ショーシャンクの空に

このセリフに興味を持ち、その真意を確かめるために「ショーシャンクの空に」を鑑賞した。
以前から存在は知っていたが手を出していなかった作品で、言わずと知れた名作。
さあ、新しいコンテンツの旅に出よう!

概要

アンディはある銀行の副頭取だったのだが、妻と愛人の射殺容疑をかけられ、終身刑を言い渡される。
その後、ショーシャンク刑務所に収監され、服役囚の1人レッドと出会う。
現実とはかけ離れた刑務所という世界を舞台に、欲望の渦巻く日々が描かれている。
この作品を見て感じた大きなテーマは、「希望」
希望は人の生き方に繋がる。
「何を望んであなたは生きるのか?」
その答えが自分らしい人生を形作るような気がした。

希望の在り方

この作品は、何を希望として生きるかという問いの、ひとつの解を提示しているように感じた。
その解とは、「希望は人にある」ということ。
刑務所の中には、荒くれ者が多数存在する。
そんな彼らが、刑務所生活の中で楽しみにしていたものは、
・性的欲求をほかの受刑者で満たすこと
・新人の服役囚(フィッシュと呼ばれている)を虐めて最
  初に泣き出す人を当てる賭け
・裏流通路で入手したタバコをふかすこと
くらいだった。
そんな刑務所の中で、アンディがとった行動は他の者とは違った。

刑務所の屋根を修理する仕事を、アンディやレッドを含む12人で取り組む。
監視の警官が税金の話をしていることにアンディは気づき、銀行の副頭取であった経験から節税のアイディアを教える。
その報酬として、作業場にいた12人の仲間たちにビールを御馳走させた。

腐りきった服役囚たちとは違い、アンディは仲間と一緒に幸せを感じる選択をした。
また、自分が懲罰を受けると理解していながら、服役囚たちにレコードで音楽を聞かせた。
本の管理係になって蔵書の数を増やしたり、高卒認定の試験に合格したいトミーに勉強を教えるなど、刑務所の中に希望を広げるための活動に注力していた。

その影響は確かに他の服役囚に伝播しており、その最たる例がブルックスとレッドが辿った運命の違いだろう。

ブルックスはショーシャンク刑務所に40年ほど在籍し、外の世界を何も知らない。
そんな状態で仮釈放となりシャバに出た彼は、外の世界の変わりように驚き、上手く適応できない日々を過ごす。
両手にリウマチを抱え、仕事先のスーパーでは店長に虐げられる。
そんな生活に耐えられなくなった彼は、
BROOKS WAS HERE(ブルックス、ここにありき)
とメッセージを壁に掘り、自害する。

レッドは、希望は危険だと言っていたが、まさにその通りの運命となってしまった。
淡い希望に踊らされると、痛い目を見る。
当たり前の日常となってしまった刑務所を出ることに不安を覚えながら、仮出所によるシャバの世界に見出した一縷の希望は幸せには繋がらなかった。

レッドもブルックスと同じく約40年の刑務所生活の末、仮出所が命じられる。
レッドにとってもシャバの世界は生き辛く、仕事も上手くいかない。
「食べろ!」「トイレに行け!」
など、何事も指示がないと動けない生活に慣れてしまった弊害だ。
ブルックスと同じ運命を辿るかに見えたレッドだが、命を絶つ決断ではなく旅に出ることにした。
その目的地は、脱獄したアンディの元へ。

レッドとブルックスは同様に、シャバの世界に怯えながら仮出所を迎えた。
2人ともが生き辛さを感じて虚無感に苛まれていたが、決定的に違ったのはアンディの存在だった。
レッドにはアンディを希望にして生きる道があった。
ものや場所や曖昧なものではなく、人。
「何をやるよりも誰とやるか。」
使い古された言葉ではあるが、その意味を考える機会となった。

本作を通して、アンディは希望とは何かを伝えていたように思う。
欲望のままに動くことではなく、共有すること。
希望を持ち、仲間と分かち合うことが幸せに繋がる。
自分を見失わずに、大切なものを持ち続けることができれば、あなたらしい人生を見つけることができる。
そして、あなたらしく生きることができれば、どんな世界にも、あなたと共に歩んでくれる人がいる。

ひとつずつ、頑張ろう。
希望を見つけよう。

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