平良海馬 ~100%応援目線の獅子図鑑③~
人はギャップを愛する。
あどけない表情にずんぐりした体躯の、まるで少年野球から飛び出してきたような風貌。まだ19歳という年齢、沖縄出身者特有の大らかな雰囲気もあるのだろう、とにかく見ているだけで癒されるキャラクターだ。
でもいざマウンドに立つと、その投球がかなり高いレベルで完成されていることに驚く。
150kmを超える、いかにも重そうなストレートに、多彩な変化球。そのどれもでストライクが取れる技術。おそらくは、のっしとマウンドを踏みしめる、あの太すぎる両脚が生み出す馬力と安定感によるのだろう。
マウンドでの態度も落ち着いている。連打を浴び初失点を喫した試合でも我を失う様子はなく、2イニングを投げ切った。
ボールの強さ、制球力、メンタルの落ち着き。どこを切り取ってもライオンズの将来をしょって立つ投手だと思う。
先発を任されるのもそれほど遠くないだろう。光成・今井・松本航など眩しい才能をもつドラ1トリオと比べても、平良のポテンシャルは遜色ないどころか追い抜いたとしても不思議ではない。そのくらいの「ロマン枠」だ。今ではテレビ観戦していても、彼の登板を心待ちにしてしまう。
でも楽しみなのは、投球がすごいからだけではない。
3アウトを取って、ずんぐりボディを揺らせて小走りにベンチへ帰る。そのときの彼の笑顔がこちらまでなんとも言えない幸せな気分にしてくれるのだ。
実力と、誰もが応援したくなる愛嬌をあわせもつ逸材。ライオンズの人気者となる日も近い。
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