屁でもありません。怒鳴ることで生徒をコントロールしていたある教員は、この生徒の指導にかなり苦労していました。

②必要な生徒指導とは

ではどういう生徒指導が必要なのか。それは「生徒に理解させる生徒指導」です。何か指導が必要な場面に直面した時、必要に応じて生徒を別室でクールダウンさせ、何がいけなかったのかを理解させます。その場では理解したように見えても同じことを繰り返したり、早く話を終わらせたいから理解したふりをしてしまったり、なかなか成果が見えにくい指導です。しかし、根気強く繰り返し指導していけば、同じミスはほとんどしなくなります。

学校によっては、古くからの「怒鳴る」指導が根強く残っているところもあると思います。「怒鳴る」指導を信仰する先生方からは中々理解を得られないものですが、ぜひ本当に大切なことは何なのかを見失わないようにしてください。

③理解させるために必要なことは

生徒と話をできる関係を構築しておくことが必要です。普段から怒鳴ってばかりの教員の話を生徒はなかなか聞きません。普段から、寛容な態度で生徒と接する必要があります。

特に生徒指導で名前が上がるような生徒は、日ごろから正しい行いができないことが多いです。こちらが10注意した時の返答のうち9はおそらくただの言い訳でしょう。しかし、そのうち1つくらいは正しいことを言っていることがあります。その1つまで否定してしまうともう話を聞いてくれなくなってしまいます。常に「正しいことを言っているかも」という気持ちで接することが大切です。

以上、私が経験した生徒指導について書いてみました。少しでも共感できるところがあれば、参考にしてみてください。

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