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【企業分析】Veeva Systems(ヴィーヴァ・システムズ)
VEEV (NYSE)
時価総額: 267億ドル
株価:170ドル
売上高:19億ドル
営業利益: 5.1億ドル
(2022年)
事業内容: ライフサイエンス業界に特化した革新的なクラウドベースのアプリケーションを提供
設立年: 2007年、2013年上場
本社: 米国🇺🇸カリフォルニア州プレザントン
代表者: Peter Gassner (CEO)
従業員数: 5,482人
概要
規制、臨床、品質、医療、営業向けのライフサイエンス業界特化アプリケーションで、規制文書の効率的管理、臨床試験・治験業務・臨床データ・規制当局のやり取りや申請書類などコンテンツ管理プラットフォームとアプリケーションを提供。
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製薬業界のビジネスモデルをとても簡単に言うと、「薬を開発して販売する」です。
しかしその過程では様々な工程が発生します。
その過程を企業単位、部署単位で同じやり方で管理する事でより良い企業運営に繋がり、ひいては企業の売上アップに繋がります。
製薬業界向けのそれらの管理ができるサービスを提供している企業がヴィーバです。
セールスフォースやオラクルなどのツールを連想頂ければと思います。
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製薬業界特化型クラウドCRMから徐々に領域を拡大
2007年にクラウドベースのソフトウェア企業として創業されたVeevaはライフサイエンス業界向けに開発されたクラウドベースのVeeva CRMを中核として成長してきた。
プロダクト・ビジネスモデル
Veeva CRMはMRが必要なコンテンツを提供できるよう支援する製薬業界特化型クラウドCRM
MRとは?
Medical Representative:医療情報担当者
医師・薬剤師など医療従事者を訪問し(面談時間はせいぜい5-10分程度と言われている)、その短い面談時間で自社の医薬品を採用してもらうPRを目的にしつつ、自社の医薬品の有効性・安全性に関する情報を提供する人たち。
補足: MRといえば日本発のエムスリーのMR君の成長は有名だ。
Veeva CRMは、製薬業界に特化したクラウドベースのCRM(Customer Relationship Management)とCLM(Closed Loop Marketing)の機能が融合されたソリューションで、コンプライアンスを維持しながらMRの業務簡略化、医療従事者のマルチチャネルのKPIデータを収集し把握でき、医療従事者ごとに適切なマーケティング戦略の立案に役立てる。
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Veeva CRMでは業務報告の時短と、そのすべての接点履歴をもれなく把握することで、MRチームが医師ごとに適切なマーケティングデータや販促資材を顧客に提供することができるようになる。
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Veeva CRM MyInsights: 医療従事者との顧客関係強化につなげる
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2007年創業当初はVeeva CRMだけだった製品も、今やライフサイエンス領域で広くサービスを拡張。
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CRM以外の売上構成比率が2016年度は20%だったのに対し、2018年度は40%以上になっている(2020年度は50%以上を目標)。クラウドパートナーではAWS(Amazon Web Service)を選定。
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製薬企業向けコンテンツ管理プラットフォーム・アプリケーションVeeva Vault
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CRM依存脱却のためのキー製品がVeeva Vaultで、製薬企業特化の初のクラウドベース・コンテンツ管理システム。
Veeva Vaultは、規制、臨床、品質、医療、営業向けのライフサイエンス業界特化アプリケーションで、規制文書の効率的管理、臨床試験・治験業務・臨床データ・規制当局のやり取りや申請書類などコンテンツ管理プラットフォームとアプリケーションを提供。
サブスクリプションベースのSaaSとして常に最新で、IQ/OQ(適格性評価)を実施したのちにリリースしているため、インストールやアップデートの管理コストを削減。
また、Veevaは2015年に、ライフサイエンス業界向けにコンテンツ・コンプライアンスおよび商業デジタルコンテンツ管理ソリューションを提供する企業Zinc(ジンク・アヘッド)を買収し、Vault PromoMatsに統合。
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ヘルスケアコンテンツの規制リスクを抑制し、コンテンツの作成から配布・回収までを効率化する販促資材コンテンツ管理の容易化で優位なポジションに。
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Veeva Vaultのライフサイエンス業界向けアプリケーション間には高い相互運用性があり、それによってクロスセルが拡大。統合的なスイート戦略がうまくいっている。
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コホートでみても規制、臨床、品質、営業など全領域の強さを見てもVaultは今のところ順調。
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顧客企業はファイザーやノバルティス、メルク、グラクソ・スミスクライン、ギリアド、アムジェンなど世界最大級の製薬企業から新興バイオテクノロジーまで、小規模企業から大企業までそれぞれの規模に適したソリューションを提供できている。
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プラットフォームとしてパートナー企業とエコシステムを形成。
製薬業界では特許切れによる売上減少や競争激化、規制強化、薬価上昇に対する圧力の高まりなど、営業・マーケティング領域でのコスト削減や効率化が求められており、そのような時代にあったVeevaのようなソリューション提供SaaS企業がどこまで成長できるか興味深い。
Veeva創業者のPeter Gassner CEOはSalesforce出身だ。
Salesforceでクラウドの波をダイレクトに体感したPeter Gassner CEOが「クラウドソフトウェアがクラウド革新の次の波になる」と2007年にVeevaを設立し、ここまで急成長を遂げてきた。
そしてVeevaはセールスフォースと最も深い関係にある。
ライフサイエンス業界向けのVeevaのCommercial SuiteのコアであるVeeva CRMはSalesforce1 Platform上に構築されており、セールスフォースはVeevaにとって重要なクラウドインフラとなっている。
そのため戦略的提携の期間も長い(2025年までとなっているがおそらく延長されるだろう)。
Veevaの2つの強み
①ターゲット業界を絞る事の強み
ヴィーバは2007年の創業以来CRMサービスを核として製薬業界をターゲットとして成長してきました。
業界を特化する事でその業界に関するサービスの開発・販売に資源を集中する事が可能です。
製薬企業も自分たち向けに作られた製品であるためより使い勝手が良く、必然的にヴィーバのサービス導入を選択します。
現在ファイザー、アストラゼネカ、メルクや、今をときめくモデルナなど1,000社以上が顧客として名を連ねます。
今後も製薬業界の中でヴィーバが力を見せつける事はほぼ間違いないでしょう。
② 高いLTV(顧客生涯価値)を維持できる強み
企業内で使われるプラットフォームは長く使われれば使われるほどスイッチングコストがかかります。
特にヴィーバが提供するようなプラットフォームには、これまで蓄積したデータが詰まっているためさらにそのスイッチングコストは上がります。
これまで貯めたノウハウを捨ててまで新しいツールを導入するのは、企業にとってはそれなりに大きな決断になります。
これは投資家が大好きな”モート(堀)”となり、ヴィーバの強みと言えるでしょう。
実際ヴィーバの売上高継続率は2019年が122%、2020年が121%、2021年が124%だったそうです。
売上高継続率が100%だった場合、前年の顧客からの売上が同じだったという考え方です。
毎年同じ顧客からの売上が20%ずつ増えるという事は、苦労して新規顧客を獲得しなくても売り上げを上昇させられることを意味します。
このように導入企業はヴィーバのシステムを使い続け(使い続けないといけない、かもしれません)るためLTVが伸びていき、ヴィーバは高い成長率を維持できます。
市場動向
2021年には、ライフサイエンスソフトウェアベンダーの上位10社が、世界のライフサイエンスアプリケーション市場の約61.1%を占め、ライセンス、メンテナンス、サブスクリプションの収益で159億ドル近くに迫る15.5%の成長を遂げました。
昨年は、IQVIAがライセンス、メンテナンス、サブスクリプションの収益で18.4%の市場シェアを獲得し、市場リーダーとなり、Microsoft、Veeva Systems、Salesforce、Dassault Systemesがそれに続きました。
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ライフサイエンス分野の市場規模は、2021年の159億ドルに対し、2026年には177億ドルに達し、年平均成長率は5.2%になると予測しています。
業績
過去8回(2年)の決算でEPSは全てコンセンサス予想を上回っています。
2021年5月28日の2022Q1決算も$0.13 約17%beatしています。
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堅調な伸びを見せるサブスクリプション売上
こちらはY/Yの売上比較です。
毎年堅調な伸びを見せているように見えます。
個人的な注目は売り上げの70-80%を占めるサブスクリプションからの売り上げです。
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コロナはヴィーバにとって追い風要因となり、2020年から2021年の全体売上、サブスクリプション売上は伸びました。
アフターコロナでこの部分の成長が維持され、かつ伸びていく事ができれば今後も会社としての成長が期待できるのではないでしょうか。
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経営者
ピーター・P・ガスナー(1965年生まれ)は、製薬業界のプロセスを支援するVeeva社のCEO兼共同設立者である。
純資産は52億5000万米ドルで、Bloombergによる世界の億万長者ランキングでは494位にランクされている。
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ガスナーは、スイスからの移民の子としてオレゴン州ポートランドで育った。父親は機械工場を経営していた。ピーターは6人兄弟の3番目である。8歳のとき、新聞配達をした。その後、芝刈りやレストランで働き、高校時代には屋根葺き業を営んでいた。高校時代には、レスリング部のキャプテンも務めた。数学の教師からコンピューターサイエンスの授業を受けるように勧められ、これが彼のキャリアに影響を与えた。
ガスナーは大学の入学と退学を繰り返し、ハワイ、オーストラリア、タイで長期休暇を取り、トレッキングガイドとして働いていた。
1989年にオレゴン州立大学でコンピュータサイエンスの学位を取得した。
IBMのシリコンバレー研究所でDB2の開発に携わっていた。また、アルマデン研究所のIBMリサーチにも勤務していた。
30歳から9年間、ピープルソフト社でピープルツールのチーフアーキテクトとゼネラルマネージャーを兼任。
その後、セールスフォース・ドットコムで技術担当上級副社長として勤務。
Salesforceでの4年間の勤務の後、Salesforceのプラットフォーム上に構築されたライフサイエンスに焦点を当てたソフトウェアを提供する機会を見出した。
2007年、Mitch Wallace、Doug Ostler、Matt Wallachとともに、ライフサイエンス企業を対象としたソフトウェア企業であるVeevaを立ち上げた。
株価推移
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