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唇の皮




3000円のブーツはそれなりで
それなりのテロテロさで
テロテロがひどく私を安心させた



# ギュッのある暮らし



水がこぼれたら、
溢れて戻らないなら、
わたしが飲み干すから


自分が優しいと錯覚する運転



ホカホカのごはんの上で
ちょっと火が通っちゃった明太子



本当は羊じゃないんだ
見た目も悪いし味も美味しくもない
それでも喜んでほしかった みんなに





夢の中で暮らすのはそんなに苦しいですか




いつ届くんだろうと待ち侘びる
なにも注文していない
誰からも連絡もないのに
きっと届くと、今も待ってる




唇の皮をきれいに剥けたとき
なにかをひとつ解決できたような気がする




緊張して服の裾をギュッと握ってる姿
あのときはたくさん笑っちゃったけど
本当は可愛い、って思ってた




褒め言葉にすぐ飛びつく境界線のなさ
境界線のある人は
そんなこと考えずに
飛びつくときは飛びついて
飛びつかないときは飛びつかなくて
その人と私の違いって なに?




隣人が玄関をあけた
中から猫の鳴き声
おかえりなさい


自分の気持ちと向き合うのさえ
ひとと競い合う週末
わたしのほうがはやく自己肯定感あがりました





じゃぶじゃぶと  きみの鬱の中を一緒に泳ぐ
この海を全部わたしが飲み込めたら
全部をわたしの陸で覆い隠せたら
どんなに楽だろうか

そうはいっても  この大きさの海を
全部隠すにはどのくらいの年月がいるんだろうか
わたしは  実は
それ以外にもしたいことがあって
例えば  生命体を誕生させたり
山をつくったり  川をつくってみたいな
きみの海から川を通せたら すごくうれしいな
それらと  きみの海を隠すこと
同時に進むことは可能だろうか
どっちを優先させたらいいんだろうか
わたしがわたしの陸ばっかりに集中してたら
海はどうなっちゃうんだろうか
なんて  そんなことはできないよ
やり方が分かんないんだ
考えてみるだけ いつも
わたしの陸の下は、もっと暗い

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