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“はかない”には、星の数ほどの意味がある。目の前の四冊だけでも、みんな違うもの。

王子が六番目に訪れた星の地理学者は、「花のことは記録しない」と言う。

なぜなら、花は“はかない”からだと。

しつこく“はかない”の意味を聞く王子に、

内藤濯さんは、
<そのうち消えてなくなる>って意味だよ。

河野万里子さんは、
「『ほどなく消えるおそれがある』ということだ」

池澤夏樹さんは、
「すぐにもなくなるかもしれない、という意味だ」

管啓次郎さんは、
「それは『近いうちに消滅する恐れがある』という意味だ」

って。

管さんは、星の王子を“ちび王子”と名づけ、難民の子どもや、ストリートチルドレン、ロマの子どもを想い描いて2011年に文庫を発刊している。
訳者の後書には、
二○一一年、東日本大震災の四十日後に。

と記されている。

ぼくが小さな頃に知ってしまった、ぼくだけの“はかない”は、いったいどんな意味なんだろうか...

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