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備忘録:遊戯王「タイミングを逃す……?」

色々もめた時に思い出す用のやーつ
間違ってたらツッコミお待ちしています。


前提知識「タイミングを逃す」とは

遊戯王の他のカードゲームとは一線を画す独自のルールがあります。
それがチェーン処理。カードの効果を使用する時に処理が始まります。下手に細かく言うとカードの発動とか効果の発動とか面倒くさい専門用語が連発するので一例だけ。

  1. 自分「魔法カードの発動を宣言します。

  2. 相手「チェーンで伏せていた罠カードを発動します。あなたが発動した魔法カードを不発にしたいです。

  3. 自分「チェーンで伏せていた罠カードを発動します。あなたが発動した罠カードを不発にしたいです。

このように、相手のプレイングにかぶせる形でカードを発動して、一つ一つの行動でやり取りを行うルールがチェーン処理です。
さて、ここで問題が一つ。
あらゆるカードの発動に対してチェーンが組めるかというとそういうわけでもないのです。効果の中に「この効果の発動に、相手はチェーンを組めない」というあからさまな対話拒否のテキストもありますが、それとは別に要因があります。
それが、「タイミングを逃す」処理です。


「タイミングを逃す」かどうかわからない時の模範解答

→ 遊戯王OCG公式サイトのQAを見に行く
https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/card_search.action

→ 記載がなかったら?
 わかりません!デュエルが停止したので勝負はお預けだ!アバヨ!


何故「タイミングを逃す」のが難解ルールの代名詞なのか

全てはこの二つの単語に集約します。

  • 特殊裁定

  • 調整中

長く遊戯王OCGをやっているプレイヤーによくあるのですが、古の遊戯王プレイヤーであればあるほど、カードのテキストや基本ルールを信用しない傾向にあります。
その理由として、

  • 一日ごとに変わる回答

  • 半年たっても公式が解答しない

  • A. カードが違います

  • A. 効果は読み替えてください

  • A. カードテキストに書いてませんが(ry

という悪夢の時代を生きてきたからです。マジで。
ただ、今はある程度基本ルールにのっとった処理になっているハズなので、そこまで難解ではありません。基本的には基本ルールにのっとってるはずです。だからQAも増えないし、みんな分かりやすくなってるんですそうなんですたぶん。


「タイミングを逃す」条件

基本的な条件は以下二つを全て満たした場合です。それ以外では基本的にタイミングを逃しません。

  1. 効果の発動トリガーがチェーン2以降の処理タイミングだった場合

  2. カードテキストが「~の、~できる。」の場合

基本的だからね?基本的な今のルールに乗っ取った場合だからね?昔のテキストで槍玉にあげようとしないでくださいお願いします。

カードテキストが「~の時、~できる。」の場合

例えばこのカードがタイミングを逃せる効果を持つモンスターです。
グリーンガジェット
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える。

発動トリガーがチェーン2以降の処理タイミングだった場合

グリーンガジェットは特殊召喚に対応して発動するので、以下のチェーンが組まれたとします。

1. 相手「サイクロンで伏せカードを破壊したいです」

2. 自分「チェーンで伏せカードリビングデッドの呼び声を発動します。墓地のグリーン・ガジェットを蘇生します」

この時、チェーン2の効果処理でグリーン・ガジェットの効果発動のトリガーである「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。」を満たします。
しかし、条件に出した通り、チェーン2で条件を満たしてしまったため、「タイミングを逃す」対象となり、効果が発動できません。

何故「タイミングを逃す」と効果が発動できないのか

そもそも「タイミングを外す」とは、発動トリガーを見過ごしてしまうシチュエーションが発生したので、効果が発動できない状態を指します。
公式の回答としては、以下の形になります。

・効果が発動できる流れ

  1. 効果の発動条件を満たす

  2. 効果が発動する

・タイミングを逃す流れ

  1. 効果の発動条件を満たす

  2. 別の効果処理が行われる

  3. 効果が発動するタイミングを逃す

効果の発動は、「チェーンの処理中、新しく発動する事はできない」という条件を持ちます。
そして、チェーンが発生した場合、後から発生したカードから順に処理をしていきます。
例題の条件だと、チェーン2で発動条件を満たした後、直後にグリーン・ガジェットの効果が発動するわけではなく、チェーン1の処理が終わるまではカードの効果が発動できないのです。
そのため、チェーン1の処理が終わった時には「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。」のトリガーである、「特殊召喚に成功した時ではない」ため、効果が発動できない、となります。
時ではない」ため「タイミングを逃す」ということになるのです。

「タイミングを逃さない」目安

逆にタイミングを逃さない効果の理由はいくつかあります。

強制効果

例えばこのカードのテキストで説明します。
子型ペンギン
リバースしたこのカードが墓地へ送られた時、自分の墓地から「子型ペンギン」以外の「ペンギン」と名のついたモンスター1体を選択し、表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚する。

この②の効果ですが、「~時~発動する」と書いており、「発動できる」とは書いていません。
例えば以下のチェーンが起こった場合ですが。

1. 自分「サイクロンで伏せカードを破壊したいです」
2. 相手「チェーンで伏せカードサンダー・ブレイクを発動して、子型ペンギン(前もってリバースしていたものとする)を破壊します」

この時、チェーン2で子型ペンギンが破壊されています。そのため、墓地へ送られた処理のあとにチェーン1のサイクロンの処理が行われます。
しかし、子型ペンギン強制効果のため、サイクロンの処理が終わり、チェーン処理が終わった後、効果を発動することができます。

「場合」の任意効果

例えばこのカードのテキストで説明します。
ブンボーグ002
①:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ブンボーグ」カード1枚を手札に加える。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外の自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500アップする。

この①の効果ですが、「~場合~発動できる」と書いており、「」とは書いていません。
例えば以下のチェーンが起こった場合ですが。

1. 相手「サイクロンで伏せカードを破壊したいです」
2. 自分「チェーンで伏せカード強化蘇生を発動します。墓地のブンボーグ002を蘇生します」

の時、チェーン2でブンボーグ002が特殊召喚しています。そのため、特殊召喚された処理のあとにチェーン1のサイクロンの処理が行われます。
しかし、ブンボーグ002「時」の任意効果ではなく「場合」の任意効果のため、サイクロンの処理が終わり、チェーン処理が終わった後、効果を発動することができます。

「タイミングを逃す」わけじゃないけど効果が発動できない例

ちなみに、先ほどの蘇生カードが強化蘇生ではなくリビングデッドの呼び声の場合は効果が発動できません
それは、蘇生後の制約が関係しています。

リビングデッドの呼び声
①:自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

強化蘇生
①:自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。そのモンスターのレベルは1つ上がり、攻撃力・守備力は100アップする。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

おわかりいただけただろうか。
リビングデッドの呼び声で蘇生すると、サイクロンでリビングデッドの呼び声が破壊されるのですが、その場合以下のチェーン処理になります。

  1. 相手「サイクロンで伏せカードを破壊したいです」※チェーン1発生

  2. 自分「チェーン2で伏せカードリビングデッドの呼び声を発動します。墓地のブンボーグ002を蘇生します」

  3. 効果処理開始

  4. チェーン2の処理(リビングデッドの呼び声)開始。ブンボーグ002を特殊召喚します。

  5. チェーン1の処理(サイクロン)開始。リビングデッドの呼び声を破壊します。

  6. リビングデッドの呼び声が破壊されたことで、リビングデッドの呼び声で特殊召喚されたモンスター=ブンボーグ002が破壊されます。

この6の処理は、チェーン1中の処理として扱われます。そのため、ブンボーグ002の発動タイミングであるチェーン終了後に、フィールドに存在しないことになります。
ブンボーグ002の発動条件「特殊召喚に成功した場合に発動できる」は、詳しく書けば「特殊召喚に成功した場合、フィールド上に存在するこのカードの効果を発動できる」ということです。
わかるかこんなもん、という感じですが、そもそもこれは古からの裁定ではなく、2022年からのルール改定からの条件になります。

参考情報:りょかさん

チェーン処理については、後日改めてまとめようと思います。

基本ルールに当てはまらない処理って?

探せるかそんなもん!
ってなわけで謎が増えたら追記していくと思うますよ

遊戯王のここがわからん!

さて、ここまで意気揚々と書いてましたが、一つ疑問点が出てきています。
それが、チェーン処理のここ。

リビングデッドの呼び声が破壊されたことで、リビングデッドの呼び声で特殊召喚されたモンスター=ブンボーグ002が破壊されます。

リビングデッドの呼び声が破壊されたことで、リビングデッドの①の効果テキスト「このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。」の処理が行われます。
ゲームだと、記載の通りチェーン1の効果処理内で破壊演出がされます。
ここで、古の遊戯王プレイヤーは思うわけです。

「ほんとに…?」

根拠としては、シンプルです。

・チェーン処理中に処理が発生する永続効果が条件を満たした場合、チェーン処理はどういうタイミングで発動するのか、名言されていない。

このあたりは、チェーン処理について調べて行けばどこかで発覚するかもしれませんが、一つだけ間違ってはいけないことがあります。
それは、

ゲームの処理はOCGの処理と完全に一致しない。

ということです。
遊戯王OCGは紙(アナログ)のゲームであり、コンピュータゲームはアナログゲームをデジタルで再現したものにすぎません。
つまり、リアルでこうだった=ゲームでもこう、という条件式を満たしても、ゲームでこうだった=リアルでもこう、という条件式は満たされないのです。
簡単にやるなら、返事はいつになるかわからないけど、問い合わせてみるしかないですねえ。


2022/12/02 追記
リビングデッドの呼び声』が破壊された時の処理は、処理解決中に即座に処理されるので、的外れの疑問でしたとさ。ごめんなさい。
参考資料はこちら。

https://yugioh-wiki.net/index.php?%B1%CA%C2%B3%B8%FA%B2%CC

《リビングデッドの呼び声》モンスターを道連れにする効果等はチェーンブロックを作らず、永続効果に近い。
チェーン処理中であろうとダメージステップであろうと条件を満たした時点で即座に適用される。

とのことです。明確なQAは見つかりませんでしたが、おそらく現在の遊戯王OCGデータベースに乗ってないQAで過去に問い合わせがあったんでしょう。
QAだけキーワードで検索できるといいんですけど。

参考資料

遊戯王wiki

https://yugioh-wiki.net/index.php?%A5%C8%A5%C3%A5%D7%A5%DA%A1%BC%A5%B8

遊戯王OCG公式


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