見出し画像

今さら聞けない個人再生とは!自己破産と任意整理のいいとこどり

任意整理のメリットとデメリット

債務整理には、自己破産や個人再生、任務整理などいくつかの種類がありますが、それぞれに特徴があり債務者の状況により選択すべき債務整理方法が異なってきます。債務整理すると一定期間はクレジットカードが利用できなくなるといいますが、カード時代の現在では非常に不便を被ることになります。

ところが、債務整理の中でも任意整理の場合はクレジットカードを残すことも可能で、その名の通りに整理する債務を任意で選ぶことができる債務整理方法として利用されています。

そもそも、このような制度があるのは、本来は自己破産したいのだけれども保証人を立てている場合には、保証人に多大な迷惑をかけてしまうことになるため、債務整理したくてもできないというケースなどを考慮されているからです。

任意整理の場合には、自己破産や個人再生とは異なり裁判所を通さずに行いますので、原則として、自分で整理する債務を選んで債権者である金融機関やキャッシング業者などと個別交渉を行うことになります。

このように、任意整理では任意に整理する債務を選んで個別交渉を行いますので、クレジットカードによる債務を選択しなければそのまま残すことも可能で、返済をきちんと続けていればそのまま利用できる可能性は高くなります。

ただし、任意整理の場合には、自己破産のようにすべての借金を免責されるというようなものではなく、あくまで借金の一部が免除されたり、あるいは金利減免処置が行われるという程度で、借金自体は自己破産のように大きく減少することはありません。

過払い金でも発生していれば別ですが、任意整理単独では借金の大幅減額は期待できないということになります。

自己破産と任意整理のいいとこ取りの個人再生

自己破産の場合には、全ての借金が免責されてゼロとなりますが、その代わりに原則として20万円以上の価値のある資産についてはすべて債権者に配当されることになり、自宅を所有している場合には手放す必要があります。

しかし、任意整理の場合にはそれほど大幅な借金減額は見込めません。

こんな時に検討したいのが個人再生です。元々はバブルの崩壊で住宅ローン返済に苦慮する人たちの救済策として新たに作られた債務整理方法で、一定の条件のもとに自宅や自動車を残したままで借金を大幅減額するという制度です。まるで自己破産と任意整理のいいとこ取りをしたような債務整理方法といわれています。

個人再生は、自己破産同様に裁判所に申し立てを行いますので、官報にも掲載されます。新たな借り入れをしたり、クレジットカードを作ることは一定期間(5~10年)難しくなりますが、借金が約8割ほど免責され残りを3年で返済していくことになりますので、任意整理と比べるとはるかに借金返済しやすくなります。

個人再生を申請して認められるためには、借金返済していく再生計画を提出する必要があり、これが裁判所から認められることで許可されます。

個人再生を認めてもらうコツは、しっかりとした再生計画が必要ですので、一定の収入があることが条件となり、再生計画に基づいてしっかりと借金返済できるということを示す必要があります。この辺りについては、弁護士さんなどと相談して認めてもらえるコツをマスターして再生計画を作成する必要があります。

住宅ローン返済のコツは、繰り上げ返済を多用して短期間の借金返済を心がけることだといわれます。債務整理も同様で、個人再生により住宅ローン以外の借金額を大幅に減額することがポイントです。自己破産には劣りますが、その分自宅を手放さずに任意整理と比べたらはるかに返済が楽になりますし、短期間での完済も可能となります。

住宅ローンの返済のために多重債務者となった人は非常に多く存在しますが、是非とも検討してもらいたい債務整理方法となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?