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永江恭平 ~100%応援目線の獅子図鑑④~

守りは短く、攻撃は長く。野球観戦の理想的な展開だ。

でも彼がショートの守備位置についたときだけは、いつまでもその時間が続いてほしいと願ってしまう。そのくらい永江恭平の守りは、見ているこちらを釘づけにする魅力がある。

初めて彼のプレーを見たのは1年目のとき。高卒新人ながら試合終盤に三塁の守備固めにつき、最後の打者のライン際を襲った強烈な打球を、落ち着いて処理したシーンがとても印象に残っている。

以降、限られた出場機会ながら出るたびにその守備力を見せつけていく。単に「うまい」というのは何か違う。彼が打球を処理すると、その一挙手一投足に目を奪われ、心が躍るのである。いつからか「#俺の永江」なんてハッシュタグが登場したことからも、そのプレーを楽しみしているファンが大勢いることがわかる。

俊敏なステップとブレない上半身。たとえて言うならば「野生動物の優美さ」だろうか。まるでジャガーが獲物を狩るように、その動きはしなやかで力強い。永江の射程に入った打球は、そのグラブから逃れることはできない。

もちろん源田も堅実で素晴らしい。30年以上プロ野球を観戦してきて、ほかにも名手と言われたショートはたくさんいる。でもずっと守備を見ていたいと思わせる選手は後にも先にも永江ただ一人。そのくらい特別な選手だ。

課題は打撃と言われ続けて早幾年。中島の渡米という最大のチャンスもモノにできず、田辺監督時代には「打率二割二分ならレギュラー」と言われながらも守備固めにとどまってしまう。そして源田時代の到来。気づけば26歳。かなり厳しい状況なのは間違いないだろう。

それでも、彼があの誰をも虜にする守備で輝いている限り、チャンスはまだまだ訪れるはず。昨日も見事な活躍で永江びいきを歓喜させてくれた。

「源田の故障は困るけど、永江が見られるのは嬉しい」
西武ファンにそんなモヤっとした感情を抱かせるほど、彼もまたオンリーワンの魅力をもった選手だ。


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