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火曜日と土曜日、豊洲の仲卸が軽トラでやって来る。

先が見えない状況。商売も食卓も変わっていく。変化の本番はこれからだろう。でも軽トラの魚屋さん、ちょっとうれしい。


ぼくが住んでいるのは、幕張メッセを作る際に自治体と企業が共同で都市開発した街だ。

エリア内には電柱が一本もなく、ライフラインは地下に埋められていて、東日本大震災時にも停電、断水しなかったと聞いた。

居住用のマンション群には、”中庭を有すること”という縛りがあって、様々な形の中庭がある。

いわば、実験都市のようなもので、遊具の設置されていない”原っぱ”では、子供たちが野球や、サッカー、アメフト、その他さまざまな遊びを夢中になってやっている。

そんな街にもコロナ禍はやって来る。

今年の春ごろからタコスやピッツァのキッチンカーによる販売サービスが始まった。

ぼくの住むマンションの入口付近まで来てくれるのだから、便利で安全、価格もそんなに高くない。

ぼくらは、タコスもピッツァも自前で作るので、そっちにはまだ縁がない。


それでも暑さが気持ち緩んできたころ、この軽トラがやってきた。

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豊洲市場の仲卸「泉久水産」さんが、毎週火曜日と土曜日にやって来ることになって、昨日が4度目のお買い物。

「奥さん、今日は赤貝がいいですよ。赤貝これからどんどん良くなるから」

それじゃあ、ということで赤貝の入った刺身盛り合わせを購入。

家人、ぼくに振り向いて、”これだけでいいの?”と打診。

それじゃあ、とぼくも軽トラを覗く。

「北海道のブリ」という札がある。

お兄さんと目が合う。

お目が高い!今日一ですよ。と小声。

そうか、ブリはまだ北海道に居るのかぁ...とお買い上げ。

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これじゃあ、一献いかねば申し訳ない!ということで、今宵の食卓は相成りました。

赤貝も、いま北海道に居るブリもなかなか!マグロの赤身、鯛、海老も良い。

商売も食卓も、変化の本番はこれからだろう。

でも、「これからどんどん良くなるから」、「お目が高い!」

なんて、時には言われたい、聞いてみたい。

そのうち、ちょっとおまけしてよ!なんて言い出したりして。

と、酔眼は窓外を眺めながら思ったりします。

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