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【ヒトと生き物 農家さんインタビュー企画】第3回 小館 秀樹さん

「ヒトと生き物 農家さんインタビュー」企画第三弾は、九戸城流鏑馬実行委員会委員長 小館 秀樹(こだて ひでき)さん。

この企画は、農業や生き物との関わりに興味があるけれど、一歩踏み出す勇気が持てない方の背中を押したいと思って始めました。今回はなんと、流鏑馬(やぶさめ)競技をされている方です!前回はくるみ農家さんだったので、ガラッと内容が変わりました。

そもそも、「やぶさめ」を「流鏑馬」と書くこともあまり知られていないですよね(笑)

今回なぜ、小館さんにスポットをあてることになったのか。

実は、小館さんは、流鏑馬の選手であるだけでなく、先に書いたように九戸城流鏑馬実行委員会という組織で普及のための活動もされているんです。

今回は、小館さんの流鏑馬との出会いから、普及活動をするようになった経緯、どんな思いで活動されているのかを明らかにしていく中で、スポーツの普及という観点で、新しいことに挑むとはどういうことなのか、考えていきたいと思います。

みんなでつくる、スポーツ流鏑馬

そもそも、流鏑馬とはどんなものか、皆さんはご存知でしょうか?

流鏑馬は、古来より行われている神事で、疾走する馬上から的に矢を射る、日本の伝統的な騎射の技術・稽古・儀式です。

これは、五穀豊穣や戦勝祈願などの祈りの意味を込めて、神事に関わる選ばれた人が的を射て、当たれば成功というものです。人々の期待を一心に背負っているので、責任は重大で、外せば只では済まないような大変重い儀式でした。

鎌倉時代からは、武士の鍛錬のためにも行われていたようです。

現代では、武田流や小笠原流などの流派が古来から伝承する流鏑馬や、各地神社の神職や氏子または保存会などに受け継がれた流鏑馬が、儀式や祭典として実施されています。東北では、盛岡八幡宮で奉納される南部流鏑馬や、山形県で奉納される寒河江八幡宮流鏑馬などが有名です。

ただ、今回ご紹介する小館さんが取り組んでいるのは、その神事流鏑馬ではなく、スポーツ流鏑馬。小館さんが会員として所属する十和田乗馬倶楽部を中心に、2000年代前半に形作られた、スポーツとしての流鏑馬です。神事に関わる方でなくても、やりたいという気持ちがあれば挑戦することができます。

スポーツ流鏑馬で使われる走路は、全長180〜200mで、その間に3つの的があります。的間は50〜55mあるので、加速と減速は約40mで行われることになります。

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規定の範囲内で速く走り抜け、かつ的に当てていきます。また、騎乗する馬は和種の血が入っているものとすることになっています。

スポーツ流鏑馬の歴史は17年ほどで、まだまだ始まったばかり。大会ルールやライセンス資格などもできて間もないです。乗馬倶楽部によって基準がバラバラだったものを統一したりと、今を生きる人達が試行錯誤しながら仕組みを作っていくのはなかなか味わえないリアル感があります。

他の歴史あるスポーツと違って、そのスポーツを盛り上げようとする人たちが目に見える感覚はとても暖かいものです。

小館さんをはじめ、十和田乗馬倶楽部の皆さんはとてもアットホームな雰囲気を持っています。ここに私はとても驚きました。

私「皆さん、ほんとに快く出迎えてくださって、驚きました!突然やってきて、煙たがられる可能性もあると思っていたのでここの空気感はとても安心します。」

小館さん「やっぱり、新しいことをやっているところだから、っていうのもあると思います。全体的に、人を受け入れようっていう空気があります。」

私は、大学生で馬術を始めて、その成熟したスポーツ文化に圧倒されました。もちろん、枠組みがしっかりと確立された世界で活躍していくことも素晴らしいことですが、新しく大会をつくったり、より良い仕組みに変えていくというようなことは、難しくもあります。

スポーツ流鏑馬の世界ではそういうものとはまた別の、皆で模索できるという楽しさがあるのかもしれません。

昨年からの大会予定はコロナ禍で大概が中止になってしまったそうですが(世界選手権などは行われたそうです)、例年は、4月に十和田、5月は岩手県遠野市でこども流鏑馬が、6月は函館、7月は遠野、8月は八戸、9月は二戸、10月は最終決戦の世界大会が十和田で開催されるなど、冬場をのぞいて一年を通して活発に試合が行われています。大会参加者は北海道から九州まで。大きな大会では、選手が数日前から現地入りしたりして合宿のような状態になっているそうです。


そして、女性選手だけで行われる春の桜流鏑馬という大会があるそうなのですが、それは華々しく美しいそうです。想像しただけでも素敵ですよね。今年の開催が無事決行されるのか、2月の取材時点ではまだわかっていませんが、皆さんの意気込みは十分。私も開催されたら絶対に見に行くと約束しました。

続きは↓から(ブログに飛びます。もちろん無料です!)

https://datedatelog.com/farmer-interview3/

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