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140字小説|同乗者の顔

交通事故。同乗者を殺してしまい、僕だけが残った。
その時に負った傷の形が、その同乗者の顔に見える。
血だらけで苦しむ顔。
その後、傷は治り、半年後には黒い跡になった。
その顔は穏やかになった。

不可避だったんだ、その事故は。
僕はそれが単なる傷跡だった気が付き、彼の冥福を祈れるようになった。

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