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かぶきDOU其の2 アフタートーク

4/11かぶきDOUをお聴きいただいた皆さま誠にありがとうございました!

第2回のお題は「歌舞伎の舞台〜博多座編」でした。
総ヒノキの板に様々なシーンがめくるめく観客の目の前で変わっていくのも歌舞伎の醍醐味です。
そもそも歌舞伎の舞台というのはどんなふうになっているのか?
博多座の特徴もあわせてご紹介しました。


廻り舞台

廻り舞台を世界で初めて作ったのは歌舞伎だそうです!
場面転換で幕を閉めたり、ステージを暗くしたりすることなく観客の目の前で場面が変わったり戻ったりできるようになり、お客を飽きさせず、なおかつ歌舞伎の表現方法も広がっていきました。
博多座は、廻り舞台の直径が14.5mあります。   


セリ

廻り舞台の中にはセリがあります。舞台セットや役者さんを乗せてエレベーターのように上下に動きます。 現在、様々な舞台やライブでも使われていますが歌舞伎から生まれたものだといわれています。
博多座にはセリが5つあります!今の新しい歌舞伎座でセリが4つなのでその多さがわかりますね。
そして廻り舞台の下にはおよそ7.3mの奈落があります。
大型ミュージカルで使用される、大掛かりな仕掛けの道具を設置することを想定されています。
さらにその下がリハーサル室になっていて本番の舞台サイズでリハーサルができるそうです。
ベストな環境で役者の皆さんが研鑽を積まれているのですね!


花道

歌舞伎と言えば花道はお馴染みです 。
舞台向かって左側にあり舞台へ通じる道や川として使われます。 実は歌舞伎で花道から登場できる役者は限られています。
演目によっては演じる役の心のうちを醸し出す重要な場所でもあります。歌舞伎にとって花道はなくてはならないものです。
また、レアではありますが舞台右側に仮花道がつけられる演目もあります。 ちなみに博多座では組み立て式で、花道と仮花道が設置できます。宝塚公演などで使う袖花道や脇花道も組み立て式です。
そして花道にもセリがあります。客席で言うと前から四列目あたりの位置です。
ここをスッポンと呼びます。亀のスッポンが首を伸ばしたように見えるためその名がついたとも言われています。
歌舞伎で、ここから出てくるのは人でないもの。幽霊や動物が人の姿に化けていることを表します。


舞台のサイズ

博多座は公演によって高さを変えることができます。
可動式の装置で歌舞伎で高さ7.4m、ミュージカルで高さ10mに変更できます!レミゼラブルやミス・サイゴンなど大型ミュージカルにも対応できるよう配慮されました。間口は共通で20mです。

そして劇場の顔といえば緞帳ですね。劇場によっては緞帳が演目に合わせて幕間に変わったりします。
博多座では奥行きを確保するために緞帳は一枚となっています。
その分、紋様にこだわりました。舞台の高さが変わっても違和感のないデザインをということで、
葡萄唐草文様をモチーフにしたものが採用されています。
中東からシルクロードを渡り日本に伝わったこの紋様。 東大寺正倉院の宝物としても大変有名です。アジアの玄関口として古くからその役割を果たしてきた博多にふさわしいということで選ばれたそうです。
緞帳の高さは11.5m、幅は22m、重さは1000kgとなっています。


宙乗り

ロープなどに吊るされた登場人物が客席の上を飛んでいく演技です。歌舞伎では幽霊、動物の化身、宙を飛ぶ力を得た人などが空中を移動します。
この見た目の楽しさを大切にした演技を「ケレン」と呼びます。
博多座は3階席が舞台に張り出していて宙乗りの最高地点が高いので、より高く宙乗りが出来るそうです。
舞台側に天吊り装置、花道の上には電動式の宙乗り装置が設けられています。
歌舞伎ではゆっくりと花道から三階に設置される鳥屋(とや)と呼ばれる場所まで飛んでいきます。
役者さんが手を振ってくれることも多いので観客の方はたっぷりとその景色をお楽しみいただけますよ!
ちなみに歌舞伎で宙乗りがある場合は演目に「宙乗り相勤め申し候」と記載されます。宙乗りが観たい方はぜひチェックしてみてください。


楽屋

コロナ禍で博多座は楽屋挨拶、差し入れも含め自粛が続いています。
博多座の楽屋は長期間滞在する役者さんに快適に過ごしてもらおうと全ての部屋に窓がついているそうです。
主な出演者が使う幹部用楽屋は5室あり、前室付きの8畳の和室にモニター、 ミニキッチン、洗面、トイレ、浴室が備えられています。
そのほかに個室や大部屋があり、共用の浴室が4カ所。
ランドリールームには洗濯乾燥機が6台備えられています。廊下の幅は2m〜2.6mとゆとりがあって出演者が衣装を着てすれ違っても大丈夫な広さがあるそうです。
楽屋にはかつらを管理する床山部屋と衣装部屋が併設されています。
博多座の筋書きのインタビューで「楽屋まわりがとても使いやすい」とコメントされる歌舞伎役者さんもいらっしゃるほどです!


縁(えにし)の一曲


歌舞伎役者さんにゆかりの曲をご紹介する、えにしの一曲のコーナーです。
今回は尾上菊之助さんでした。
2019年TBSドラマ グランドメゾン東京で人気レストランのシェフ 丹後学役を演じられました。
木村拓哉さん演じる主人公 尾花夏樹とはパリの有名レストランで修行を重ねたライバル関係。
尾花に対する嫉妬、男気、そしてシェフとしての繊細な料理の手さばき。歌舞伎舞踊の所作がこんなところに活きるのだなぁとしみじみ感じました。
当時、ドラマの撮影と新作歌舞伎 風の谷のナウシカの制作が同時進行だったのではないでしょうか?パワフルな菊之助さんの色んなかっこよさが詰まったお役です。 ドラマの主題歌 「山下達郎 RECIPE」 お届けしました♪


公演かわら版


番組後半は、歌舞伎公演情報や関連イベントをご紹介する公演かわら版のコーナーです。
6月に博多座大歌舞伎が開催されます。
歌舞伎役者の皆さんが、ご当地到着を船に乗ってお披露目する「船乗り込み」が4年ぶりに復活します! 
今回、式典は博多座劇場内で行われます。式典への参加には公式グッズ手拭(税込み¥800)の購入が必要です。
5/31(水)当日発売予定です。
詳細は随時博多座HPにてお知らがあります。また、かぶきDOUでもご紹介します!


めでてえなぁ


お誕生日を迎えられる歌舞伎役者さんをご紹介する「めでてえなあ」のコーナー!
お名前と、所属 屋号をご紹介します。五十音順となっておりますのでご了承ください。
4/5から4/11がお誕生日の皆さんです。

4/7 市川喜楽さん
市川段四郎一門
4/7 片岡愛三朗さん
松嶋屋
4/10 市村光さん
橘屋
4/11 尾上梅之助さん
音羽屋
4/11 中村鷹之資さん
天王寺屋
4/11 坂東八大さん
十代目坂東三津五郎一門

お誕生日おめでとうございます!


かぶきDOU其の2、歌舞伎の舞台〜博多座編を一部抜粋してご紹介しました。
客席のみならず役者さんにも並々ならぬ配慮がある博多座の舞台裏についてもお届けしました。
次回のかぶきDOUは4/18㈫の
午前10:00-10:25生放送でお届けします。お楽しみに!

番組のYou Tubeアーカイブはこちらからご覧いただけます

https://www.youtube.com/live/YSO4TeZTEsk?feature=share

※権利の関係でBGM音楽は削除されています


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