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MOON

十六夜杯なので月にちなんだものをと思っていて、レベッカのMOONにたどり着く。レベッカは私の思春期真っ只中にブレイクした女性ボーカルバンドだ。

時代はバブルに差し掛かった頃。ボーカルのNOKKOが歌詞にしたのは、そんな華やかなバブルの影の部分。一つは家族の崩壊だ。大人が拝金主義に、子どもも競争社会に巻き込まれる中、家族の絆は希薄になっていった。援助交際という言葉が生まれ、金曜日の妻たちへのドラマが流行した。

NOKKOの歌詞には「ママ」がよく出てくる。

パパとママは いつも 喧嘩してたわ
言葉のナイフ とがらせ
ホントは さみしいのに 傷つけあって
(NEVER TOO LATE)
うるさいママたちにだってきっと
燃えるようなロマンスあるはず
スマートボールで知り合ったパパ
それ以外は何人KISSしたの
(WHEN A WOMAN LOVES A MAN)
口づけをかわした日は
ママの顔さえも見れなかった
(フレンズ)
彼のとこに住むってこと
ママには内緒だなんて
そんな長く隠し通すことはできないわ
(OLIVE)

親であると同時に女性でもある「ママ」との確執。少女以上女性未満の気持ちをストレートに書いた歌詞は、同世代の心にドンピシャで刺さっていた。

MOONも「ママ」との確執がテーマだが、内容は一層シリアス。

昔ママがまだ若くて 小さなあたしを 抱いてた
月がもっと遠くに あった頃
工場は黒い煙を はきだして
町は激しく この娘が 大きくなるのを 祈ってた
娘は13になって 盗みの味覚えて
黒いリストに 名前を残した
MOON あなたは 知ってるの
MOON あなたは 何もかも
初めて歩いた日のことも


子育て体験してから聴くと、リアタイで聴いた高校当時とは違った印象を残すよね。特にサビが。

こわしてしまうのは 一瞬でできるから
大切に生きてと 彼女は泣いた

ここで「ママ」ではなく「彼女」と突き放すのが切ないのよ。


一句

見上げればママが見たのと同じ月



【企画概要】

好きな映画・絵画・小説・曲から、「俳句・短歌・川柳」を作ってください。
彫刻、ミュージカルや演劇などの舞台、写真、漫画、アニメも可。

今日まで!


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