マガジンのカバー画像

本のある日常

44
書店員として働く私が、本のことについて書いたエッセイ集です。
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

マンガを貪り読みたくなるときもある

「マンガを貪り読みたい」 その衝動に駆られた私は、ヨダレを垂らしながら近所のツタヤに向かった。 歳を重ねるにつれて理性が強くなり、休日でも何か生産的なことをしないと気がすまないようになってしまった。 例えば、堅苦しい本を読んだり、一日中外出をしたり。 常にどこか焦っていて、自分でも何をこんなに焦っているのかわからない。 そんな日々を積み重ねていると、どうしようもなく無為な時間を過ごしたくなるときがやってくる。 私はそんなとき、ひたすらマンガを読むようにしている。 それも堅

疲れていると本が読めない

仕事を終えて、やっと家に帰ってくる。 さあ、ここからは私の時間だ。 なんでも好きなことをしようじゃあないか。 そうだ、読みかけの本もあるし、読書なんてどうだろう。 でも、あれ、なんだか読む気が起きないぞ。 私の仕事終わりの夜はだいたいこんな感じである。 ラジオを聞きながら、読書をするという豊かな時間をすごしたいのに、できない。 仕事終わりの疲れた体では、読書を始めるためのハードルを超えられない。 かといって、他にやりたいこともない。 気づいたらスマホでYouTubeを見て、