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【ボードゲーム製作において、作業工程は見せるべきか否か?

この記事を書こうと思ったのは、下記の、私がツイッターで呟いた言動なんですが、呟いた後、一部の方に不快な思いをさせてしまったのが、自分の中でのモヤモヤが大きくなり、結果、削除しました。

早い段階から作業に関する進捗を流し続けるというのは、実は宣伝としては逆効果で、買う側には多分どうでも良い。今回のゲムマ秋を例に挙げても、それ合わせの作品なら、サークルカットの締め切り日前後で初お目見えという感じで充分。それ以前からだと、インパクトに欠けて埋もれてしまう気がする。(2020.9.8)

ただ、ある方から「1つの意見として間違っていないので、みんなでもっと話して欲しかった」という感想を頂きました。

そして有り難いことに、それをドラ○エの復活呪文のように記録して下さった方がいらっしゃたので、これについて、改めて自分なりの考えを文章にしてみました。

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自己紹介

本日noteデビューした、ボードゲーム製作歴8年、創作ゲームサークル『ゲームNOWA』のかぶけんこと、かぶきけんいち(現在55歳)と申します。

2017年の9月に20年勤めた職場を退職後、昨年の秋まで近所の映画館で清掃のアルバイトをしながら、大好きなゲーム製作を続けてきました。今の収入はゲームの売り上げから得た利益のみ、あとは僅かな貯金を崩しながらの自転車操業という身です。

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製作スタイル

私は今でいう、かまってちゃん気質が強く、ゲーム製作についても、例えば作業中に腱鞘炎になったとします。(実際に2回なりましたw)

それも込みで作品のアピールとして、気に留めて貰えたら、みたいなことも考えていた時期がありました。見方を変えれば、効率が悪いだけの作業は、ただただ手作り感をアピールしたいだけだったかもしれません。

それくらい当時は、自分の作品に自信が全くありませんでした(今は少しそれが解消された気はしています)。また、決して意図的では無かったとしても、そう見られても仕方がなかったと思っています。

おそらく作り手というのは、少しストイック過ぎるくらいがカッコイイというか、本当に実力のある方や、売れている方は、頻繁に自分から発信しない気がします。

もしかしたら、作家にストイックな方が多いのかもしれませんが。

ただ、逆にそれをするのにも長けている方もいるわけで、一概にどちらが良いか、私には分かりません。​

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ユーザーは作品に何を求めるのか?

一定の層には、作品が完成するまでの過程には余り興味がなく、寧ろその過程は、作品が完成してからでも良いと思っている方も多いと思います。

ユーザーが一番求めるのは作品としてのクォリティだと思っていて、クォリティといっても、見た目だけでなく、ゲームとして少なくとも一定の水準をクリアしていなければすぐに飽きられるので、とにかくゲームとしての中身はもっと大切です。

ただ、あくまでもこの考えはゲーム製作を例に取ったまでで、これがエッセイやイラストと言った、定期的にSNS等でアップされた作品の集大成だとしたら、また話は違ってきます。

少なくとも私は自分が出来ないことを生業にされている作家さんの製作過程は、とても興味津々で、ずっと追いかけてみたいくらいです。

なので、簡単に結論は出せません。

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ゲームイベント

・もしお気に入りの作家さんの作品だったとしたら?

新作だし、まずは抑えておかないと。

・実績のある作家さんやメーカーの作品だったとしたら?

絶対に外さないだろうから、とにかくマストバイ!

初めてゲームを作られた方は、このような人達とも、同じ土俵(ゲームマーケットを始めとするボードゲームの即売イベント)に立つわけですから、大変だと思います。

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宣伝方法(イベント前日まで)

ただ勝機(自分の立てた目標の達成)は充分にあります。それは、いかに自分の作品をイベント当日まで宣伝できるか?

一番身近で言えば、ゲームマーケットのサークルカットがそうです。

プレイ人数やプレイ時間、価格(予価)、作品の簡単なアピールポイント等は欲しいですね。

それから、私の経験から言うと、ツイッターでRTやいいねが3桁行くか行かないかで、結構差は出る気がします。(経験無し)

また最近では有志の方がサークルカットを「Togetter」等のまとめサイトにアップして下さるケースが多く、一度に沢山の情報が得られるので有難いです。

特にアピールしたい作品があれば、それに関する自分のツイート、また他の方のツイートをまとめてみるのは効果的です。(私はGoogleフォームも使いこなせないので諦めましたが)

また影響力のあるインフルエンサーやYouTuber、VTuber、ブロガー等の方々に宣伝して貰えるような企画があれば、駄目元でも応募してみるのも良いと思います。

自分でもルール動画やプレイ動画を作れる方、作ってみようと思われる方は是非作って下さい。

動画があれば、よっぽど長く無い限りは観て貰えるはずです♪

また今はされていませんが、以前はその時期に出展される作品のほぼ全てのルール(サマリー等は除く)を読んで、その方独自の切り口で評価されていたことがありました。

これによって、ノーマーク作品が一夜にして注目作品に‼︎

それくらい影響力がありましたし、私自身も参考にさせて頂きました。

☆☆ 

☆☆☆

☆だけでも高評価なので、☆☆☆は傑作・名作レベル。

※あくまでもその方の視点で、特に目新しさを重視されていた気がします。

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作業工程を見せるメリット・デメリット

◎メリット

SNS映えのするコンポーネント

例にあげるとUchibacoyaさんの木駒を始めとする、ワクワクするコンポーネント類がそれになります。

こんなのを見せられたら、記憶から決して消えることはありません。

クラウドファンディング

これについては、作品自体(少なくともゲームシステム)は完成していると思うので、支援する場合、まず不安要素はないと思います。

逆にゲームシステム50%だとしたら、実績のある作品のリメイク等でなければ、怖くて支援できませんw

あとは、プロジェクトの達成率によってコンポーネントやリターン品が豪華になるので、進捗を見るのは楽しいですね。

目立つ企画

私の好きなゲーム作家の宮野華也さんは、「2週間でゲームを作るよ」というノリで、イベント2週間前に発案→作業→完成→発売という、普通の人には中々真似の出来ない企画を立て、見事完成して発売されたことが何度もあります。

「宮野さん」だから注目されたという点は否めませんが、おそらく以下の点が上手く機能したのではと思います。

1.「500円以下」という、手に取りやすい価格帯

2.受けが良いミニマルなゲーム

3.自分でも出来るのでは?という可能性を伝える

実際、宮野さんはゲーム製作の講師もされていて、ワークショップ等はお手の物です。

企画をスタートされるときは、ツイッターで作業場面もアップされているので、気になるかたは是非!勉強になりますよ~

モチベーションが上がる(追記)

作業工程見せるメリットになかったけど、反応を貰うことでモチベーションが上がるってことはないのかな?仕事と違って同人活動はモチベあってなんぼみたいなとこあるし 。

今回の記事に対して、上記のような意見を挙げて下さった方がいらっしゃいました。

たしかにそうです!!

少なくとも私の場合、8年間、このスタイルで続けてきたのはおそらくこれが一番の理由かもしれません。

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こちらは当時、ネオンというコードネームで、試作品を作り続けていた作品なのですが、最初は厚紙からのスタートでした。お風呂で浮かんだアイデアを翌日、形にしたものをツイッターで発信した結果、予想以上の反応を頂いたのは良く覚えています。

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ここからこの作品へのモチベーションが上がり始め、ボードゲームサプライ製作でお馴染のCygnusさんに、メインパーツをアクリル加工で作って頂きました。

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その後、色々試したくなり、自分でレーザーカッターを扱わせて頂ける工房に通いました。

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最終的には、試作だけを延々と続ける私の姿に共感して下さった、数寄ゲームズというパブリッシャー様から、コプラスとして出版して頂けたのが何よりも嬉しかったです!!

ボードゲーム数寄語り。第131回「コプラスを作ってしまった男たち・その1」

ボードゲーム数寄語り。第132回「コプラスをつくってしまった男たち・のの2」

◎デメリット

・見せるタイミング

もし作品タイトル(またはコードネーム的)なハッシュタグ付きで、初めて作ったモック(テストキット)画像を、作品が完成するまでずっとツイートされていたとしたら、あなたはどう感じますか?

最初はチープなコンポーネントから始まり、徐々に形が出来上がっていく。

だけど途中で行き詰まる。

そのうち突破口が見つかり、イラストを発注。

マニュアルも書かなきゃ。

そしてイラストが上がってマニュアル以外を入稿。

マニュアルに苦戦しながらもようやく全て入稿。

部材が届き、丁合、マニュアル折り、梱包完了。

この隙間を縫って、今頑張って作ってますツイート。

これ全部、私がやってきたことの一部でした。

共感出来る方にはまだしも、そうでない方にはウザいだけだと思いませんか?

作者がどれだけ色んな工程を見せようが、苦労しようが、ユーザーにとっては別に作品には関係のないことなんです。

人によっては作品そのものより、その作者が好きなら関係あるかもしれませんが。

これは今となっては、どうしてもユーザーに伝えたいなら、完成後でも良いと思っています。

私の好きなメーカーのオインクゲームズさんは、新作発表されるタイミングが、早くてゲムマの2、3週間前だと記憶しています。(違っていたらすみません)

これって遅いと思いますか?

このクラスになると、早過ぎても遅すぎても余り関係ないと思います。まず売り切れないだけの数を生産して持ち込まれているからです。

ちなみに、代表の佐々木準さんはオインクゲームズにとっても、ゲムマは大事な場だと仰っています。

それだけゲムマは新作のアピールの場としても申し分ないのです。

特に東京開催は、ここ数年で来場者が2万人を突破し、常に2日間というスケジュールです。

スタイリッシュに統一されたパッケージサイズ。

毎回驚かせられる、斬新で一目で虜になるデザイン。

ぎっしりと詰まったオリジナルの内容物の数々。

この秋も、あのオインクゲームズさんが何を見せてくれるのか?今から待ち遠しいですね~

でも我々のように、参加経験は多少あっても、実力や実績が伴っていなければ、簡単に注目されることはなく、逆に新規であっても、市場へのリサーチ力や、優れたデザインセンス、宣伝スキルがあれば、注目して貰える筈です。

ただそういう方々は、SNSにしても、何時頃ツイートすべきか、週に何度すべきか、いつから始めるべきか等、しっかり把握されていると思います。

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結論

今回のツイートは、私の今までのでやり方が、実は余り良くないのではと、8年も経ってから思い返したことが発端で、私と近いスタイルでされている方への批判では決してありませんでした。

ただ気に触られた方には、この場をお借りしてお詫び申し上げますm(_ _)m

予想通りの乱文乱筆により、取り留めのない文章になってしまいましたが、自分がこうしようと決めたことは、他人にどう見られようと一度実行されたら良いと思います。

たとえ、それが失敗に終わったとしても、きっと次の糧になりますので。

私もこんなことを書いてはみましたが、明日からまた作業工程を見せながらツイートしてるかもしれないですw

正解なんてないと思います☆彡

最後まで拝読して頂き、有難うございました。

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