我が家のキッチンでは、あとは焼くだけ、チンするだけのお菜が活躍する。
ものを作り上げる。どんな分野にも職人の心意気、こだわりを持った開発者がいるもんだなぁ...と感心している。
銀だらの西京焼き、海老しゅうまいは冷凍食品。
大好物の春雨サラダ。
春雨は乾麺だ。
銀だら。見た通りおいしそうな焦げ目と艶。
箸を入れると、ほろっとくる。
海老しゅうまい。
家人、ちゃんとおいしいでしょ。ちゃんと海老でしょ。
いまの冷凍技術はすばらしい。食卓に居ながら、プロの料理人を思わせる味にめぐり合えるのだから。
ぼくらの住み暮らす国の職人的技術者は、つくづくすごいと思う。
今では、安全でおいしく、誠実な加工食品探求が、家人の趣味になりつつある。
今宵は、ここに精進揚げが加わる。
ナス、ピーマン、椎茸、玉ねぎ、五郎島金時。
金沢、せせらぎ通りの「猩々」で食べた五郎島金時の天ぷら。
奥に引っ込んで、五郎島金時を揚げるご主人は、たっぷり15分は籠っていた。
出てきたのは、径も高さも立派な、これを揚げるんだから時間がかかるのは当たり前という逸品。
湯気を立てているそいつを口の中へ。
熱を感じ、ほくほくと崩れ、じわっと脂と蜜がくる。
ピュアである。上質である。
甘い香りが鼻をくすぐって、溶けていく、すうっと。
それ以来、五郎島金時は二人の大好物。
だから、こうなる。
今宵も一献。
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