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GIVE AND TAKEを読んで思ったこと

アダムグラントのGIVE AND TAKEの話です。
出てすぐに買ったので、読んだのは何年も前の話です。
もしかしたら記憶の捏造があるかもしれません。

今日は、頭に残っている記憶で書きます。

たしか、仕事でうまくいっているかどうかと、その人の気質(ギバーかテイカーか)を調査したところ、トップ層はギバー(与える人)、中間層はテイカー(奪う人)、下層はギバーという結果だったと思います。

僕は最初、この結果を見て納得感があると感じました。当時は外資系の保険会社に勤めていたので、どの社員がいくら稼いでいるのかランキングでわかりました。

なるほどたしかに、トップ10の方(年収3,000万~)は人格者と言われている人が多い。中間層の人(年収1,000万~2,000万)はお客さんが金持ちかどうかで態度をクルクル変えるようなゴリゴリの人が多い。そして下層(年収300万以下)はどこにでもいる優しい人が多い。

でも、あるときこの考えは変わりました。

僕はトップのほうはギバーではなく、頭のいいテイカーだと思うようになりました。
会社の行事などで一緒になる機会があるので、いろいろとお話を聞きましたが、本に出てくるような、愛にあふれたギバーという感じではありませんでした。

むしろ、「ギバーに見えるように振る舞うことが成功の秘訣」みたいな人たちでした。もちろんすごい社会貢献とかしてます。僕の年収以上の金額を慈善団体に寄付したりとか、就職に困っている人を助けてあげたりとか。

でもそれは、「そのほうが儲かるから」という原動力で行っていました。寄付する慈善団体も自分の頭で考えたりしません。次に契約したい会社の社長が寄付したところに寄付します。「私もあの団体はすばらしいと思っていて、寄付させていただいたことがあります」と言うためです。

本当はアレも欲しいしこれも欲しい全部欲しい。でもわかりやすく奪ってしまうと長続きしないから、感謝されながら手に入れたい。そうやって狡猾に頭を使っている人がトップになっていると感じました。中間層の人たちは、そういう意味で、演技力が足りないだけなんじゃないかと。

きっと、GIVE AND TAKEの中でインタビューを受けたトップギバーは、そういう取材ではどう回答するのがいいかわかっているだけなんだろうな~と思ったり。

下層ギバーは、ある意味ホントにいい人たちです。いいか悪いかはさておき、欲がありません。

たとえば、自社製品より他社製品のほうが安いし品質もいいというとき。

トップギバーは他社製品のほうがいいことを正直に伝えることで、自分の人間性を評価してもらい、最終的に「お世話になったしあなたから買うよ」と言ってもらいます。

下層ギバーは、本当に他社で買ってもらいます。

と、こんなふうに書くとトップの人たちが性格が悪いように見えるかもしれませんが、それとこれとは別問題です。稼ぐために限界まで頭を使っているというだけで、性格が悪いとまでは思いません。実際に一緒に過ごしてみると、すごくいい人だと感じると思います。あのドナルドトランプだって、実際に会って話すとファンになってしまうと言われています。

僕は2年ほど前に、成功者に囲まれながら成功できなかったと書きました。ホントに、物理的に、成功者に挟まれた席だったのですが、自分は経済的にはうまくいきませんでした。むしろ、借金地獄に落ちて未だにその借金を返済しています。これいつまで続くねん。

その明暗を分けたひとつのポイントが、今日の記事です。
感謝されながら手に入れるために頭を使えるか。
それとも、頭を使うことに罪悪感を感じてしまうか。

後者は、結果を出すのが難しいだろうな~と今では思っています。

※あくまで保険営業の話ね。これがプロダクト開発とかになってくると、駆け引き能力ではなく実力が寄与する割合があがるので、「できる人だと思わせる能力」が役に立たなくなってくると思います。

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