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投資は心構えが一番大事

リスクの意味とは?

『投資にはリスクがあります』

このようなフレーズを誰もが一度は耳にしたことがあると思います。実際、投資に興味があるけどけどなかなか始められない要因一つは、この言葉が頭にチラつくからではないでしょうか。

リスクは英語でRiskと書きますが、その意味は? 聞かれれば、大抵の方は『危険』と答えるのではないでしょうか。

Riskの意味を辞書でひくと、確かに危険という訳はでてきます。

しかし、投資の世界でリスクという言葉が使われる場合、それは主に『不確実性』という意味で使われます。

不確実性とは、確実ではないということ、つまり『どっちに転ぶか分からない』ということです。

よって、冒頭で紹介した『投資にはリスクがあります』とは、『投資には不確実性があります』という意味なのです。

投資=危険と捉えて何もしない、恐いから何も考えないという行為では思考が停止してしまいます。

リスク、つまり不確実な要素を自分で分析した上で、その結果(リターン)を天秤にかけ、そこに勝機を見いだせるのであれば挑戦する。これが賢い選択、振る舞いなのではないかと思います。

心配性と慎重という言葉は似てるようで全く異なります。前者は漠然とした不安を抱え、ある意味思考停止状態に近いです。一方、後者は不安材料を考慮・分析した上で、着実に前に進むという前向きさがあります。投資をする上で大切なのは、もちろん後者の方になります。必要以上に心配性になることは、目の前にある大きなチャンスの機会損失にも成り得るということです。

どんなビジネスや投資においてもリスク(不確実性)を取らない行為から得られる結果は、銀行預金以上のリターンを超えることはありません。それが市場の原理原則というものです。


だれもが不確実性をとっている

金融市場において、リスクとは不確実性のことだと解説しました。

ここでご自身の人生を思い返してみてください。実は誰もが不確実性のある選択をして人生を生きているはずです。

例えば、

高校受験や大学受験、就職、結婚、マイホーム購入など。人生のあらゆる岐路において不確実性のある選択をしています。

高校や大学受験は100%の合格が保証されている訳ではありません。また、合格しても華やかな学生生活を送れる保証はどこにもありません。就職してもその会社の仕事が自分に向いているかどうかは、実際に働いてみないと分かりません。また、結婚という選択も、この先一生の幸せが保障されている訳ではありません。

それでも人は皆、将来に希望を見いだし、不確実性の高い選択を自らの意思で行っているのではないでしょうか。

投資も同じです。

お金のことになると人は『損したくない』、『恐い』という感情になりやすいです。これは、既に手にしているものを失うという恐さが新しいものを手にしたいという希望よりも大きいからかもしれません。

だからこそ、投資をする上では前提となる心構えこそが、一番大切な要素になります。

その心構えについてこれから説明します。


投資は必ず余裕資金で

投資は余裕資金で行う。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、この当たり前なことができずに市場から退場する人が毎年後を絶ちません。

私が定義する余裕資金とは『無くなっても今送っている生活に何ら支障がない』金額のことです。

また、投資で50万、100万円損をしたと嘆く人がいますが、そもそも投資活動で市場に投入した資金はその時点で手放したお金と考えた方が良いです。例えその金額が大きくても小さくても同様です。

損失した時に、『このお金があれば、○○が買えたなぁ』とか、『△△に旅行にいけたなぁ』と落ち込むようでは、まだ市場に参加する段階にないと私は思います。そういった感情がふつふつと込み上げてくるようであれば、その資金は余裕資金とはいえません。まずは、その資金を全て溶かしたとしても動揺しないだけの貯金をしてください。

理想は、毎月給料がしっかりあって、貯金もそれなりに膨らんでいて、その上で消し飛んでも今の生活に何ら支障がない金額のみを投資の資金に回すことです。

また、自分が儲かるということは、どこかで誰かが損をしています。逆に自分が損をしたということは誰かが得をしているということです。自分が儲かる未来を取りにいったはずなのに、損をした場合にだけ落ち込むということ自体、虫が良すぎることだと思います。殴られる覚悟がないのにリングに上がるボクサーはいないですよね。

投資資金は、市場への入場料、参加費と捉えましょう。これはそう割り切ることが大切です。そうすることで損切りしても損した気分にはなりませんし、逆に利益が出てもぬか喜びすることもありません。つまり日々の結果に一喜一憂することがないということです。自分の保有銘柄の時価の変化に一喜一憂するその感情こそが、結果的に市場から退場を強いられる根源だと私は思っています。


そもそも最初は損するもの

また、前提の心構えとして事前に知っておいて欲しいことがあります。それは、投資を始めたばかりの頃は、必ず損をするということです。

実は、これは考えてみれば至極当たり前のことです。例えば新しく始めた仕事、新しく始めたスポーツを例に考えてみてください。

仕事を始めたばかりのころや部活を始めたばかりのころは、必ず失敗や挫折を経験するはずです。これはどんな分野でも当然のことです。なぜなら、その世界には既にベテランの人達が存在していて、新参者との実力の差は歴然だからです。どんな世界も新参者は『洗礼を浴びる』ということです。

投資の世界も同じです。ただ、投資の世界ではその失敗や挫折が『資金の損失』という結果として帰ってくるということになります。

何事も実力がつくまではそれなりに時間がかかるものです。縦軸を成長、横軸に時間を取った場合の一般的な成長曲線は、始めてからしばらくの間は地を這うような線を描きます。しかし、縦軸に"資金"を取った場合、投資の世界では一旦下に凹み、その後上昇するという線を描くのです。


成長曲線


最初にこの事実を理解していると、投資で損失を出したときの心のあり様が全く異なります。


ビギナーズラックという言葉がありますが、投資の世界でも時に初心者が大きく稼ぐことがあります。

しかし、このビギナーズラックは悲劇の始まりに成り得ます。その場で一切の投資活動を終えられればプラスですが、勝っているときには辞められないのが人間です。運よく勝っただけにも関わらず、人はそれを実力と勘違いしてしまうことがあります。一度勝っているという驕りが慢心を生み、次はもっと大きな金額で投資することになります。そして大きく負けたときに初めて自分の勘違いに気付くのです。

どんな世界でも同じかもしれませんが、最初に失敗する、最初に損をすることは将来的に良い結果を生むことが多いです。失敗や損をしたくて投資を始める人はいないと思いますが、最初に失敗するのは成長のためには必要なことなんだと前向きに捉えましょう。


悪性の腫瘍は早期に取り除こう

損切りが大切だということは株式市場の参加者であれば誰もが知っています。しかし、知っていることと、それを実行に移せているかは全く異なります。

そもそも、自分が買った銘柄の株価がその後に上がるか、下がるかは誰にも分かりません。神のみぞ知るです。

ではどうすれば私たちは株式市場で利益を出すことができるのでしょうか。

空売りという特殊な売買を除けば、私たちができることは、『株価が上がる期待値』が高い銘柄の株を買うということだけです。

期待値とは、つまり可能性ということです。

その期待値を高めるためにファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などの手法を活用して私たちは銘柄選択をするのです。

また、『株価が下がらない期待値』を考えることも等しく重要です。

市場から強制退出させられないように、まずはディフェンスを固める、生き残ることが大前提、最初から儲けようとしない、という考え方が根本にあります。

先に守りを固めれば、あとは上にいく期待値だけが浮き彫りになるという考え方です。


投資の神様、ウォーレン・バフェットは投資において次の絶対ルールを設けています。

1、絶対に損をしないこと

2、1を絶対に守ること


このルールが意味するところは、まずはディフェンスを固めることが大前提ということです。

損をしないとは、自分の保有する全ての銘柄においてという意味ではありません。トータルで負けないという意味です。

そして、トータルで負けないために必須となる行為が『損切り』なのです。

投資活動自体が『期待値を取りに行く行為』である以上、その読みが外れることは当然あります。億の資産を築いているプロの投資家でさえ必ず損切りをしています。

ビジネスの世界でも『損切り上手は商売上手』と言われます。自分の選択が間違っていると分かれば、その時点で見切りを付けるはビジネスの世界では当然の行為です。

どういった銘柄に損切りが必要なのかというと、それは『自分の決めたルール』によります。例えば、-5%値下がったら損切りするというルールを設けている人もいれば、チャートの形が崩れたら損切るというルールを設けている人もいます。

いずれにせよ、損切りが必要な銘柄は、人体でいえば『悪性の腫瘍』と同じです。早期発見、早期除去が最良の処置となります。『損を確定したくない』という感情でずるずると損切りを先延ばしにしてしまう所謂塩漬け行為は、腫瘍が他の臓器にまで転移するのをただ見ているのと同じです。

仮にルール通りに損切りを行い翌日に株価が上昇したとしても、それは結果論です。損切りした行為の方が正しいのです。自分で設けたルールを銘柄によって都合のいいように変えない、ルールは何があっても一貫するという姿勢が大事です。


まとめ

今回は、これから投資を始めようと考えている人、または既に投資を始めているがなかなか結果がでていない人向けに心構えの大切さを紹介しました。

以下、重要なポイントをまとめます。

・リスクとは不確実性である。リスクを分析し、勝機があれば挑戦しよう
・投資資金は全て溶けても動揺しない金額(余裕資金)と心構えで行う
・投資は最初に必ず損するものと考える
・損切りはどんなビジネスでも当然の行為。利益と損切りはセットと捉える

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