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本のある日常

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書店員として働く私が、本のことについて書いたエッセイ集です。
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#夜更かし

疲れていると本が読めない

仕事を終えて、やっと家に帰ってくる。 さあ、ここからは私の時間だ。 なんでも好きなことをしようじゃあないか。 そうだ、読みかけの本もあるし、読書なんてどうだろう。 でも、あれ、なんだか読む気が起きないぞ。 私の仕事終わりの夜はだいたいこんな感じである。 ラジオを聞きながら、読書をするという豊かな時間をすごしたいのに、できない。 仕事終わりの疲れた体では、読書を始めるためのハードルを超えられない。 かといって、他にやりたいこともない。 気づいたらスマホでYouTubeを見て、

夜の本屋を冒険する

休日の夜にどうしても寂しくなってしまうことがある。 そんなときは、散歩がてら家の近くのお店に行く。 幸い近所には夜遅くまでやっているコンビニやリサイクルショップなどがある。 その中でもお気に入りは本屋に行くことだ。 その本屋は格別に品揃えがいいというわけではない。 むしろ、店員のやる気のなさが棚に表れていて、品揃えは並以下である。 そんな本屋でも、近所にあって夜遅くまでやっているというだけで、愛着が湧いてくる。 あてどなく店内を回り、気になった本をパラパラとめ