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サラリーマンと株と税金のこと

「〇〇市って住民税安いんだよ」とか言い出す人。
正直、とっても苦手です。だって住民税は全国一律なんですもの。

しかも、細かい計算の上での話ではなく、大体は「〇〇市には△△(世界的大企業)があるからお金がある」みたいな理由で。
「へー、そうなんだ?w」と話を合わせるべきか、住民税の税率は基本的に全国一律だから、〇〇市が住民税安いなんて事はないですよって、正解を教えるべきか、悩んでしまいます。

会社だと、私は給与計算を担当する事があるので、本当は違うとわかっているのに、知らん顔して話を合わせるのも、後でバレた時にちょっと嫌な感じなので・・・やんわーりと説明する事が多いですが、住民税の事も、源泉所得税の事も仕組みがわかっていない人が殆どです。

中には「急に住民税が上がったんだけど、給与計算が間違ってるんじゃない!?」と、いちゃもんをつけてくる人もいるのですが、こちらが何か説明しても、基本的な税金の計算の仕方を理解していないので、話が平行線になる事がよくあります。

今回は、そんなサラリーマンの税金の仕組みについて簡単にまとめてみたいと思います。
それって、株式投資と何か関係あるの? と思っている人もいるかも知れませんが、実はとっても関係があるんですw

前回、NISAとか、iDeCoとか、株式投資に関係のある税金の話がチラっと出てきましたから、それらの説明の前に、まずサラリーマンの税金のしくみをざっくりと説明してみたいと思います。(本当にざっくりです)

給与を貰ったら「所得税」が引かれます

こんな順番で税金の計算をするんですよーという、サラリーマンの税金の仕組みについて、めちゃくちゃ簡単に説明をします。

まず、毎月のお給料から所得税が引かれます。収入に対して課税される源泉所得税です。これは給与の額と扶養家族の人数などで計算された税額です。お給料が高い方が沢山税金は引かれます。扶養家族がいると少し安くなったりします。

ただし、毎月引かれる所得税額は「これくらいの給料なら、税金の額はこれくらいかな?」みたいなもので、これで確定ではないのです。

サラリーマンなら年末調整があります

会社勤めの人なら知っていると思いますが、一年の最後・12月の給与(または賞与)の最終支給時に「年末調整」があります。ここで一年間の所得税額を再計算して納付する税金の額が決定するのです。それまで毎月払っていたのは「所得税(仮)」みたいなものだったのです。

1月から12月までに受け取った給与・賞与の額をすべて合計して、今年払うべき税金を再計算するのが「年末調整」です。

会社から受け取った給与の総額そのままに税金がかかる訳ではなくて、その年に支払った社会保険料や、給与所得控除や配偶者の控除、あとは自分で払っている生命保険料とか個人年金の控除などなど、いろいろ控除した結果「課税給与所得金額」というのが決まります。これが税金を計算する時の元になる金額(所得)です。

課税給与所得金額に税率をかけて計算して「あなたの今年の所得税は〇〇万円です」というのがこの時に決定するのです。

そして、1月から毎月引かれていた税金の合計額と比較して、計算した税金の額が少なければ、多く払っていた税金が還付金として返金され、残念ながら引かれていた税金が少なかった場合は追加で納税(徴収)する事になります。

大抵は少し返金されるくらいの金額で毎月源泉徴収されているはずなのですが、途中で扶養家族が減ったりすると徴収される事もあります。

住民税の金額は前年の収入で決まります

「今年の住民税高いよ!!給与計算間違ってるでしょ!?」とか言い出す人は、その時のお給料の額で計算される所得税と勘違いしている事が多いです。
住民税は前年の給与所得をもとにして計算され、翌年の6月以降に給与から、毎月ほぼ定額で天引きされます。

前年、たまたまボーナスや残業代が沢山支給されて、一年間の収入がいつもより多かったりすると、翌年の住民税が高くなる事があります。また、今年になって、収入が減ってしまっていたとしても、前年の収入で計算される住民税は安くはなりません。

所得税はその月の収入に合わせて増減するので、あまり多い・少ないという感覚がなく引かれてしまう事が多いのですが、住民税は決まった額を12分割して天引きされるので前年より2~3千円高くなっただけでも「高い!?」と思ってしまうかも知れません。

ちなみ住民税の金額を計算して決定するのは各市町村です。年末調整が終わった後に会社から「給与支払通知書」というものを各市町村に提出しています。だから市町村ではその人の収入の額を把握する事が出来るのです。

年末調整の次は確定申告です。

サラリーマンで、会社からの給料しか収入が無いという人は年末調整が終わったら何もしないという人も多いかも知れませんが、それ以外の所得(収入)がある人や、または損失などがあった場合は確定申告をします。多分、医療費が多くかかった年には税金が安くなるので確定申告に行った方がよい、というような話は聞いた事があるかと思います。

株式の取引きをする場合は、この確定申告の事はかならず意識しておく必要があるのです。とても重要です。
サラリーマンの場合、給与所得以外に20万円以上の所得(収入)があった場合、確定申告をして納税をしなければならないことがあるのですが・・・

「給与所得以外の20万円」には株式の売買益なども含まれます

はい、面倒ですねーw
持っている株式が値上がりして、売ったら利益が確定して、儲かったぞー!! なんて事が何回かあったら、年間で20万なら簡単に超えてしまう可能性があります。その場合、その利益に対して所得税を払う必要があります。

あと、株の売買で損失が出た場合は確定申告した方が、税金が安くなる可能性があるとか、配当金からも税金が源泉徴収されているので、もし損失が出ていたりすると申告すると戻ってくる可能性もあったり、なかったり・・・

なんて話をすると「株式投資なんてメンドクサイじゃーん!!」「いちいちそんな計算しなきゃいけないの!?」ってなりそうですが、そのメンドクサイを無くすために、例えば「特定口座」なんてものがあったり、NISAがあったりするのです。それぞれ特定の条件で確定申告が不要になります。これは便利ですw

今回は「確定申告をしなくてもよい場合」の詳細は省きますが・・・
本来は、株式投資などの売買で年間20万円以上の所得(収入)があった場合は確定申告をしなければならない、という事を覚えましょうw

会社にバレるのは嫌?

確定申告をした場合、その結果は市町村の方にも連絡が行きます。会社から市町村へ提出した給与所得と、確定申告をした所得金額や控除額なども合算して住民税が計算される事になります。

もし、株式投資で沢山利益が出て確定申告をした場合、所得金額が増えてしまいますので、住民税が高くなり、結果的に給与以外の収入がある事が会社にバレてしまう可能性はあります。

バレないようにする方法というのもあるのですが・・・イマドキ、株式等の所得がある人は珍しくありませんし、それで会社に文句を言われる筋合いは無いのですから、本来、気にするような事ではないと思います。
(もし、それで何か変な噂を流すような人がいたら、その人こそ罰せられるべきだと思うのですよ。業務上知り得た個人の情報をペラペラと同僚に話してしまってよい訳がないのです)

ただ、中には社員数が少ない会社だから、給与計算をしている同僚に知られてしまうのは、ちょっと気まずい、なんてこともあると思います。
そういう人は、そもそも非課税のNISAを利用したり、確定申告時に住民税の納付方法を普通徴収(自分で窓口などで納付する方法)を選択する事で会社にバレないようにする事ができます。

株式の売買の利益は所得税と住民税に影響があります

本当にざっくりとした説明でしたが、なんとなく、株式の売買で利益が出た時にどんな税金の計算に関係してくるのか、イメージできたでしょうか。
つたない説明ですが、何となくでも、薄っすらでも、理解していただけると嬉しいです。


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