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羽根英樹さん講演会〜需給を読む事が飯の種。あまのじゃく投資法イベントドリブントレード。 その5[TOB イベント探しの旅] 2023.7.1開催


2023.7.1に開催されました羽根英樹さんの講演会の書き起こしになりま

その1[自己紹介 イベントドリブンとは何か]  


その2[定量分析]

その3[凡人は天才にはなれないが]

その4[イベント再現性投資法 システムのバグをついた裏技トレード]

あともう一つ板の話なかった。よくファンダでもテクニカルでもない売買法というと、板読みのことを指しているのかという人が多いんですけども、やっぱり板読みは僕はやってなくて。なぜなら先ほど言いましたように、arrowheadになってからものすごくスピードが速くなったのが一つと、それからアルゴ売買がすごく盛んになって、板に出ていない、板っておかしいですけど、買おうとしているけど板には出していない注文というのがたくさんあるわけなんですよね。そういう板に出てこない注文というのがたくさんあるから、板を読んでも多分無駄なんじゃないかというのが僕の考え方です。板読みをディスっているわけではありません。

TOB

ということで、もう一つ狭義の、狭い意味でのイベント、これTOBのことなんですが主にTOBですね。他のイベントと違って定量分析が使えない。これ一回一回全部違うからなんですよ。だから使えないというか使いにくいというか、サンプルが集まらないので定量分析は使えない。でも過去のTOBをいろいろ研究したりすると、一種のパターンがある程度あるんですね。読みができるとちょっと有利かなという感じですね。つまり前のTOBにも似たようなTOBで同じようなことがあったから、今回もこうなるんじゃないかとそういう話ですね。

例えばリスクの話しますと、TOBって何種類かあるんですけど、基本的には皆さんよく知っておられるTOBというのは全部買い取っちゃうTOBなんですよね。MBOとかそういうTOBだと思うんですけど、全部買い取っちゃうTOBと、それから上限付きTOBのことがあるんですけど、だいたい2種類があります。

全部買い取っちゃうTOBの場合ですね、TOBやりますよって正式に言ったら、基本的にもう終わりに近いです。そこからまだ上に行くこともあるんですけども、それをですね、例えばTOBやりますよって言っても、実はひっくり返ってかねないということがありまして、例えば手続判断リスクとか海外不認可リスクというのがありまして、海外不認可リスクで有名なのが日立系の会社で日立金属とか。日立金属TOBやりますよって言ってから1年半か2年ぐらい引っ張られて、なかなかやらなかった。これ何かというと中国で、中国の独禁法の許可が得られなかった。なかなか最後にですね、中国の許可が得られたっていう情報が出る前から急騰してですね、得られたって出た頃にはすごい値段上がってて、明らかにこれってインサイダーだと思うんですけど、証明できないんですけど、どうも中国の中にそういう情報を使える人間がいるのかなという感じの、すごい後味の悪いTOBだったんですけども。

手続判断リスクというのは、例えばですね、買収防止のために買収防衛策っていうのがあるわけですね。自分のところが買収されそうになった時に、買収防衛策っていうことをやりまして、それ以上買収しようとする人に対して株が買えないようにしてしまう、そういう政策があるわけなんですけど、でもやり方によっては違法になっちゃうんですけど、それは駄目だろうというような話があるわけですわ。いろいろそうなった時に手続判断をすると、手続判断によってどっちへ転ぶかわからない。これが手続判断リスクなんですけど、日本の場合ですけど、どうも手続は買収側には不利な判断を示すことが過去多かったですね。特に村上ファンドの村上さんとかに対しては、すごい厳しい判断をしますね。これは恣意的なものがあるのか何かわからないんですけども。

先ほど2つあるといったTOBのうちのもう一つ、上限付きTOBでは応募率がどれくらいかというスキルがすごく大事で、というのは上限付きの場合は応募しても全部買い取られないわけです。例えば70%買い取られるんだったとしたら、30%自分のところに戻っていくんですね株が。30%処理しなければならないんで、30%は市場で売らなければならないわけです。そうすると、その2つのTOBが、TOBを応募して儲かった利益と、その残りの30%市場で売って、大概損になるんですけど損した、その合算で利益が出るんで、この応募率ですよね。どれだけTOBに応募していくのかということを読むスキル、これは例えば大株主を分析するとか、そういう手法を取るんですが、そういうことが必要になってきます。

アクティビストですね。いわゆる企業に対して文句を言う人。アクティビストの、失礼なんですが、例えば村上ファンドであるとか、もっとストラテジックキャピタルであるとか、そういう名の知れたアクティビストがたくさんいますけど、そういうところの動きというのも結構大事になってきまして、TOBに至らなくてもアクティビストが活動すると基本的に株価って上がるんですけど、反面企業が買収防衛策に走ると下がると。

最近で言ったら例えばコスモ、コスモエネルギーホールディングスと村上の戦いみたいな、今本当にちょうど真っ最中です。この前株主総会が開かれて、買収防衛策可決されました。この可決の仕方が非常にひどくて、村上さん大株主なんですけど、村上さんは議決に参加させてもらえなかったんです。こんなの普通に考えたらおかしいわけですよね。だって恣意的にこの人はダメね、はいこの人はOK、株主総会普通に考えたらないんですけど、これちょっと前例がありまして残念ながら、東京機械製作所という会社がこれをやって、司法判断もあったけど、これ合法ですよになっちゃったんです。

多分コスモエネルギーホールディングスも、これでいけると思ったんでしょうけど、ただ東京機械製作所の時っていうのは結構特殊で、結構買収側がいろいろ違反を犯してるんですよね。なのでいたしかたなしっていう風に見られたところがあるんですけど、コスモの場合はそんなことはなくて、そもそも村上ファンドは買収するとも言ってないんですよ。ただ単に株買っていっただけなんですよね。なのに村上を排除して決めましたと。そんな買収防衛策が本当に有効なのかって、おそらく村上ファンド側は司法判断、裁判所に今後判断を仰ぐと思うんですけども、ちょっとこれどうなるか個人的には楽しみです。

で、このTOB合戦になればボーナスステージって書いてますけど、やっぱり過去にはすごいのもあって、このユニゾ。ユニゾはもともとHISが買うぞって言って出てきたんですけど、そしたらHISが買うぞって言ったら、この値段で700円くらいだったかな、TOBします。じゃあTOBやるという風に発表したんですけど、その後じゃあうちもうちもうちもみたいな感じでいっぱい手が上がったわけですよ。でどんどんどんどんそのTOB価格が釣り上げられていって、もうなんかどんどんどんどん、もう攪拌状態ですね。パチンコで言うところの攪拌状態でどんどんどんどん上がっていった。もう買えば儲かる状態になってしまったということで。

ユニゾの顛末を知っておられる方というのは、ご存知の通りこの時の無理がたたってですね、倒産してしまったわけなんですけど、ここまでしてユニゾが、なんでその外からの買収を嫌がったのかっていうのは、いまだに謎で、何かその外へ漏らしたくない理由が、おそらくあったんじゃないかなと。ここも元々銀行系の不動産会社だったはずなんですけど、そういうのもあって、過去にはワンマン経営とかもあったようなので、いろいろなんかあるんでしょうねきっと。そういうことで絶対に他社に買われたくないっていう無理が、これだけ株価をむちゃめちゃ釣り上げて、しかも自社で、自社従業員ってなってますけど実質自社ですよね。自社でお金を借りて、自分とこの株をすごい高値で買い取って、すごい無理して買い取ったと。結果的には倒産しちゃったっていう。でもTOBに応募したりとか途中で買ってた人はみんな大儲けでしたという感じなんで、そういう今後もこういうTOB合戦、起こりうる環境にはいろいろあるんで、TOBは面白いと僕は思います。

イベント探しの旅

イベント探しの旅ということで、一人でですね、これいろいろ今までしゃべってきましたけど、一人で経験できることとか考えられることっていうのは、本当にたかだか知れてるわけですよね。他の人間からやっぱり知識を得たりヒントを得ることっていうのは、やっぱりすごい大事なんですね。

成功した株式投資をやった人、成功した投資家が何をやってきたかというのを研究した人が僕の友達でいるんです。アンケートを取ったんですよ。アンケートを取ったら重要なファクターがいろいろ出てくるわけなんですよね。重要なファクターの一つに、数人で知識を出し合ってやっているっていう人がやっぱり多かった。やっぱり一人でやっている人っていうのはあんまりいなかったと。これはすごい大事な話で、やっぱり自分だけじゃなくて、3人いれば文殊の知恵と言いますけど、自分だけじゃなくて他の人とも情報交換することによって、やっぱりすごく知識も得られることができるようになってきて。

僕がなんでじゃあここで喋っているのか、儲かりもせんようなことをなんでじゃあ喋っているのかって言ったら、やっぱりKabu Berryに来て、他の人から情報って自分が出さないと他からも得られないっていう部分がすごくあるので、情報を出してるわけです。もちろん出せないこともありますよ。こういう特にイベントなんかあって、パイが限られているので、小さい市場に出せることができるようになってきて、小さいイベントに関してはほとんどやっぱり情報を出せないです。っていうのは自分以外にもう一人おったら、多分ダメになっちゃうなっていうイベントってやっぱりあるんで、そういう話ってやっぱりできないんですけど。

でもそうじゃなくて、例えばTOBなんて言ったらすっごい大掛かりだから、そんなのここにいる人全員が新たに参入したって全然問題ないわけなんですね。だからそういうことで情報を発信することで、情報を得ようとももちろんしてるわけです。

カブフェリーなんかのこういう勉強会っていうのは、他の投資やトレードに触れる絶好の機会だと思います。山さんにはいつもお世話になって、オンラインとかもありますし、いろいろ今例えば神戸だと麒麟さんが神戸投資勉強会ってありますし、健門さんが湘南で勉強会されています。関西でも中部圏でも関東でもそれぞれ大きな勉強会がありますので、どんどん参加しましょうと、そういうことですね。

それ以外には論文とか書籍とかネットの情報とかも結構面白くて、広くアンテナを広げることで得るものを増やしましょうということですね。アウトプットしないと今言ったように情報が集まらない。ただ、秘密はやっぱり守りましょうと。ここだけの話ですよって言って教えてもらったやつを他の人にしゃべるっていうのは、これはマナー違反もだし、そんなことしたら誰も教えてくれなくなるんで、それは最低限守りましょうと。

でもやっぱり多くの人が実践すると、通用しなくなるイベントというのもたくさんあります。でやっぱりここも大事なんですけど、やっぱり天狗になったら僕は終わりかなと。偉そうにですね、オラマエラそんな俺の言うこと聞いとけみたいな、そんなやつあるんですけど、人も寄らなくなってくるんだろうなと思います。天狗にならないのがやっぱり僕はすごく大事だなと思います。

あとですね、それ書いた以外にも例えば証券会社のレポートもまあまあ面白いのがあって、例えばクォンツのレポートを例えば野村とか大和とかみずほとか出してますけど、クォンツ系のレポートは結構話としては面白いですね。でやっぱり、あと自分の投資とかですね、トレードの経験から得ることも多いです。で失敗からも結構学べる、失敗の反対は成功なんで、買いで失敗したら売りでやろうかみたいな、そういう感じですかね。

最後に


イベントドリブントレード入門

で最後にちょっと宣伝させてください。すいません、本今日一冊持ってきてます。これ今からお一人の方にプレゼントしたいと思います。持って帰るのも重たいので。でえっと、もし今日当たらなかった方すいません、本屋で買っていただけるとありがたいです。

でそれ以外にですね、もっとマニアックな人向けに、イベント投資クラブというのを、このさっき言ったパンローリングという出版社でやってるので。すいません、これ商業ベースになっちゃうんで、そんなに安いわけでもないんで、マニアックな人限定で。

https://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=2011418400007

多分これマニアックでない人が入っても面白くないというか、役に立たないというか、そのついていけないというか。なのである程度イベントについて中上級者向けでこういうこともやってますので、興味のある方は見てください。

だいたい週1回レポート書いてます。あと月1回オンラインセミナーをやってます。あと時々ゲストとか読んで、夕凪さんとか来ていただいたりもしたんですけど、配信したりもしてます。

https://twitter.com/hidekihane



でツイッターとブログを書いてますが、すいません、ツイッターもやっぱりね筆不精というかめんどくさがりなんで、ツイートしませんし、ブログにだっては本当に書かないですね。ブログのとこ見てみたら、この本とかこのイベント投資クラブのあったかな、ちょっとあんまり記憶ないんですけど、行けると思いますので、一回興味のある方は覗いてみてください。

質疑応答編に続く