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アイドルとオタクの間で交わされる言葉たち

もはや、お金を払わずに話すことの方が難しい。

地下アイドルオタクのかべのおくです。


突然ですが、地下アイドルオタクが一番お金をかけている事ってなんでしょう?それは、特典会のチェキ代です。オタクはチェキを撮るという名目で、アイドルと2分間くらい話す時間を買っています。

しかしその会話の内容に対して、実はコアなオタクほどとんと無頓着な気がします。あまりにたくさん話しすぎて、話題を考える事すら忘れているのかもしれませんし、「いちいち話すことを考えるのがかっこ悪い」とイキっているのかもしれません。

ですが、果たして食費よりも明らかに高いお金を払っているのに、思いつきで話してしまっていいのでしょうか?会話に対してもっと真剣になったら、特典会がもっと楽しくなるかも知れません。


そもそも「会話以前」の問題

身も蓋もないのですが、会話を「会話」だけで切り取るのは愚策です。なぜならその会話の前後には必ずシチュエーションが存在して、それは各々のオタクによって大きく変わるからです。

そして会話のシチュエーションとしては、「理由」と「話題」があります。理由とはなぜその子の列に並ぼうと思ったか、話題はその子と何を話したいかです。


たとえば、通い慣れている主現場・推しメンならば、並ぶことに理由は要りません。「推しメンだから」で片付くはずで、ダイレクトに話題に入れるわけです。

一方で、初対面のアイドルと話すときに緊張するのは、この「理由」がちゃんとしていないからです。緊張をやわらげるには何かしらの理由を作っていく必要があるんだと思います。たとえば「対バンが被ったから」「今日聞いた曲が良かったから」「推しメンとそのメンバーが仲良しだから」など、なんでもいいでしょう。

そういえば、僕は「可愛いから」だけの理由で話しに行くことがあります。アイドルは見た目が大きな評価基準である以上、この理由は至極真っ当です。しかも他の理由に比べてはるかに主観的なので、変な説明がいらないのも良いところです。


オタクがおさえておくべき会話のパターン

こうして話す理由ができさえすれば、ぶっちゃけ話題はどうにでもなると思っています。コミュ障オタクに何千人と向き合っているアイドルの方が、話すことにかけてははるかに上手な事が多いからです。

従って、僕の場合は「話題がなくてもとりあえず並ぶ」が基本的なスタンスになっていて、会話についてもまずは「理由」を話すことだけに全神経を集中しています。

しかし時には「あと5秒でチェキ撮らないといけない」ことや、アイドルが全く喋らないタイプなこともあります。そんなときに会話のパターンを持っておくと便利だと思うので、ここでまとめておきます。


①ライブの感想

まず鉄板とも言えるのは、その日のライブの感想を伝えることです。

出演するライブを見てさえいれば話題に困らないのは、地下アイドルオタクの良いところです。地上アイドルならばブログや番組など、色々な情報をチェックしなくてはいけなくなるでしょう。

ただし「あの曲聞きたかったな〜」とか口走るとまたライブに来ることになります。楽だからって不用意にこの話題に走ると現場が増えて死ぬので注意しましょう。


②そのアイドル自身、グループのこと

もうひとつ簡単に話しやすいのは、その子自身やグループについての話題です。

たとえば私服特典会とかなら服についてのコメントとか、髪型やファッションなどについてです。また別メンバーの生誕祭ならば、生誕メンバーの話を振るなども手だと思います。

特典会はその日あったことを報告する場所ではありません。時間軸を無視して、過去や未来の話が出来れば、話題は一気に広がるでしょう。


③オタクのこと

話題はついにアイドルを離れて、オタクに及ぶこともあります。

たとえば、オタクが今日何をやったか、仕事で何があったか、普段どんな現場に行っているのか、などです。アイドルとの信頼関係が多少構築されると、オタクが何も振らずともこの話になることもあります。

ただ、自分が話題の中心ならばいいのですが、知り合いのオタクの話をされると自分の時間を横取りされたような気分になります。こうなりたくないなら、話題が自分から逸れないようにオタク側が注意する必要があるのでしょう。


④他現場のこと

これはタブーに感じられるかもしれませんが、他現場や他のアイドルの話をするというケースも確実にありえて、それは意外と有効です。

オタクは自己紹介をする時に「主現場はここです」みたいなことを話すことが多いですし、アイドル側からも「今日の対バンのメンツ的に、この人は来てくれそう!」みたいなのがあるんだと思います。逆に「あれ?今日は主現場と被ってないのに来てくれた!」と思ってもらって恩を売るというセコい賢い手もあります。

もちろんあまり他現場の話をしたら嫌われるかもしれませんが、適度に話題に挟むくらいはオタクのキャラづけとして有効なのでしょう。


接触に正解ってあるの?

さて、ここまでで特典会の会話における「理由」と「話題」の作り方を考えてみました。大事なことを書き忘れてましたが、そもそも特典会の接触の成功とは何なのでしょうか?僕はあとからチェキを見て「楽しかったな~」と思えることだと思います。

だから、ここまで散々書いてきたものの、楽しければ実は話題なんてどうでもいいのかもしれません。僕の場合も、強烈に記憶に残っている接触は本当にどうでもいいことを話してた時だったりします。それって、その場の雰囲気を通じて気持ちが通じあったからなんだと思います。

どんな話が刺さるのかどうかは、本当にアイドル次第、話しているオタク次第だったりします。だから他のアイドルには大ウケした話した、他の子にはそれほどでもなかったりすることもあります。でも、その「通じなかった!」というもどかしさが地下アイドル現場の醍醐味であり、僕を今日もライブに駆り立てるのかもしれません。


おわりに

まとめます。

コミュ強には必要のないnoteだったな。

以上です。

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