マガジンのカバー画像

雑多な入選作【詩】

11
公的なものも私設なものも。
運営しているクリエイター

記事一覧

【詩】一羽の鳩への憐れみの行方

公園の鳩を見ていると 一羽だけ少し違うものがいた 羽毛は白く 背中は淡い茶色 しかも縮れて…

酒井花織
1か月前
40

【詩】観察

強そうな花はってみんなに聞くと 出て来る花の名前は ひまわりとかバラとかたんぽぽとか じゃ…

酒井花織
1年前
42

【詩】瞳の国のアリス

真っ暗な箱の中を覗くと 気持ちのいい青空の下 気球が飛んでいた なんて素敵な景色だろう 素敵…

酒井花織
1年前
10

【詩】塔守たち

家鴨は腹をすかせて鳴く かごの鳥も愛して欲しくて けれども飼い主が近づきすぎれば 彼らは突…

酒井花織
1年前
21

【詩】サロメのフェミニズム理論

身に相応しからぬ幸福を得て ちょうど三日で飽きた時 あの言葉の意味に気づいてしまいました …

酒井花織
1年前
7

【詩】天人花

住宅街の片隅に小さな少年が倒れている 誰かに傷つけられたらしい 道行く人は無関心 まったく…

酒井花織
1年前
10

【詩】それは衒学ではなく

その少女は生真面目というわけでもないが 色恋沙汰にはまったく興味を示さず いつも難しげな本を読んでいた (古典SF?そんなものよく理解できるね) (理解できない所がいいの) 彼女が求めるものは永遠に解けないもの 幼き日のたどたどしい読書のように 分からない所は心が望むままに想像し 結果出来上がる不可思議で快適な世界 彼女の幸福の殆どはそれで占められていた (でもあんまり楽しいものだから 熱中して 最後にはみんな解けてしまうの) 満点の答案用紙を教室のくずかごに捨て 眠

【詩】悠久

鉄と宝石 強さで尊さは量れるものだろうか 氷と宝石 尊さで美しさは量れるものだろうか 氷と天…

酒井花織
1年前
13

【詩】選ばれし子供

お母さんがお皿や茶碗をぶん投げる ガチャンガチャンと食器が割れる また始まった 「花織、行…

酒井花織
1年前
24

【詞】胡蝶の夢

柔らかい髪が揺れてる 遠くで子供がはしゃぐの 鳥の声も… 今あなたの見てる夢なら幸せなこと …

酒井花織
1年前
24

【詞】Fairy Moon

窓辺の花一輪撫で 白いヴェール 色を添える 霞に紛れ 花ひらく時も儚く 十二時には今日が終…

酒井花織
1年前
24