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まんが人体の不思議 茨木保著 ちくま新書(2017年5月発行)

新書などでタイトルに「まんが」とついていた場合、単なるイラスト多めだったり、本文とまんがが交互に掲載されていたり、というのをよく見かけますが、本書はしっかりとまんがしていました。

というのも、全編にわたって、それなりにコマ割がある適度にデフォルメされているキャラが立っているからです。内容をご紹介しますと

知っているようで、実は知らないことが多い身体のしくみ。たとえば、肝臓はどんな働きをしている臓器か、ぱっと答えられる人は少ないし、ホルモンってよく聞くけど、どの部位から出ていて、どんな働きがあるのか、わからない人も多いだろう。医学的な話になると、素人には難しくて、手も足も出ないと思いがちだが、本書は「まんが」で説明しているので、誰にでも理解できるはず。これ一冊読んでおけば、診察室での専門用語にも対応できるに違いない。

表紙見返し

また全10章から構成されていて「細胞」「消化器」「血液」「循環器」「呼吸器」「泌尿器」「内分泌器」「神経」「感覚器」「生殖器」と器官別に並んでいます。
それぞれのトピックスでは器官の役割、発見などをした学者のエピソード、それぞれの仕組みという構成で話が進みます。
内容はかなり専門的だと思うのですが、「まんが」だとなんとなくわかった気になるから不思議です。
読んでいて「はたらく細胞」シリーズを思い出しました。

これは本当に面白い一冊でした。

ところで、本書を読んでいて思ったのですが、人間を扱う学問って本当に多いですね。ヒトという生物を扱う生物学、体のしくみを扱う医学、心を扱う心理学や哲学・宗教学、人々の行動を扱う行動学や地政学・歴史学などなど。

様々な分野で「人間」を研究しているのだなぁ、と今さらながら感心しました。というのも、最初に購入したとき、うかつにも本書を「生物学」の本だと思っていたのですね。読み始めて、ん?なんか違う、と改めて表紙を見ると「医学」の文字がありました。こういうのを「棚からぼたもち」というのでしょうか。


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