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雑多な入選作【詩】

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公的なものも私設なものも。
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記事一覧

【詩】一羽の鳩への憐れみの行方

公園の鳩を見ていると 一羽だけ少し違うものがいた 羽毛は白く 背中は淡い茶色 しかも縮れて…

酒井花織
7か月前
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【詩】観察

強そうな花はってみんなに聞くと 出て来る花の名前は ひまわりとかバラとかたんぽぽとか じゃ…

酒井花織
1年前
43

【詩】瞳の国のアリス

真っ暗な箱の中を覗くと 気持ちのいい青空の下 気球が飛んでいた なんて素敵な景色だろう 素敵…

酒井花織
2年前
11

【詩】塔守たち

家鴨は腹をすかせて鳴く かごの鳥も愛して欲しくて けれども飼い主が近づきすぎれば 彼らは突…

酒井花織
2年前
22

【詩】サロメのフェミニズム理論

身に相応しからぬ幸福を得て ちょうど三日で飽きた時 あの言葉の意味に気づいてしまいました …

酒井花織
2年前
8

【詩】天人花

住宅街の片隅に小さな少年が倒れている 誰かに傷つけられたらしい 道行く人は無関心 まったく…

酒井花織
2年前
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【詩】それは衒学ではなく

その少女は生真面目というわけでもないが 色恋沙汰にはまったく興味を示さず いつも難しげな本を読んでいた (古典SF?そんなものよく理解できるね) (理解できない所がいいの) 彼女が求めるものは永遠に解けないもの 幼き日のたどたどしい読書のように 分からない所は心が望むままに想像し 結果出来上がる不可思議で快適な世界 彼女の幸福の殆どはそれで占められていた (でもあんまり楽しいものだから 熱中して 最後にはみんな解けてしまうの) 満点の答案用紙を教室のくずかごに捨て 眠

【詩】悠久

鉄と宝石 強さで尊さは量れるものだろうか 氷と宝石 尊さで美しさは量れるものだろうか 氷と天…

酒井花織
2年前
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【詩】選ばれし子供

お母さんがお皿や茶碗をぶん投げる ガチャンガチャンと食器が割れる また始まった 「花織、行…

酒井花織
1年前
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【詞】胡蝶の夢

柔らかい髪が揺れてる 遠くで子供がはしゃぐの 鳥の声も… 今あなたの見てる夢なら幸せなこと …

酒井花織
1年前
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【詞】Fairy Moon

窓辺の花一輪撫で 白いヴェール 色を添える 霞に紛れ 花ひらく時も儚く 十二時には今日が終…

酒井花織
1年前
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